二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.436 )
日時: 2014/02/23 20:30
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「じゃあ、最初はあたしが行くよ!」
 空城夕陽と愉快な仲間たちvsルカ=ネロとの変則エキシビションマッチ、第一戦。
 夕陽たちの先鋒はこのみ。本人が一番がいいと言うので、最初に選出させた。どうせ全員同じ相手と戦うのだから、戦う順番で結果に差は出ないだろう。
「『萌芽繚乱ブラッサム』……いや、春永このみか。お前は、少しだけ俺と同じ匂いがするな」
「え? いや、あたしは別に香水とかはつけてないけど……」
 素で返すこのみ。夕陽は突っ込みたい衝動を抑える。
 常人なら夕陽と同じ心境だろうが、ルカは思いのほかあっさりしていた。
「そういう匂いじゃない。まあいい、始めるぞ。早く戦いたくてうずうずしてたんだ」
「そっか、あたしもだよ。ゆーくんを倒せるほど強い人なんだもん、わくわくしないわけがないよね!」
「そうか、それは俺も嬉しいな」
 対戦前に、既に顔が綻ぶ二人。やはりルカの言うように、このみとルカはどこか似ているとこがあるのかもしれなかった。
「よし、じゃあ始めるか!」
「オッケー。なら行くよ!」
 今から戦う相手とは思えないほど息がピッタリだ。
 そして第一戦目が、はじまる。



 このみとルカのデュエル。
 このみの場には《呪紋のカルマ インカ》。シールドは五枚。
 ルカの場には《潜行する穿孔 ギーガ》。こちらもシールドは五枚。
「俺のターン! 《遥か寸前 ヴィブロ・ブレード》を召喚! 一枚ドロー!」


遥か寸前(ハルカス・レンジ) ヴィブロ・ブレード 水文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジ 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、カードを1枚引いてもよい。


 《アクア・ハルカス》が無法の力を得たクリーチャー《遥か寸前 ヴィブロ・ブレード》。コストもパワーも効果も本家とまったく同じで、登場時に一枚引ける。ビートダウン性の高いクリーチャーだ。
「さらにG・ゼロで今引いた《無重力 ナイン》も召喚!」


無重力(ゼロゼロ) ナイン 火文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジMAX 1000
G・ゼロ—バトルゾーンに自分のアウトレイジがあれば、このクリーチャーをコストを支払わずに召喚してもよい。


 続けて召喚されたのは《無重力 ナイン》。こちらもアウトレイジがいればタダで召喚でき、クリーチャーを数多く展開できる。
「《ギーガ》でシールドブレイク!」
 先んじてシールドをブレイクされたこのみ。見たところルカのデッキはビートダウン、それも速攻に近いスピードがあるようだ。
「一枚くらいならまだ大丈夫……あたしのターン! 《オチャッピィ》召喚! 効果で墓地の《ジャスミン》をマナに置いて、残った2マナで《ジャスミン》も召喚! 破壊はしないよ」
 クリーチャーを展開するルカに対し、こちらもクリーチャーを並べるこのみ。
「そして《インカ》で《ギーガ》を攻撃!」
 さらに《ギーガ》を破壊し、ルカのクリーチャーを削る。
 だが、
「まだまだ! 《正々堂々 ホルモン》! 《武士の魂 ポッピー》!」


正々堂々(マキシム・ブロンズ) ホルモン 自然文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジMAX 1000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。


武士の魂(ヤタロウ・ソウル) ポッピー 火文明 (2)
クリーチャー:アウトレイジ 2000
セイバー:アウトレイジ


「うわっ……いっぱい出て来た」
 無論、出て来るだけではない。
「《ヴィブロ・ブレード》と《ナイン》でシールドブレイク!」
 攻撃も仕掛けてくる。
 このみのシールドはもう残り二枚。対して相手クリーチャーは四体。まずいことになってきた。
「このみー! やばいよ!」
「うんそうだね……」
 シールドブレイクで手札に入ったプロセルピナが実体化して出て来る。彼女もこの状況に焦っているようだ。
「とりあえず、あのクリーチャーたちをなんとかしないと……」
 残念だが、今は《プロセルピナ》を召喚する余裕はない。
「《斬雪妖精バケット・バケット》を召喚! さらに《冒険妖精ポレゴン》も召喚!」
 まずはクリーチャーを並べるこのみ。《バケット・バケット》はシールド・セイバーでシールドを守れるだけでなく、破壊された時に相手クリーチャーをマナ送りにできるので、1ターンくらいは持つだろう。さらに、
「《インカ》で《ヴィブロ・ブレード》を攻撃して破壊! 《ジャスミン》で《ナイン》に攻撃して相打ち! ついでに《オチャッピィ》でシールドブレイク!」
 とりあえずこの場ならスピードアタッカーが一体出た程度でもとどめまでは刺されない。防戦気味になっているこのみも攻めを少しだけ見せたが、しかしその攻めは失敗だったと言わざるを得ないだろう。
「俺のターン! 《勇気の爪 コルナゴ》を召喚!」


