二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.359 )
- 日時: 2014/01/23 19:14
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
クトゥグアとのデュエルで、絶体絶命の危機に瀕している姫乃。
シールドはゼロ、《ハッチャキ》《純潔の信者 パーフェクト・リリィ》《知識の精霊ロードリエス》《光器パーフェクト・マドンナ》の四体。
対するクトゥグアの場には《神青輝 P・サファイア》に《空腹の超人》と《ニヤリー》の三体。シールドは《黄泉秘伝トリプル・ZERO》で四枚まで回復している。
なにより危険なのが、《破界秘伝ナッシング・ゼロ》で山札に積み込んだカードだ。クトゥグアのデッキトップにあるのは、自分のクリーチャー一体のパワーを4000増強し、そのクリーチャーのパワー以下のクリーチャーにはブロックされない能力を付加する《がっつりガッツマン》。
このターンで決めるか、なにかしらの対策を施さない限り、次のクトゥグアのターンでとどめを刺されてしまう。
「…………」
姫乃は引いてきたカードを見つめ、思案する。生き残るための道を考え抜く。
そして、
「……呪文《スパイラル・ゲート》。《P・サファイア》を手札に戻すよ」
まず《スパイラル・ゲート》で《P・サファイア》をバウンスする。だが、これではほとんど対策にはならない。
「《P・サファイア》はスピードアタッカー。私のマナは10マナ。それは無意味」
次のターンにマナチャージすれば、クトゥグアは11マナ。9マナの《P・サファイア》を召喚しつつ、2マナの《がっつりガッツマン》を発動させることは可能だ。
勿論、そんなことは姫乃も分かっている。分かっているうえで、分かっているからこそのプレイだ。
「無意味かどうかは、このカードを見てからだよ。続けて呪文《ヘブンズ・ゲート》!」
残ったマナをすべて使い切り、姫乃は天国の門を開く。
「出て来て! 《光器ユリアーナ》! 《閃光の神官 ヴェルベット》!」
天門より降り立ったのは、光の女神と、閃光の神官だった。
「《ヴェルベット》……」
眉根を寄せるクトゥグア。この状況で、そのカードは厄介だ。
《P・サファイア》は今クトゥグアの手札にある。普通、スピードアタッカーをバウンスしても、すぐに攻撃されてしまうため、効果は薄いのだが、しかし《ヴェルベット》がいるのであれば話は別だ。
ここで次のターンに《P・サファイア》を召喚しても、タップされてバトルゾーンに出るため、すぐに攻撃できない。どころか、返しのターンに殴り返されるだけだ。
「《ハッチャキ》で攻撃! 手札から二体目の《ユリアーナ》を出してシールドブレイク! 《パーフェクト・リリィ》でも攻撃! 《ニヤリー》をタップしてシールドをブレイク!」
S・トリガーも来ないクトゥグア。除去カードが来れば、《ヴェルベット》を除去できるのだが。
「…………」
姫乃のターンが終わり、クトゥグアのターン。このターンに引いてくるのは、《ナッシング・ゼロ》で積み込んだ《がっつりガッツマン》だ。
幸いなことに、その次にセットしているのが《リーフストーム・トラップ》なので、このターンが凌げれば、まだなんとなるかもしれない。
「……《墓地の守護者メガギョロン》召喚。墓地の《戦慄のプレリュード》を回収し、二体目の《メガギョロン》を召喚。今度は《トリプル・ZERO》を回収」
クトゥグアはとにかくブロッカーを並べ、手札に《プレリュード》と《トリプル・ZERO》を握り込む。このターンさえ凌げれば、次のターンには《P・サファイア》でとどめを刺せるのだ。とにかく今は守りに徹する。
しかし、姫乃もしっかりと攻めの体勢を整えていたのだった。
「わたしのターン! 《束縛の守護者ユッパール》を召喚して、《メガギョロン》をフリーズ!」
まず最初に《ユッパール》が出され、《メガギョロン》一体がタップされてしまう。
これならまだ、S・トリガーが出れば凌ぐことも可能だが、これだけでは終わらない。
「《パーフェクト・マドンナ》と《ユリアーナ》《ユッパール》を進化元に、進化MV!」
刹那、《パーフェクト・マドンナ》とその周囲を取り囲む《ユリアーナ》《ユッパール》が、眩い光に包まれる。
「《慈愛神話 テンプル・ヴィーナス》!」
そして現れた、《慈愛神話 テンプル・ヴィーナス》。これでアタッカーが四体。しかも《ヴィーナス》には強力な破壊耐性がついている。
「このターンで終わらせるよ……《パーフェクト・リリィ》で攻撃、《メガギョロン》をタップしてシールドブレイク!」
《パーフェクト・リリィ》の能力でもう一体の《メガギョロン》もタップされてしまった。もはやクトゥグアを守るクリーチャーはいないが、
「……S・トリガー発動。《逆転王女プリン》」
割られたシールドが光の束となって収束し、クリーチャーとなってバトルゾーンに降り立った。
出て来たのは、バトルゾーンのクリーチャーを一体タップ、またはアンタップする《逆転王女プリン》だ。
「でも……《ヴィーナス》の能力で相手クリーチャーをタップしても無意味……《メガギョロン》をアンタップ」
《ユッパール》にフリーズさせられた《メガギョロン》をアンタップし、再び防御の構えを取るクトゥグアだが、
「《ハッチャキ》で攻撃! 手札から《パーフェクト・マドンナ》をバトルゾーンに! シールドをブレイク!」
「く……っ」
最後のシールドがブレイクされるクトゥグア。しかし、S・トリガーは出なかった。
クトゥグアにはまだ一体《メガギョロン》がいるが、姫乃の場には《ヴェルベット》と《ヴィーナス》、二体の大型クリーチャーが残っている。
「《ヴィーナス》で攻撃!」
「……《メガギョロン》でブロック」
無駄なことではあるが、《ヴィーナス》の攻撃を《メガギョロン》で防いだ。
そして最後に残った閃光の神官が、金色の錫杖を、クトゥグアへと向ける。
「《閃光の神官 ヴェルベット》で、ダイレクトアタック——!」