二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.437 )
日時: 2014/02/23 02:25
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

「うぅー……負けちゃった。リュウ兄さん、あとは任せたよ」
「ナガレだ。任せろ」
 一戦目はこのみの敗北。続けて次鋒、流が出て来る。
「『大渦流水モスケスラウメン』、水瀬流か。正直、お前のことはほとんど知らない。ああ、だが、『機略知将ノウレッジ』……青崎記から、少しだけ聞いてたことがあるような気がするな。奴はなんと言っていたか……」
 歴代“ゲーム”の世界でも数少ない、どの組織にも所属せずに『神話カード』を所有していた流。知名度で言えば夕陽などには劣るためか、ルカは彼についての情報をほとんど忘却していた。
「まあいいか、戦えばどんな奴か分かるだろ。ほら、早く始めるぞ」
「……確かに、好き勝手で身勝手だな」
 素直な感想を吐露し、流はデッキを取り出した。
 そして、第二戦が、始まる。



 流とルカのデュエル。
 流の場には《アクア・スーパーエメラル》と《キング・シャルンホルスト》。シールドは五枚。
 ルカの場にはなにもなし。こちらもシールドは五枚。
 前回のこのみとのデュエルとは打って変わって、起動の遅いデッキだ。まなマナチャージしかしておらず、まったく動きを見せていない。
 だが、いくらなんでもいつまでも動かないわけではない。
「俺のターン。4マナで《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》を召喚」


不屈!熱血!!(ハートビート・ヒート) テスタ・ロッサ 水/火文明 (4)
クリーチャー:アウトレイジMAX 3000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーが破壊された時、次のうちいずれかひとつを選ぶ。
▼バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。
▼自分の手札を1枚捨て、その後、カードを1枚引く。


「ターンエンド」
 やっと動き出した。と言っても、ただクリーチャーを一体召喚しただけだ。大きな動きではない。
「とはいえ、不気味ではあるな……《ストーム・クロウラー》を召喚。マナゾーンの《飛散する斧 プロメテウス》を回収し、ターン終了だ」
 流は着実のクリーチャーを増やしながら、準備を進めていく。
 だが、その準備は些か悠長かもしれない。
「いいのか、そんなにのんびりで。俺のターン! 行くぞ!」
「なんだ……?」
 急にテンションが上がり始めたルカ。彼の性格はなんとなく分かってきたのでそこまで驚きはないが、しかしそのテンション上昇には必ず裏付けがある。
 その、裏付けとは。
「呪文《ヒラメキ・プログラム》! 《テスタ・ロッサ》を破壊し、コスト5のクリーチャーが出るまで山札を捲る! そして出て来るのは《侵入する電脳者 アリス》だ! さらに《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》が破壊されたので、《アクア・スーパーエメラル》を手札に戻す!」
 コスト4の《テスタ・ロッサ》からヒラメくのは、コスト5の《アリス》。普通に見れば、ただそれだけのこと。しかしルカにとっては、《アリス》を呼び出すこと以上に、《テスタ・ロッサ》が破壊されることが重要だったのだ。
「《テスタ・ロッサ》が破壊されたことで、俺の手札にいるこいつの能力が発動だ! 灼熱ドロン・ゴー!」
「なんだと……!?」
 破壊された《テスタ・ロッサ》の魂が滾り、熱く燃え盛る灼熱となる。

「灼熱の爆熱! 無法の少年よ、自由に目覚めし紅き血を滾らせろ! 《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》!」


灼熱連鎖(ラスト・バーニング) テスタ・ロッサ 火文明 (7)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 6000
W・ブレイカー
灼熱ドロン・ゴー:名前に《テスタ・ロッサ》とある自分のクリーチャーが破壊された時、このクリーチャーを自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。そうした場合、自分の山札の上から5枚を墓地に置き、その後、その中からエグザイルではない名前に《テスタ・ロッサ》とあるクリーチャーをすべてバトルゾーンに出す。そのクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。自分のターンの終わりにそのクリーチャーを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。
自分の他の、名前に《テスタ・ロッサ》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。


