二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.500 )
- 日時: 2014/03/08 18:30
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
月影神話 ミッドナイト・アルテミス 闇文明 (6)
進化クリーチャー:メソロギィ/ダークロード/ドラゴン・ゾンビ 15000
進化MV—自分のダークロード一体と闇のクリーチャー二体を重ねた上に置く。
コンセンテス・ディー(このクリーチャーの下にある、このクリーチャーと同じ文明のすべてのクリーチャーのコストの合計を数える。その後、その数字以下の次のCD能力を得る)
CD6:自分のターンの初めに、山札をシャッフルしてもよい。その後、山札の上から三枚を持ち主の墓地に置く。
CD9:このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、闇の呪文を一枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。
CD12:このクリーチャーが攻撃する時、自分の墓地にある呪文を、コストの合計が12以下になるように好きな枚数選び、コストを支払わずに唱えてもよい。その後、選んだ呪文を好きな順序で山札の一番下に置く。
T・ブレイカー
現れたのは、流麗で穢れのない、真っ白な長い髪を持つ女性型のクリーチャー。民族的な一枚布の衣服を身に纏い、その布は裾へと向かうにつれ、グラデーションの如く黒く染まっている。
なにより目を引くのは、片手に携えた弓。ボウガンやアーチェーリーのようなものではなく、原始人が狩猟にでも使っていそうな、和弓に近い形をしている。
そしてその弓は、真っ黒に染まっていた。闇よりも深い、黒色に。
「これが……《アルテミス》……」
『そうよ、愚かな人間。私は《アルテミス》、《月影神話 ミッドナイト・アルテミス》』
《アルテミス》は、その存在自体が誇りであるかのように、気高く答えた。敵対しているとはいえ、その美貌は少なからず目を引く。
だがやはり敵は敵、汐の身体を乗っ取っている大敵だ。夕陽はこれから訪れるであろう災禍に備え、気を引き締める。
『まず、私の登場時能力を発動するわ。CD9! 手札から闇の呪文を一枚、コストを支払わずに唱えられる!』
手札から呪文のコスト踏み倒し。これなら夕陽も、まだ驚かない。似たような効果を持つクリーチャーは他にもいる。
だからこそ、問題はどのような呪文が飛んでくるかだ。都合よく大型呪文を持っていなければいいが、《デーモン・ハンド》《地獄門デス・ゲート》くらいは覚悟するべきだろう。
だがそんな夕陽の覚悟も、場に並ぶドラゴンと共に容易く消し飛ばされる。
『呪文《インビンシブル・アビス》!』
インビンシブル・アビス 闇文明 (13)
呪文
相手は、バトルゾーンにある自分自身のクリーチャーすべてを持ち主の墓地に置く。
「なっ……よりによって、《インビンシブル》呪文……!?」
《インビンシブル》の名を冠す、各文明の超大型呪文。すべて13マナと莫大なコストを誇り、手撃ちで唱えるには非現実的な呪文だ。そのため、使うのならコストを踏み倒すことが前提となる。《アルテミス》の場合は、自身の能力で唱える前提で、このカードを組み込んでいたのだろう。
そして闇文明の《インビンシブル・アビス》は、闇文明らしい除去カード、それも相手クリーチャーを問答無用ですべて墓地に送るという、シンプルながらも豪快な効果だ。
《アルテミス》が漆黒の弓に矢を番え、呪文の力を込め、解き放つ。まっすぐに飛来する一本の弓はどす黒い瘴気を発しながら、その力を増大させていく。その様はもはや弓矢ではなく、抗いようのない闇そのもの。月の光すら飲み込む、闇夜だった。
闇夜を内包した弓矢が夕陽のバトルゾーンに撃ち込まれる。次の瞬間、巨大な闇と瘴気が夕陽の場を多い尽くし、暗黒の空間で支配してしまう。
その瘴気で体が腐り、朽ち果て、闇に飲み込まれて跡形もなく消えるドラゴンたち。これで夕陽のクリーチャーは全滅する。
『さらに、私で攻撃! その時、私の能力発動! CD12!』
しかも、まだ《アルテミス》の破壊は終わらなかった。《アルテミス》は続けて弓を構え、夕陽に狙いを定める。そして、
『私が攻撃する時、墓地にある呪文を好きな数、コスト合計が12以下になるように選んで唱えられる!』
「っ、そんなのありかよ……!」
かの《グレイテスト・シーザー》だって、唱えられるコストの合計は7、それも闇か火の呪文だけだ。それを《アルテミス》は、コスト12までで、文明の縛りもない。
事前に墓地に呪文を溜める必要があるとはいえ、その能力は凶悪の一言に尽きる。
『呪文《ブラッディ・クロス》! 呪文《リバース・チャージャー》! 呪文《ロスト・ソウル》!』
《アルテミス》の弓から、三本の黒い矢が放たれる。それぞれの矢は墓地に眠る呪文の力を得て、その軌道を変えた。
一本は自身と夕陽の山札に。それぞれの山札のカードを墓地へと送る。
一本は自身の墓地に。墓地に落ちたクリーチャーを回収する。
一本は夕陽の手札に。《セルリアン・ダガー・ドラゴン》で補充したクリーチャーをまとめて叩き落とす。
『そして、Tブレイク!』
「ぐぁ……!」
最後にもう一本、弓矢を放つ。その弓矢は夕陽のシールドへと向かっていき、一発で三枚のシールドを吹き飛ばした。
『まだ終わらないわ。《ロマノフ》で攻撃、墓地から呪文《インフェルノ・サイン》をタダで唱える! その能力で、墓地から二体目の《ロマノフ》をバトルゾーンへ!』
そして登場時の能力で、山札の《インフェルノ・サイン》を墓地へと落とし、
『Wブレイクよ!』
「ぐぅ……!」
《ロマノフ》の魔弾が夕陽の残る二枚のシールドも吹き飛ばす。これで夕陽のシールドはゼロ。
そして《アルテミス》の場には、彼女自身と、彼女に仕えるようにして立つ《ロマノフ》が二体。
『《ロスト・ソウル》で手札もすべて落としたし、もうあなたに勝ち目はないわ、人間。次のターンに、私の弓で射殺してあげる』
「…………」
言葉と視線で夕陽を威圧する《アルテミス》。夕陽は降り注いだ破片で全身を切り刻まれたところから立ち直る。そして、
「……なんだ、大したことないな」
事もなげに、言い放った。