二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.440 )
- 日時: 2014/02/26 19:47
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
「うぅ、ごめんね空城くん、負けちゃった……」
「いや、流石にあの連続攻撃は防ぎ切れないよ……それを最後の攻撃までは耐え切ったんだ。光ヶ丘はよくやったと思うよ」
「そう、かな……」
姫乃も負け、遂に最後の対戦、大将の夕陽が出て来る。
「遂に出たか、空城夕陽……お前と再戦するこの時を待ってたぞ」
「いや、この時を待ってたって、つい十分ほど前に戦ったばかりだろ」
しかしその十分はルカにとっては長い時間だったのか、早く戦えとでも言わんばかりのオーラが滲み出ている。
この対戦には乗り気でなかった夕陽だが、こうしてまた相対することとなったのなら、それはそれで好都合だ。
「夕陽! 今度こそこいつに勝つぞ!」
「分かってる。同じ轍は踏まないさ」
アポロンの激励も受け、夕陽はルカと向かい合う。
「それじゃあ、始めるか。また俺を楽しませてくれよ!」
「楽しみたいなら勝手に楽しめ。こっちはさっきのリベンジだ!」
そして、最終の五戦目が始まった。
夕陽とルカのデュエル。
夕陽の場には《コッコ・ルピア》《エコ・アイニー》。シールドは五枚。
ルカの場には《蛙跳び フロッグ》《正々堂々 ホルモン》《飛散する斧 プロメテウス》。シールドは五枚。
「さっきは一手遅れたけど、今度はそうはいかないよ。《アブドーラ・フレイム・ドラゴン》を召喚! マーシャル・タッチで《コッコ・ルピア》を手札に戻し、パワー4000以下をすべて破壊!」
《エコ・アイニー》も破壊されてしまうが、しかしルカの場に並んでいた小型クリーチャー三体はまとめて一掃。夕陽は《コッコ・ルピア》を手札に逃がしているので、被害は比較的小さい。
「ほぅ、そう来るか。そしたら俺はどうするか……」
呟きながら、引いてきたカードを見て、ルカはニヤリと微笑む。
「よし、ここはこいつだ。《電脳決壊の魔女 アリス》召喚! 効果で三枚引き……一枚を山札上に、一枚を山札下に戻す。さらにこいつだ! 《無法のレイジエッグ》!」
無法の(アウト)レイジ・エッグ 水文明 (4)
クリーチャー:エッグ 2000
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。そのカードが進化ではなく、エグザイルでもないアウトレイジであれば、このクリーチャーを破壊してそのアウトレイジをバトルゾーンに出す。
このクリーチャーは攻撃することができない。
「《エッグ》か……」
現れたのは、一言で言って卵。
エッグの種族を持つクリーチャーは、指定された能力の条件を満たしたとき、自壊することでクリーチャーを踏み倒すことができる。
「あからさまにクリーチャーを仕込んだな……!」
《アリス》から続けて召喚したため、山札の一番上の仕込みは万全。不発ということはまずないだろう。
手札がないところに《アリス》で引いたのをそのまま出したので、大型クリーチャーが出るという確証はないが、警戒するに越したことはない。
「とはいえ、こっちも手札がないしな……とりあえず、《コッコ・ルピア》を召喚。続けて《セルリアン・ダガー・ドラゴン》を召喚して、二枚ドロー」
《エコ・アイニー》のお陰でマナは十分にある。《コッコ・ルピア》もいるので、大抵のドラゴンは召喚可能だ。
「さて、ここからどうするか……《エッグ》が怖いし、下手にシールド割って手札が増えるのも嫌だから、ここはターン終了だ」
前回と違い、今回は手札もあり、スピードアタッカーで攻められる。
そう思って、それ以上は何もせずにターンを終えた。
「なら、俺のターン。《無法のレイジ・エッグ》の効果発動! 《エッグ》を割ってアウトレイジをバトルゾーンに!」
カタカタと《エッグ》が揺れる。その揺れが最高潮に達した時、殻が破れ、新たな無法者が誕生する。
「偽りなき偽り! 無法の策士よ、愚鈍な弱者を陥れろ! 《偽りなし ゾルゲⅩⅢ》!」
偽りなし(コードレス) ゾルゲⅩⅢ(ザ・サーティーン) 水/火/自然文明 (8)
クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーまたは自分の他のアウトレイジをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選んでもよい。そうした場合、その2体はバトルする。
自分のアウトレイジがバトルに勝った時、カードを1枚引いてもよい。
W・ブレイカー
《エッグ》を割って誕生したのは、エイリアンとハンターの抗争を引き起こし、パンドラ・スペースに星を落とした、未知なる存在であるアンノウン《偽りの名 ゾルゲ》《偽りの名 13》が無法の力を得て転生し、融合したクリーチャー。偽りのなき無法者《偽りなし ゾルゲⅩⅢ》だった。
「っ、よりによって《ゾルゲⅩⅢ》かよ……!」
《偽りなし ゾルゲⅩⅢ》の力は《13》よりも《ゾルゲ》に近い。その知略により、場にアウトレイジが出るたびに相手クリーチャーと強制的にバトルさせることができる。
