二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.476 )
- 日時: 2014/03/02 14:00
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
夕陽とヒナタのデュエル。
夕陽のシールドは五枚。場には《スター・ピッピー》が一体。
ヒナタのシールドも五枚。場には《一撃奪取 トップギア》。
「行くぜ、俺のターン! 《トップギア》の効果で、ターンの初めに召喚する火文明クリーチャーのコストは1下がる! 《双拳銃 ドラポン》を召喚!」
双(リトル)拳銃(ガンマン) ドラポン 火文明 (4)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 4000
このクリーチャーが攻撃する時、相手のパワー3000以下のクリーチャーを1体破壊する。
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《拳銃》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《拳銃》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
「コスト4でパワー4000、アタックトリガーで3000以下を破壊か……強いなぁ。6マナ以上でもないし、パワーの損失なしでこの能力か」
そんな感想を述べる夕陽。《ドラポン》のカードパワーが高いのにはわけがあるのだが、そのことを夕陽はまだ知らない。
「うーん、次のターンには《スター・ピッピー》が破壊されちゃうなぁ……まあいいか。とりあえず僕のターン」
今の夕陽の手札に、《ドラポン》を除去するようなカードはない。
だが、そのカードを、引くことはできる。
「これだ! 《無双竜鬼ミツルギブースト》召喚! 効果で《ミツルギブースト》をマナに送って、《ドラポン》を破壊!」
「はぁ!?」
夕陽のプレイングに素っ頓狂な声を上げるヒナタ。夕陽もその声に軽く飛び上がる。
「なんの躊躇もなくエグザイルを破壊するかよ……」
「な、なに、なんかまずかった……?」
仮にまずかったとしても、それが夕陽の選んだ選択なので、ヒナタがとやかく言う筋合いはない。
しかし、夕陽はエグザイル・クリーチャーを知らなかったようで、だからこそのヒナタの驚きだ。
「《ドラポン》はエグザイル・クリーチャーっていって、バトルゾーンに指定された同名クリーチャー一体しか存在できないクリーチャーなんだよ」
「へぇ、だからコストパフォーマンスが高いのか……でも、それならなおさら早く破壊するべきじゃ……」
「いや、例外もあるんだが、エグザイルは基本。ドロン・ゴーっていう能力を持っててな、破壊されると指定された名前を持つクリーチャーを、手札からバトルゾーンに出せるんだ。これを活用すれば、早いターンから大型クリーチャーを呼び出せるんだぜ」
「え、本当? じゃあ、《ドラポン》はドロン・ゴーするの?」
となるととんだプレイミスを犯してしまったと悔やむ夕陽。しかし、ヒナタは黙していた。
「…………」
「あれ? どうしたの?」
「……いや、まあ、しないけど」
というか、できない。
手札に《ドラポン》からドロン・ゴーできるクリーチャーがいないのだ。エグザイルだから簡単には破壊してこないだろうと思って、準備せずに出したのが間違いだった。
逆に夕陽は、無知だったが故の、偶発的なファインプレー。もしドロン・ゴーのことを知っていたら、《トップギア》を破壊していただろう。
『おいヒナタ! おんしゃー、ドロン・ゴー先くらい準備しちょけ!』
「うるせーな、引けなかったんだから仕方ねーだろ! ちょっと黙ってろ! ばれたらどうすんだ!」
「……どうしたの?」
「あ、いや、なんでもない……俺のターン!」
墓地に向かって怒鳴り、墓地に落ちた《ドラポン》のカードを手で押さえつけているヒナタ。少々怪訝に思うも、夕陽は気にしないことにした。
「《ドラポン》はやられたが、《トップギア》は生きてる! コストを下げて《進軍する巨砲 クロムウェル》を召喚!」
進軍する巨砲(アイアンキャノン) クロムウェル 火文明 (5)
クリーチャー:アウトレイジ 4000
このクリーチャーが、各ターンはじめて攻撃する時、アンタップする。
シールド・ゴー(このクリーチャーが破壊された時、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに表向きのまま加える。このクリーチャーが表向きで、シールドゾーンを離れる時、かわりに自分の墓地に置く)
このクリーチャーが自分のシールドゾーンに表向きであれば、バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。
「えーっと、シールド・ゴー? これも破壊されたら発動する能力か……破壊されると表向きでシールドになって、味方が全部スピードアタッカー? うわ、こいつも強いなぁ……しかも、何気に二回攻撃できるし」
見たことのないカードたちに驚かされる夕陽。
だが、驚かされてばかりではない。
「僕の場には《スター・ピッピー》がいる。こいつも、君の《トップギア》みたいにクリーチャーの召喚コストを下げられるんだ」
スター・ピッピー 光/火文明 (4)
クリーチャー:ファイアー・バード/ハンター/エイリアン 3000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
自分の光のクリーチャーの召喚コストを1、火のクリーチャーの召喚コストを1少なくしてもよい。ただし、コストは1より少なくならない。
《トップギア》のような即効性こそないが、常にコストを下げ続ける《スター・ピッピー》には、このカードなりの役割がある。コストを下げられる範囲が《トップギア》より広いのもポイントだ。
「というわけで、3マナで《閃光娘々プリン》を召喚!」
閃光娘々(シャイニング・ニャンニャン)プリン 光文明 (4)
クリーチャー:ハンター/エイリアン 3000
自分のターン中、相手のクリーチャーがタップされた時、カードを1枚引いてもよい。
「さらに呪文《五郎丸コミュニケーション》! 山札から《永遠のリュウセイ・カイザー》を手札に加えて、ターン終了!」
《ディメンジョン・ゲート》とまったく同じ文明、コストで山札からサーチを行う《五郎丸コミュニケーション》。いわゆる同型再販と呼ばれるカードだ。
「なら俺は、呪文《スクランブル・タイフーン》! 山札から五枚ドローし、手札を三枚墓地へ!」
ヒナタのターン、《スクランブル・タイフーン》で山札を掘り進み、手札を補充すると同時に、墓地にカードを溜める。
見たところヒナタのデッキは水と火の、ビートダウンっぽい。今まで攻めていなかったが、今の彼の場には、殴り返しを気にしないで攻撃できるクリーチャーがいる。
「手札と墓地は増やした、次は攻撃だ! 《クロムウェル》で攻撃、シールドブレイク!」
《クロムウェル》が攻撃、と同時にアンタップする。
そして、夕陽のシールドが割られた。
「先手取られた……!」
「もう一回だ! 《クロムウェル》でシールドブレイク!」
実質的なWブレイクを喰らい、夕陽のシールドは残り三枚。
「でも、こっからなら巻き直せる。《超次元の手ホワイト・レッドホール》を発動! 相手のパワー2000以下のクリーチャーをすべてタップ!」
つまり、《トップギア》がタップされた。
同時に、超次元ゾーンからサイキック・クリーチャーが飛び出す。
「超次元ゾーンから《勝利のプリンプリン》を呼び出して、《クロムウェル》をロック! 次のターン、攻撃できないよ」
「くっ、固められた……!」
「さらに《トップギア》がタップしたから《閃光娘々プリン》の効果でドロー! 二体目の《閃光娘々プリン》を召喚して、《スター・ピッピー》で《トップギア》を攻撃!」
場数を着実に揃え、ヒナタの場を制圧しにかかる夕陽。光文明の十八番であるタップキル戦術に超次元呪文も組み合わせ、とことんヒナタの動きを縛っていく。
だが、ヒナタも負けてはいなかった。