勇気の爪(ブレイブ・クロー) コルナゴ 火文明 (1)
クリーチャー:アウトレイジ 0000+
バトルゾーンにある自分の他のクリーチャー1体につき、このクリーチャーのパワーは+1000される。


 ルカの場の《コルナゴ》を除いたクリーチャー数は二体、よって《コルナゴ》のパワーは2000となる。
 だが今はそんなことは関係ない。なぜなら、《コルナゴ》の上にはすぐさま新たな無法者が重ねられるのだから。
「《コルナゴ》進化!」
 刹那、《コルナゴ》が光に包まれる。

「噛砕く神砕き! 無法の騎士よ、偽りの神をその右手で噛み砕け! 《ダークナイト クリストファー》!」


ダークナイト(神砕き) クリストファー 水文明 (5)
進化クリーチャー:アウトレイジ 7000
進化—自分のアウトレイジ1体の上に置く。
メテオバーン—このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、自分の山札の上から3枚を見る。その中から、アウトレイジを1体選び、このクリーチャーの下に置いてもよい。残りを自分の手札に加える。
W・ブレイカー


 《コルナゴ》が進化し、無法の黒き騎士が現れる。それは神砕きと恐れられたアウトレイジ《ダークナイト クリストファー》。
「進化クリーチャー、しかもWブレイカー……!?」
 普通に打点の高いクリーチャーを呼び出され、再び焦りを見せるこのみ。そんなこのみに、ルカは手を緩めず攻め続ける。
「《クリストファー》で攻撃! メテオバーン発動!」
 進化元となった《コルナゴ》が墓地へと落ち、《クリストファー》のメテオバーンが発動する。
「山札の上から三枚を見て、その中のアウトレイジをこいつの下に送りつつ残りは手札に加える。《クロック》を下に置き、残りは手札へ!」
 派手さはないが、手札の枯渇しやすいビートダウンデッキであれば、手札補充は重要だ。しかも殴りながら補充でき、次にメテオバーンを撃つためのカードも装填できるのだから、隙がない。
 手札を補充したルカ。だが今は《クリストファー》の攻撃中だ。無法の黒騎士の右手が、このみに襲い掛かる。
「っ、《バケット・バケット》のシールド・セイバー発動! ブレイクされるシールドを一枚守って、《ポッピー》をマナゾーンへ!」
「なら、《ホルモン》で最後のシールドをブレイクだ!」
 なんとかこのターンは負けないようにしたが、もうこのみのシールドはゼロ。かなり追い詰められた。
「このみー!」
「分かってるよ……でも、プロセルピナを出すには進化元が足りない……」
 手札にもう一体《ポレゴン》でもいればいいのだが、いたとしてもこのターンにシールドを削り切ることはできない。まだプロセルピナは保留だ。
「なら……呪文《ナチュラル・トラップ》! 《クリストファー》をマナゾーンへ!」
 とりあえず、パワーが高く殴り返せない《クリストファー》はマナ送りに。そして、
「《ポレゴン》で《ホルモン》を攻撃! 《インカ》もシールドをブレイク!」
 なんとかクリーチャーを削りながら、ちまちまとシールドも割っていくこのみ。しかし、もう限界だ。
「《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》召喚! G・ゼロで《無重力 ナイン》も召喚! そして《ナイン》を進化、《ダークナイト クリストファー》!」
 先ほど《クリストファー》で補充した手札から次々と現れるアウトレイジ。この攻撃はもう、防ぎ切れない。
「《ファルコン・ボンバー》でダイレクトアタックだ!」
「ニンジャ・ストライク! 《ハヤブサマル》でブロックだよ!」
 前のターンのシールドブレイクで手札に入った《ハヤブサマル》で、《ファルコン・ボンバー》の攻撃はなんとか防ぐ。しかし、最後の一撃だけは防ぎ切れなかった。

「《ダークナイト クリストファー》で、ダイレクトアタック!」