二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.399 )
- 日時: 2014/02/15 19:09
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
ガロウズ・セブ・カイザー ≡V≡ 水文明 (6)
サイキック・クリーチャー:サイバー・コマンド/エイリアン 6000
相手のクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引いてもよい。
W・ブレイカー
ハイドラ・ギルザウルス 火文明 (5)
サイキック・クリーチャー:ロック・ビースト/エイリアン 5000
相手がコストを支払わずにクリーチャーを召喚した時または呪文を唱えた時、相手はカードを1枚、自身のマナゾーンから選んで墓地に置く。
竜骨なる者ザビ・リゲル 闇文明 (4)
サイキック・クリーチャー:リビング・デッド/エイリアン 3000
自分のエイリアンが相手の呪文によって破壊された場合、相手は自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。
自分のエイリアンのパワーが相手の呪文によって0以下に減らされた場合、相手は自身のクリーチャーを1体選び、破壊する。
覚醒リンク—自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の《ガロウズ・セブ・カイザー》と《ハイドラ・ギルザウルス》があれば、そのクリーチャーとこのクリーチャーをすべて裏返しリンクさせる。
《ザビ・ミラ》の能力で展開されたサイキック・クリーチャーの内の三体《ガロウズ・セブ・カイザー》《ハイドラ・ギル・ザウルス》《竜骨なる者ザビ・リゲル》。
これらは単体でもそれなりに有能ではあるが、それでもそこまでの脅威ではない。だが、三体揃ってしまえば、焦燥を加速せずにはいられない。
(《死海竜》のサイキック・セルが一気に三体揃うかよ……!)
単独では大きな力はなく、三体の効果を組み合わせることもできないが、しかしこの三体は、《死海竜》のサイキック・セル。次のターンに除去できなければ、夕陽はニャルラトホテプに覚醒リンクを許してしまうこととなる。
「それ以前に、この戦力差も十分やばいけどな……」
ニャルラトホテプの場には二体の《ユリア・マティーナ》《ザビ・ガンマン》に加え、《ザビ・ヒドラ》《ファンク》《ヤミノザビグライド》《キル》そして《死海竜》のサイキック・セル三体。
覚醒リンクしなくとも、その数のクリーチャーが一気に攻めて来たら相当まずい。
「とりあえず、一応エイリアンが場に出たので、墓地の《ヤミノザビグライド》《ザビ・デモナ》二体と《次元流の豪力》を回収して、ターンエンドです。ささ、あなたのターンですよ?」
何気に墓地のクリーチャーを回収しつつ、ターンを終えるニャルラトホテプ。一挙一動が癪に障る。
「……せめて、サイキック・セルだけでも破壊できればな」
しかし、手札に除去カードはない。そもそも手札自体、持っていない。
度重なる《ヤミノザビグライド》によるハンデスのせいで、夕陽は手札がないのだ。ダメ押しのように《ザビ・ミラ》でも《ヤミノザビグライド》を破壊し、手札を削っていた。
「とにかくドロー……これに賭けるしかないか」
もはやなりふり構っていられない。今引いたばかりのカードを、すぐさま行使する。
「マナ進化GV! 《超天星バルガライゾウ》を召喚!」
マナゾーンのドラゴン三体を進化元に現れたのは、巨大な東洋龍《バルガライゾウ》。
自然文明だが、《バルガ》の名を持つように、ドラゴンを踏み倒す能力がある。
「まずは《GENJI》で攻撃! 効果で《ザビ・ガンマン》を破壊!」
「《ユリア・マティーナ》でブロック、シールドを追加します」
まず、ループ覚醒してパワー負けする恐れのある《ザビ・ガンマン》殻破壊。シールドは増やされてしまったが、今更だ。一枚程度ならそこまで気にすることもないだろう。
「続けて《バルガライゾウ》で攻撃、メテオバーン発動!」
進化元となった三体のドラゴンを墓地へと送り込み、山札の上から三枚を捲る。
「……よし来た! 捲れたのは《王龍ショパン》《インフィニティ・ドラゴン》と《不敗のダイハード・リュウセイ》だ! この二体をバトルゾーンに!」
《ショパン》の能力で《ファンク》を破壊しつつ、これで強力なドラゴンが並ぶ。
「《バルガライゾウ》で攻撃!」
「《ユリア・マティーナ》でブロック」
そしてシールド追加。
山札からシールドゾーンにカードを置きつつ、ニャルラトホテプは言う。
