二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.421 )
日時: 2014/02/20 17:16
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

偽りの悪魔神(コードデーモン) バロム・ミステリー 光文明 (7)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド/アンノウン 12000
進化—自分のデーモン・コマンド1体の上に置く。
自分のデーモン・コマンドがバトルに勝った時、カードを1枚引いてもよい。その後、進化でないデーモン・コマンドを1体、手札からバトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー


 《ブラック・ガンヴィート》から進化したのは、ゼニスに支配され、アンノウンの力を受けた《バロム》、その名も《バロム・ミステリー》だ。
 光のデーモン・コマンドの頂点に立つ悪魔神であり、その力も非常に強力である。
「まずは《ガチンコ・ルーレット》でマナを加速させます。そしてガチンコ・ジャッジ!」
 葵が捲ったのはコスト8《偽りの羅刹 アリバイ・トリック》、このみはコスト6《機神勇者スーパー・ダッシュ・バスター》。
 葵がガチンコ・ジャッジに勝利し、《ガチンコ・ルーレット》を手札に戻す。
「そして、ここからが本番です。《バロム・ミステリー》で《スーパー大番長「四つ牙」》を攻撃! バトルで破壊します!」
 《バロム・ミステリー》の両手から放たれる光線が《「四つ牙」》を射抜き、消滅させる。《「四つ牙」》は為す術もなく破壊されてしまった。
 しかも、ただ破壊されたのではない。
「バトルで勝ったので《バロム・ミステリー》の能力発動! 山札からカードを一枚引き、手札のデーモン・コマンドをバトルゾーンへ! 《威牙の幻ハンゾウ》を呼び出し、《隻眼の鬼カイザー ザーク嵐》のパワーを6000下げて破壊します!」
 《「四つ牙」》に続いて、《ザーク嵐》まで破壊されてしまった。これでこのみのバトルゾーンのクリーチャーが一掃される。
「《バロム・ミステリー》……強いなぁ……」
 このみが呻く。
 つまりこれから、《バロム・ミステリー》がいる限り、葵のデーモン・コマンドがバトルに勝つたびにまた新しいデーモン・コマンドが出て来るのだ。このみのクリーチャーは削られ、葵は逆に悪魔を増やしてく。
「相手を破壊しながら自分はデーモン・コマンドを増やす……御舟さんみたいなスタイルだよ……」
 メインとしている文明やサイドカラー、細部こそ違うものの、破壊と踏み倒しを連打してフィールドアドバンテージに差をつけていく戦い方は、汐と通じるところがある。
 だとすれば、攻め切れなかったこのみでは厳しい戦いになりそうだ。
「まーでも、やるしかないよね。マナは十分にあるんだし、攻めるだけ攻めるよっ! まずは《超次元フェアリー・ホール》! マナを増やして、超次元ゾーンから《勝利のガイアール・カイザー》を出すよ! 続けて《堀師の銀》召喚! 《堀師の銀》をマナゾーンに! そっちもクリーチャーを一体、マナゾーンに送って」
「では、《ハンゾウ》をマナゾーンへ」
 《堀師の銀》でクリーチャーを除去するこのみ。しかし当然、葵は《ハンゾウ》をマナに送った。
「まだまだ! 《アパッチ・ヒャッホー》を召喚!」


アパッチ・ヒャッホー 火文明 (4)
クリーチャー:メルト・ウォリアー/ハンター 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト4以下のハンター・サイキック・クリーチャーを1体、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。


 召喚された《アパッチ・ヒャッホー》の叫びで、超次元の門が開く。
「《アパッチ・ヒャッホー》の効果でコスト4以下のハンターのサイキック・クリーチャーを出すよ! 《剛腕の政》をバトルゾーンに!」
 サイキックも絡めて次々とクリーチャーを呼び出すこのみ。相手にクリーチャーを展開される前に、こちらが大量展開し、数で押す作戦だ。
「とりあえず並べられるだけ並べたけど、どうしよう……《勝利のガイアール・カイザー》で攻撃しようかな……」
 葵のシールドは残り三枚。スピードアタッカーの《勝利のガイアール・カイザー》で攻撃すれば二枚に減るが、次のターンに殴り返されれば、《バロム・ミステリー》の効果がまた発動する。
 しかし、今は少しでも葵のシールドを削り、勝利に近づきたい。このみは少し悩んだが、最終的には《勝利のガイアール・カイザー》に手を置いた。
「……《勝利のガイアール・カイザー》でシールドをブレイク!」
 《勝利のガイアール・カイザー》をタップし、葵のシールドを粉砕する。
 だが、その砕けたシールドの破片が、光の束となって収束した。
「S・トリガー発動《プリズン・スパーク》」
「うわっ、S・トリガー……!?」
 可能性を考慮していなかったわけではないが、こんなタイミングで踏んでしまった。しかも当たったのがよりによって《プリズン・スパーク》だ。