 エグザイルのみに許された力、ドロン・ゴー。《テスタ・ロッサ》はその力に、自身の紅き血から発せられる灼熱を注ぎ込むことで、他のエグザイルにはない唯一の力を解放した。
 その力で彼が魂が転生した姿、それが《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》だ。
「《灼熱連鎖 テスタ・ロッサ》の灼熱ドロン・ゴー発動! 山札の上から五枚を墓地へ置き、その中からエグザイルではない《テスタ・ロッサ》をすべてバトルゾーンに出す!」
 こうして墓地に置かれた五枚のカードは《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》《エナジー・ライト》《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》《ヒラメキ・プログラム》《紅き血の テスタ・ロッサ》。


灼熱の斬撃(ジ・アグレッシブ) テスタ・ロッサ 火文明 (8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 7000
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。それが呪文であれば、このクリーチャーをアンタップする。
W・ブレイカー


紅き血の(ザ・ヒート) テスタ・ロッサ 火文明 (4)
クリーチャー:アウトレイジ 4000+
自分の他のクリーチャーがどこからでも墓地に置かれた時、そのターン、このクリーチャーは「パワーアタッカー+5000」と「W・ブレイカー」を得る。


「ヒットした《テスタ・ロッサ》は三体! この三体をバトルゾーンに! そしてこの能力で現れた《テスタ・ロッサ》はすべてスピードアタッカーだ!」
 つまり、このターンに殴り掛かってくる。
「まずは《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》で攻撃! その時、まずは《アリス》の能力発動!」
 アウトレイジが攻撃したので一枚ドロー、そしてコスト7以上のクリーチャーが攻撃したのでもう一枚ドローし、手札を一枚山札の一番上に置く。
「そして次に《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》の能力が発動だ! 山札の一番上のカードを墓地へ置き、それが呪文なら《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》はアンタップする!」
 果たしてルカが山札を捲り、墓地へと落としたのは《ドンドン吸い込むナウ》。呪文なので《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》はアンタップする。
 当然だ、事前に《アリス》で仕込んでいるのだから、まず間違いなくヒットする。それに前の《ヒラメキ・プログラム》で薄々感づいていたが、ルカのこのデッキは、恐らく《テスタ・ロッサ》と《アリス》以外はすべて呪文だ。弾切れはまずありえないだろう。
「Wブレイク!」
 《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》の、二つ名の通りの灼熱の斬撃が流のシールドを切り裂く。
「まずいぞ、流。これでは延々と攻撃され続ける」
「そんなことは分かっている……!」
 シールドブレイクで手札に入ったネプトゥーヌスが言うも、そんなことは分かり切ったことだ。言われるまでもない。
「もう一撃! 《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》で攻撃! 《アリス》の能力発動!」
 再びドローしながら山札にカードを仕込み、そのカードを墓地へ。墓地へ落ちたのは《火焔特攻弾》。やはり呪文なので、《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》はアンタップする。
「Wブレイク! そしてアンタップした《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》で攻撃!」
 《アリス》で仕込み、墓地へと落としたのは、《ヒラメキ・プログラム》。呪文なのでまたアンタップ。
 これで、流のシールドはゼロだ。
「っ、S・トリガー発動! 《アクア・サーファー》を召喚し、《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》をバウンス!」
 なんとか《アクア・スーパーエメラル》で仕込んだS・トリガーを発動させ、《灼熱の斬撃 テスタ・ロッサ》の連続攻撃こそ防いだが。
「《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》でダイレクトアタックだ!」
「《キング・シャルンホルスト》でブロック……!」
 続けて繰り出される《テスタ・ロッサ》の攻撃。《キング・シャルンホルスト》でその攻撃を防ぎ、返り討ちにしたが、
「《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》が破壊されたので、《ストーム・クロウラー》を手札に! これでブロッカーはいなくなったな!」
 破壊してしまったがゆえに、《不屈!熱血!! テスタ・ロッサ》の能力が発動してしまい、《ストーム・クロウラー》が手札に戻されてしまう。
 そしてルカの場にはまだ、《テスタ・ロッサ》が残っている。

「《紅き血の テスタ・ロッサ》で、ダイレクトアタック!」