二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.493 )
- 日時: 2014/03/07 00:11
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
夕陽と汐のデュエル。
互いにまだシールドは五枚あり、大きな動きもない。
夕陽の場にはなにもなし。序盤から《フェアリー・ライフ》や《霞み妖精ジャスミン》でマナを加速させている。
汐の場には《不退転の遺志 エルムストリート》が一体。《ボーンおどり・チャージャー》で墓地とマナも増やしており、着々と準備を進めていた。
だがここで、夕陽も動き出す。
「行くぞ、僕ターン! 《無敵ドン・カツドン》を召喚!」
無(アウト)敵(ロー) ドン・カツドン 火/自然文明 (5)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 2000+
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置いてもよい。
パワーアタッカー+3000
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《無敵》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《無敵》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
「アウトレイジ、それもエグザイル・クリーチャー……先輩がアウトレイジを使うだなんて、珍しいですね」
「僕の作ったデッキじゃないからね、これ。でも、僕でも使えるようにチューンされてるらしいよ。とりあえず《ドン・カツドン》の効果でさらにマナを加速して、ターン終了」
とにかくマナを増やしまくる夕陽。フィニッシャーと思しき大型クリーチャーが何体かマナに落ちてしまっているが、気にせず加速を続ける。
「……先輩がなにを企んでいるのか、概ね予想はできるのですよ。アウトレイジ、そしてエグザイルの扱いにおいては、私の方が上です」
対抗心を燃やしている、というわけではなさそうだが、どこか夕陽を軽んじたような台詞。だが彼女の言うことは正しく、夕陽は今までアウトレイジやエグザイルなど、使用したことは皆無と言ってもいいほどだ。
逆に彼女には、欠けた記憶の中に、その経験がある。
「私のターンです。呪文《邪魂創生》で《エルムストリート》を破壊し、三枚ドロー。さらに《エルムストリート》のシールド・ゴー発動です」
《エルムストリート》がシールドになる。と同時に、夕陽の手札が弾かれ、墓地へ落とされた。
「っ、これは……」
「《エルムストリート》が表向きでシールドになった時、相手の手札を一枚捨てさせるのです。さらに2マナで《ブラッドレイン》を召喚。ターン終了です」
ターンを終える汐。《邪魂創生》で手札を補充、《エルムストリート》で夕陽の手札をゼロにし、ハンドアドバンテージを広げる。
「流石……でも、こっちだって負けてられないよ。僕のターン! 呪文《伝説の秘法 超動》!」
伝説の秘法(レイジクリスタル) 超動 水/火文明 (4)
呪文
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
S・トリガー
次のうちいずれかひとつを選ぶ。
▼カードを2枚引く。
▼相手のパワー3000以下のクリーチャーを1体破壊する。
手札補充と火力、二つの能力を選択できる、汎用性の高い呪文。レイジクリスタルの輝きが、夕陽に知識をもたらす。
「ここは二枚ドローだ! さらに呪文《セブンス・タワー》! 僕のマナは8マナ、メタモーフで3マナ追加だ!」
ここに来てマナ加速をやめない夕陽。しかし攻撃はせず、ターンを終える。
「……《豚魔槍 ブータン》《神豚 ブータンPOP》を召喚し、ターン終了です」
「来たか……!」
遂に出て来てしまった、汐の二体のエグザイル・クリーチャー。今の汐に手札はないので、どちらを破壊してもドロン・ゴーざれる心配はないが、
(こっちの手札も一枚、除去カードはない……さて、どうするか)
使い慣れないカードだからか、どうも引きが悪いようにも感じてしまう。事実、このデッキのキーカードが手札に来ない。
「とりあえず……《聖域の戦虎 ベルセルク》を召喚!」
聖域の戦虎(サンクチュアリ・オーディン) ベルセルク 自然文明 (9)