プリズン・スパーク 光文明 (7)
呪文
バトルゾーンに自分の光のデーモン・コマンドがあれば、この呪文は「S・トリガー」を得る。
バトルゾーンにある相手のクリーチャーをすべてタップする。
自分のターン中にこの呪文を唱えた場合、バトルゾーンにある相手のクリーチャーはすべて、次の相手のターンのはじめにアンタップされない。


「私の場には《バロム・ミステリー》がいるので《プリズン・スパーク》はS・トリガーを得ます。あなたのクリーチャーをすべてフリーズ」
 《アパッチ・ヒャッホー》や《剛腕の政》は勿論、攻撃した《勝利のガイアール・カイザー》までもがフリーズしてしまう。
 だが、この場合フリーズはあまり関係ない。なぜなら、どの道すべて破壊されてしまうのだから。
「私のターンです。まずは呪文《超次元バイス・ホール》。あなたの手札はないので、ハンデスは行いません。ですが、超次元ゾーンからクリーチャーは呼び出します。開け、超次元の門!」
 《バイス・ホール》により、超次元の門が開かれる。
「《時空の封殺ディアスΖ》をバトルゾーンに!」


時空の封殺ディアスΖ 闇文明 (8)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド/ドラゴン・ゾンビ 7000
E・ソウル
殲滅返霊4(このクリーチャーが攻撃する時、自分または相手の墓地からカードを4枚選んでもよい。あるいは両方の墓地からカードを4枚ずつ選んでもよい。選んだカードを好きな順序で持ち主の山札の一番下に置く。こうして選んだカード4枚につきこのクリーチャーの返霊能力を使う)
返霊—相手は、バトルゾーンまたは手札から自身のカードを1枚選び、山札の一番下に置く。
W・ブレイカー
覚醒—自分のターンの終わりに、そのターン、相手のクリーチャーが3体以上バトルゾーンを離れていた場合、このクリーチャーをコストの大きい方に裏返す。


 超次元の門より現れたのは、Ζの力を持つ封殺の悪魔《時空の封殺ディアスΖ》。
「うっ、でも、《ディアスΖ》はこのターン攻撃できないし、だいじょ——」
「さらに続けて呪文《ダイヤモンド・ソード》! これで《ディアスΖ》はこのターンに攻撃できるようになります」
「嘘っ!?」
 《ディアスΖ》の強みはその能力、殲滅返霊にある。とはいえそれも攻撃時にしか使えないので、場に出してすぐに能力発動、というわけにはいかないのが難点だ。
 だが《ダイヤモンド・ソード》は召喚酔いなどの、クリーチャーの攻撃出来ない状態をすべて無効化するため、このターンから《ディアスΖ》も攻撃に参加できるようになる。
「まずは《ディアスΖ》で《アパッチ・ヒャッホー》を攻撃、そして殲滅返霊4発動です!」
 その瞬間、このみと葵の墓地にあるカードが四枚ずつ、それぞれの山札の底へと戻される。
「互いの墓地のカードを四枚ずつ山札に戻すので、返霊能力を二回発動します。さあ、クリーチャーを二体、山札の底に戻してください」
 このみは手札がないので、場のクリーチャーを山札に戻すしかない。
「うー……どうせ《アパッチ・ヒャッホー》はバトルで破壊されちゃうし、《バロム・ミステリー》の効果が発動するのも嫌だから、《アパッチ・ヒャッホー》と《剛腕の政》を戻すよ」
 《ディアスΖ》の能力により、《アパッチ・ヒャッホー》は山札の底に、《剛腕の政》は超次元ゾーンに、それぞれ戻される。
 攻撃対象を失った《ディアスΖ》の攻撃は無効になるが、さしたる問題はない。葵にとって重要なのは、このみのクリーチャーが場を離れることだ。
「続けて《バロム・ミステリー》で《勝利のガイアール・カイザー》を攻撃、破壊します」
 《バロム・ミステリー》の攻撃により《勝利のガイアール・カイザー》も破壊された。それもバトルで破壊されたので《バロム・ミステリー》の能力が発動する。
「カードを一枚ドロー、そして手札から《虚構の支配者メタフィクション》をバトルゾーンに。これで私はターンエンド——」
 だが、その瞬間《ディアスΖ》に異変が起こる。
 このターンこのみのクリーチャーは《ディアスΖ》の殲滅返霊と《バロム・ミステリー》の攻撃で、三体場を離れている。
 つまり、《ディアスΖ》の覚醒条件を、満たしているのだ。
「《時空の封殺ディアスΖ》を覚醒」
 空気が震撼し、《ディアスΖ》はその力を覚醒させる。

「私と共に駆け抜ける、悪魔のΖ——《殲滅の覚醒者ディアボロスΖ》!」