「《ゾルゲⅩⅢ》の能力発動! 《セルリアン・ダガー》と《ゾルゲⅩⅢ》を強制バトル! 《セルリアン・ダガー》をバトルで破壊し、一枚ドロー!」
元の《ゾルゲ》と違い、《ゾルゲⅩⅢ》はアウトレイジだけが相手としかバトルできないが、代わりにバトルに勝利するたびに一枚ドローし、堅実にアドバンテージを取っていける。
「参ったな、どうやってこいつを対処するか……」
「おいおい、なに言ってんだよ。俺のターンはまだ始まったばかり、これからが本番だ。《蛙跳び フロッグ》を召喚、さらに《フロッグ》もタップして3マナ生み出し、呪文《母なる星域》!」
母なるマナに、星の聖域を示す紋章が浮かび上がる。その中に《フロッグ》は吸い込まれ、代わりに現れたのは——
「《アリス》進化!」
——進化した、無法者だ。
「超音速にして超高速! 無法の超竜よ、英雄の意志を継承し突き抜けろ! 《超竜の潮流 コンコルド》!」
超竜の潮流(ヴァルキリー・アース) コンコルド 火/自然文明 (9)
進化クリーチャー:アウトレイジMAX 13000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化—自分のアウトレイジ1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ進化ではないアウトレイジを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー
《星域》から飛び出したのは、龍を思わせる意匠にジェット機が擬人化したような無法者。自然文明を代表するアウトレイジ《超竜の潮流 コンコルド》。
「《コンコルド》の能力発動! マナゾーンの《ジャッキー》をバトルゾーンへ!」
「今度は《ジャッキー》か……!」
《コンコルド》の能力は、アウトレイジ版の《超竜ヴァルキリアス》とも言える。少々制限は厳しくなっているものの、軽量から重量まで層の厚いアウトレイジならば、本家と遜色ない力を発揮するだろう。
そして《コンコルド》の呼びかけに応じ、その追い風に乗って現れたのは《ジャッキー》。
「まだだ! 《ゾルゲⅩⅢ》の能力で、《コンコルド》と《アブドーラ・フレイム》を、《ジャッキー》と《コッコ・ルピア》を強制バトル!」
「うっ、やばい……!」
連続で現れた大型アウトレイジに、夕陽のクリーチャーは破壊されてしまう。
「アウトレイジがバトルに勝ったのでドロー。《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》召喚! そして、《ジャッキー》で攻撃だ!」
遂に攻めて来るルカ。最初に殴り掛かって来るのは《ジャッキー》。能力で山札のトップが墓地へと落ちる。
また《クロック》が出てターンが終わってくれればよいが、そんな何度も夕陽に都合のよいクリーチャーは出ない。
「想定外の規格外! 無法の飛竜よ、重くも淡き常識を突き破れ! 《規格外 T.G.V》!」
規格外(フレーミング・ジェット) T.G.V(トリプル・ジェントル・ボルケーノ) 水/火文明 (6)
クリーチャー:アウトレイジMAX 5000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
スピードアタッカー
スリリング・スリー:アウトレイジ
T3—このターン、このクリーチャーはシールドをさらに1枚ブレイクする。
《ジャッキー》の咆哮により山札から飛び出したのは、無法者となりアウトレイジと化した《フレミングジェット・ドラゴン》、その名も《規格外 T.G.V》。
基本性能は本家とほぼ変わらない。つまり、
「そして、能力発動! スリリング・スリー、アウトレイジ!」
山札の上から三枚が捲られる。捲られたのは《終末の時計 ザ・クロック》《飛散する斧 プロメテウス》《疾封怒闘 キューブリック》。三枚ともアウトレイジだ。
「全てヒット! このターン《T.G.V》はQブレイカーだ!」
だが、そのブレイク数が生きるかどうかは疑問が残る。
なぜなら、その攻撃が通るまでに夕陽が生きていられるかが、まず疑問だからだ。
《ジャッキー》のWブレイクが炸裂し、夕陽のシールドが二枚砕け散る。
「くっ……S・トリガー! 《黒神龍オドル・ニードル》を二体バトルゾーンに!」
なんとか二体の《オドル・ニードル》をトリガーするも、この流れは前回のデュエルと変わらない。この戦力差は、《オドル・ニードル》二体程度では覆らないのだ。
「だったら《ファルコン・ボンバー》で《オドル・ニードル》に強制攻撃! 《ゾルゲⅩⅢ》をスピードアタッカーにし、《ゾルゲⅩⅢ》でも《オドル・ニードル》を攻撃!」
二体の《オドル・ニードル》も破壊され、
「《T.G.V》で残りのシールドをブレイク!」
残った三枚のシールドも、《T.G.V》のQブレイクによりすべて吹き飛ぶ。
「くそっ……!」
「夕陽……」
《アポロン》を出すこともできないまま、夕陽のシールドはゼロ、クリーチャーもおらず、攻撃を防ぐ手立てはない。
最後の無法者が、夕陽にとどめの一撃を放つ。
「《超竜の潮流 コンコルド》で、ダイレクトアタック!」