クリーチャー:アウトレイジMAX 12000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、好きな枚数のカードを自分の墓地からマナゾーンに置く。
T・ブレイカー
「僕の墓地のカードをすべてマナゾーンへ!」
やはり加速を続ける夕陽。墓地のカードをすべてマナゾーンに置き、かなりのマナが溜まっている。
「マナばかり増やしても、意味はないですよ。私のターン、《冥界王 ブルースDEAD》を召喚」
冥界王(メガデス・サイズ)ブルース DEAD(デッド) 闇文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジMAX 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から5枚を墓地に置いてもよい。その後、好きな数のエグザイル・クリーチャーを、自分の墓地から手札に戻す。
W・ブレイカー
「山札の上から五枚を墓地へ。そして墓地から《地獄魔槍 ブリティッシュ》《神豚槍 ブリティッシュROCK》を回収です」
「くっ、両方のドロン・ゴー先を……!」
これでは迂闊に破壊することができない。かといって放っておくのもまずい。
「さらに《ブータンPOP》でシールドをブレイク」
同時に能力が発動し、墓地を二枚、手札を一枚増やす汐。彼女の、夕陽を処す準備はかなり進んでいるようだった。
「このターンでなんとかしないと……!」
このままではまずい。なんとかして、流れを変えなければならない。
そんな一心でカードを引く夕陽。そして、
「来た……! 呪文《ヒラメキ・プログラム》だ! 《ドン・カツドン》を破壊!」
《ヒラメキ・プログラム》で破壊するのは《ドン・カツドン》。《ドン・カツドン》のコストは5なので、コスト6のクリーチャーが出るまで山札が捲られる。
「さあ出て来い《シンカイ・サーチャー》! 《シンカイ・サーチャー》がバトルゾーンに出た時、山札から好きなカードを手札に加えられる!」
クリーチャーでも呪文でもクロスギアでも城でも、どんなカードでも持って来れる《シンカイ・サーチャー》。ただしそのコストは6と重め。だがその重いコストも、使い様によっては役立つのだ。
たとえば《ヒラメキ・プログラム》で5コストのクリーチャーを破壊すれば、たった3マナで好きなカードを呼べるクリーチャーとなる。さらにその破壊したクリーチャーが破壊された時の能力を持っていれば、その能力を発動できる。さらにさらに、その破壊された時の能力が——ドロン・ゴーだったなら。
手札にドロン・ゴー先のエグザイルを呼び込みつつ、ドロン・ゴーに繋げられる。
「《ドン・カツドン》が破壊されたので、ドロン・ゴー発動! 《シンカイ・サーチャー》で手に入れたこいつをバトルゾーンに!」
破壊された《ドン・カツドン》の魂は、レイジクリスタルの輝きを受け、新たな姿へと転生する。
「ドロン・ゴー! 《無敵剣 カツキングMAX》!」
無(アウト)敵(ロー)剣(カリバー) カツキングMAX 火/自然文明 (8)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のパワー8000以下のクリーチャーを1体破壊する。
自分のターン中、クリーチャーを1体、自分のマナゾーンから召喚してもよい。
W・ブレイカー
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《無》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《無敵》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
《ドン・カツドン》がドロン・ゴーした姿は、レイジクリスタルの力を得て、巨大な剣を携えたエグザイル。その名も《無敵剣 カツキングMAX》だった。
「《カツキングMAX》がバトルゾーンに出たことで、能力発動! パワー8000以下の《ブルースDEAD》を破壊!」
《カツキングMAX》は大剣を振るい、火炎の衝撃波を飛ばす。その衝撃波を受けた《ブルースDEAD》は、あえなく破壊されてしまった。
「さらに! 《カツキングMAX》の能力で、1ターンに一度だけ、マナゾーンからクリーチャーを召喚できる! 《ガンリキ・インディゴ・カイザー》をバトルゾーンに!」
汐からの反撃も防ぎつつ、確実に場数を増やしていく夕陽。この流れを保持できれば、このまま押し切ってしまえるかもしれない。
そんな風に考えたが、やはりその考えは甘かった。
彼女自身が言う通り、アウトレイジ、そしてエグザイルをよく知るのは、汐なのだ。