二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.422 )
日時: 2014/02/20 20:30
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

殲滅の覚醒者ディアボロスΖ 闇文明 (16)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド 18000
E・ソウル
バトルゾーンにある相手のクリーチャーすべてのパワーは−5000される。
バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーすべてのパワーは+5000される。
Q・ブレイカー
解除


 《時空の封殺ディアスΖ》が覚醒した姿、それが《殲滅の覚醒者ディアボロスΖ》。
 その力は、《殲滅の覚醒者》という名に相応しい、凄まじいものだ。
「《ディアボロスΖ》が場にいる限り、このみちゃんのクリーチャーのパワーは全部マイナス5000……これじゃあ、クリーチャーを召喚しても……」
 このみのデッキは、わりと重いカードもあるようだが、それでも軽い小型クリーチャーが中心だ。5000もパワーを下げられては、大抵のクリーチャーは召喚してもすぐに破壊される。
 完全な詰みとまではいかないが、このみの動きは甥によってほとんど遮断されてしまった。あとは、その圧倒的な破壊力で、シールドを殲滅されるのみ。
「とりあえず、あたしのターン……」
 このみもクリーチャーの召喚が制限されることは分かっているようで、苦しそうにカードを引く。
「……ターン、終了」
 そしてマナチャージもせず、引いたカードを一瞥するだけでターンを終える。出してもすぐに破壊されるようなカードだったのだろう。最後の最後で抵抗もできないほど、《ディアボロスΖ》の制圧力は凄まじいのだ。
「私のターンです」
 そして、葵のターン。
 葵の場にはQブレイカーの《ディアボロスΖ》Tブレイカーの《バロム・ミステリー》Wブレイカーの《メタフィクション》と、重量級クリーチャーが並んでいる。如何にこのみのシールドが五枚あると言っても、それを余裕で突き破るだけの打点が揃っている。
「……《ヤミノストライク》を召喚。さらに呪文《緊急再誕》、効果で《ヤミノストライク》を破壊します」
 《緊急再誕》が発動し、《ヤミノストライク》も破壊された。つまり、二体のクリーチャーが一気に並ぶ。
「まず《緊急再誕》の効果で《悪魔聖霊バルホルス》をバトルゾーンへ。続けて《ヤミノストライク》の効果で二体目の《メタフィクション》を呼び出します」
 ブロッカーを並べ、防御の構えも見せる葵。S・トリガーを踏んでしまった時の保険だろう。抜かりはないようだ。
「どの道このターンで決めるつもりですけどね。では、行きます」
 遂に攻撃の構えを見せる葵。今まで溜めに溜めてきた破壊の力が、解放される。
「《ディアボロスΖ》で、シールドをQブレイク!」
 刹那、凄まじい闇の波動が放たれる。天を地を飲み込むほどに暗く、そしておぞましい波動は、その先にあるものをすべて飲み込み、このみのシールドを四枚まとめて突き破った。
「っ、うぅ……!」
 残りシールドは一枚。仮にこのカードがS・トリガーで、葵のアタッカーを一体除去できたとしても、《ディアボロスΖ》の存在がある限り、このみはまともにクリーチャーを召喚できない。
「このみちゃん……」
 絶体絶命の危機に瀕したこのみ、だが、
「大丈夫ですの」
 ヴィーナスの優しい、包み込むような声が聞こえる。
「このみ様を、信じるんですの」
「……うん、そうだね」
 デュエルが始まってしまった以上、もう姫乃にはなにもできない。だが、信じることはできる。
 今までそうしてきたように。
「《バロム・ミステリー》で、最後のシールドをブレイク!」
 残る一枚のシールドを、《バロム・ミステリー》の光線が射抜く。これでこのみのシールドはゼロ。
 だが、その最後に砕けたシールドが、光の束となって収束する。
「来た……! S・トリガー発動! 《ナチュラル・トラップ》!」
 土壇場で引けたS・トリガー。これで《メタフィクション》をマナゾーンに送れば、1ターンはもつ。
 だが、このみはそうはしなかった。
「《ディアボロスΖ》を選択するよ!」
「……? では、《ディアボロスΖ》の解除が発動します。《ディアスΖ》へ解除」
 このみがマナに送ろうとしたのは《ディアボロスΖ》。だがそれも、解除能力で《ディアスΖ》へと戻るだけ。戦力は少し落ちたが、場数はまったく変わらない。
「まさか《メタフィクション》が攻撃できるブロッカーだと知らないわけではないですよね……まあ、知らないならそれはそれで構いません。まずは、《ナチュラル・トラップ》が発動したので《メタフィクション》の能力で墓地の《ダイヤモンド・ソード》と《超次元バイス・ホール》を回収。そして、《メタフィクション》でダイレクトアタックです」
 シールドもクリーチャーもいないこのみにとどめを刺すべく、虚構の悪魔が迫るが、
「残念、いくらあたしでもそのくらいは分かってるよ! ニンジャ・ストライク発動! 《光牙忍ハヤブサマル》を召喚! 《ハヤブサマル》をブロッカーにしてブロック!」
 その攻撃は、守護の忍によって防がれてしまった。
「シノビを握っていましたか……《ハンゾウ》だったらマイナスですが、《ハヤブサマル》ならむしろプラスです。デーモン・コマンドがバトルに勝ったので《バロム・ミステリー》の能力発動」
 《バロム・ミステリー》の能力は、自身だけでなく味方のデーモン・コマンドがバトルに勝てば発動する。《メタフィクション》もデーモン・コマンドで、今しがた《ハヤブサマル》とのバトルに勝っている。
「カードをドローし……今引いた《偽りの羅刹 ミスディレクション》をバトルゾーンに」
 さらに大型のデーモン・コマンドが追加され、ますます苦しくなるこのみ。
「よし、これなら、行ける……!」
 だが、彼女の手の内には、逆転の一手が隠されていた。