「喜ぶのは結構ですけど、そんなに嬉しい状況でもないんじゃないんですか? なにせ、このターンに私の《死海竜》のパーツを一体も破壊できなかったんですから。喜んでいる場合ではないというか、そんな立場ではないですよねぇ」
「…………」
これはニャルラトホテプの言う通りだ。確かに夕陽の場には強力なドラゴンが並んだが、結局はアタッカーをほとんど減らせていない。覚醒リンクも止められなかった。
「ではでは? 私のターンでよろしいですよね」
その時。
「《竜骨なる者ザビ・リゲル》の覚醒リンク発動!」
ニャルラトホテプの場で佇む、三体のクリーチャーが光に包まれる。そして——
「覚醒せよ、そしてリンクせよ! 」
——三体の死海の星は、一体となった。
死海竜ガロウズ・デビルドラゴン ≡V≡ 水/闇/火文明 (24)
サイキック・スーパー・クリーチャー:デビル・コマンド・ドラゴン/エイリアン 12000
相手プレイヤーはコストを支払わずにクリーチャーを召喚したり呪文を唱えたりできない。
このクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにあるクリーチャーを2体まで選び、持ち主の手札に戻してもよい。
T・ブレイカー
リンク解除
覚醒リンク前《ガロウズ・セブ・カイザー》(上)《竜骨なる者ザビ・リゲル》(中)《ハイドラ・ギルザウルス》(下)
「来たか……!」
《死海竜ガロウズ・デビルドラゴン》。ハンターを撃滅すべく生み出された異星の覚醒リンク。かの龍の発する瘴気は悪夢の如き束縛をもたらすのだ。
「さあ、《死海竜》が出ましたよ。これであなたはS・トリガーに頼ることもできません。このターンでとどめを刺して、私の勝ち——」
「勝ち誇るのは、まだ早いだろ」
ニャルラトホテプの言葉を遮って、夕陽は言葉を飛ばす。
「……なんですか?」
「僕の場をよく見ろよ」
夕陽に指差され、場を確認するニャルラトホテプ。夕陽の場にいるのは《超天星バルガライゾウ》《インフィニティ・ドラゴン》《不敗のダイハード・リュウセイ》の三体。
「僕の場には《ダイハード・リュウセイ》がいる。僕がこのターンダイレクトアタックを決められそうになっても、こいつを破壊すれば僕はこのターン負けない。《死海竜》の能力でバウンスされても、《インフィニティ》で守れる」
夕陽が前のターンに喜んだのは、なにもドラゴンが捲れたからだけではない。次のターンに生き残る見込みができたからだ。
だがその見込みも、ニャルラトホテプは一生に付す。
「ふっ、はははっ! なにを言うかと思えば。確かに《死海竜》でバウンスしようにも《インフィニティ》が邪魔ですが、それはあなたも同じでしょう?」
《インフィニティ》を指差しつつ、ニャルラトホテプは嘲るように言う。
「《ダイハード・リュウセイ》で負けないようにするためには、《ダイハード・リュウセイ》を破壊させなければなりません。しかし自身の能力で破壊しようにも、その破壊も《インフィニティ》で邪魔されますよ」
これも、彼女の言う通りだ。
《インフィニティ》の能力は強制なので、《ダイハード・リュウセイ》の破壊まで邪魔してしまう。もし《ダイハード・リュウセイ》が破壊されなければ、このターン夕陽は負けてしまうのだ。
「……ドラゴンかファイアー・バードが捲れなければ、破壊されるけどね」
「そのデッキのそれらのカードの割合から考えて、その可能性は限りなく低いでしょうけどね。現に唯一の呪文に見える《メンデルスゾーン》は二枚が墓地に、一枚はマナゾーンにありますし、残り一枚がそう都合よく出るものですか?」
もっと言えば、バウンスの際にその《メンデルスゾーン》が捲れれば、目も当てられない事態となる。
完全な賭け、それも分の悪すぎるギャンブル。
しかし夕陽は、そのギャンブルに賭けるしかない。
「御託はいいよ。早く攻撃そてきたらどうだ? まさかこのターンに仕留められない可能性が怖いとかいうなよ」
「……まさか」
夕陽の挑発に乗ったわけではないだろうが、ニャルラトホテプは本当に、本格的に、攻めを見せる。
「私のバトルゾーンにはパワー6000以上のクリーチャーがいるので《時空の喧嘩屋キル》は《巨人の覚醒者セツダン》へと覚醒。そして《超次元バイス・ホール》! あなたの手札はないので、サイキックを出すだけですけどね。《時空のジキル ザビ・ガンマン》と《時空の踊り子マティーニ》をバトルゾーンに! 続けて《次元流の豪力》を召喚して、《ユリア・マティーナ》をバトルゾーンに、《ジオ・ホーン》を回収! さらにコスト4以上のブロッカーが出たので、《マティーニ》の覚醒条件クリア! 《舞姫の覚醒者ユリア・マティーナ》に覚醒!」
とはいえ夕陽に生き残る可能性があるのだから、守りのことも考え、ブロッカーを並べるニャルラトホテプ。
そして遂に——《死海竜》が、無数の牙を剥く。