二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.528 )
日時: 2014/03/14 16:14
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 ラトリとマルコのデュエルは、シールドの枚数で言えばマルコの優勢だった。ラトリが四枚、マルコが五枚。
 ラトリの場には《匠のイザナイ ファッション・モンスター》が一体。マルコの場には《否男》《クゥリャン》《斬隠テンサイ・ジャニット》の三体がいる。
『ビビ……《否男》《クゥリャン》でシールドをブレイク』
 早いターンから積極的に殴ってくるマルコは、その攻めを緩めない。次々と攻撃を仕掛けてくる。
「うーん、これはピンチかもねぇ……私のターン!」
 口では言うものの、そこまで危機感が見られないラトリは、勢いよくカードを引くと、
「こっからが私の逆転ドラマ! のプレリュード! 呪文《ヘブンズ・ゲート》!」
 ラトリの声と共に天国の門が開かれる。そこから現れるのは天使ではなく、二体の無法者だった。
「《守護すぎる守護 鋼鉄》! 《宇宙刃 ニケ》!」


守護すぎる守護(ウルトラ・ディフェンス) 鋼鉄 光文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 6000
ブロッカー
W・ブレイカー
シールド・ゴー
このカードが自分のシールドゾーンに表向きであれば、バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて「シールド・セイバー」を得る。


宇宙(コスモ)刃(コスモス) ニケ 光文明 (6)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 6000
ブロッカー
W・ブレイカー
シールド・セイバー
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《宇宙》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《宇宙》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。


「さらに《ファッション・モンスター》で《クゥリャン》を攻撃! ターンエンド!」
 《否男》はスレイヤーとなっているため、《クゥリャン》を殴り返すラトリ。だがこの殴り返しは、ただの殴り返し以上の意味を持っている。
「ここで《ファッション・モンスター》の光臨がスタートアップ! デッキからコスト6以下のシールド・ゴー持ちクリーチャーをバトルゾーンに出すよ。コール《万里の超常 トラファルガル》! 即破壊してシールド・ゴー! マナを追加!」


匠の(パリミラノ)イザナイ ファッション・モンスター 光文明 (5)
クリーチャー:アウトレイジMAX/オラクル 5000
光臨—自分のターンの終わりに、このクリーチャーがタップされていれば、自分の山札を見る。その中からコスト6以下の、「シールド・ゴー」を持つクリーチャーを1体、バトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。


 型破りにセンスにより、アウトレイジでありながらイザナイの力を有し、オラクルでありながら無法者となれたクリーチャー《ファッション・モンスター》。
 その能力は、オラクル七階級のうち三位に属するイザナイが持つ光臨。だが彼が光臨させるのは、アウトレイジがその遺志を仲間に残す力、シールド・ゴーの力を備えるクリーチャーだ。
『ジジ……《テンサイ・ジャニット》を進化。《エンペラー・マルコ》』
 返しのターン。《ジャニット》が《マルコ》に進化し、《マルコ》は枯れつつある手札を補充する。だが《鋼鉄》と《ニケ》、二体のブロッカーが睨みを利かせているせいか、攻撃はせずにターンを終える。
「そんなスロウリィで大丈夫? 《万里の超常 ジュラルミン》を召喚! 即破壊してシールド・ゴー! 相手クリーチャーをオールタップ! 《鋼鉄》で《否男》にアタックして、こっちもシールド・ゴー!」
 即破壊することでシールド・ゴーしながら能力を発揮する《万里の超常》サイクル。ただし一度墓地を経由するため、《否男》の能力は発動し、スレイヤーと化す。
 だが、破壊されるのならラトリにとってはむしろ好都合だった。相手のアタッカーを減らしつつ、こちらはシールド・ゴーを発動できる。
 そして破壊されることで発動する能力は、シールド・ゴーだけではない。
「《ニケ》で《エンペラー・マルコ》をアタック! 相打ちして——ドロン・ゴー!」
 相打ちで《マルコ》諸共《ニケ》が破壊される。しかし、ただでは破壊されない。《ニケ》はこの世界でたった一つの存在であるエグザイルだ。破壊されても、その魂は残り、新たな姿へと昇華する。

「宇宙の力を解き放て! 世界を守る盾こそが、悪を切り裂く刃となる! 無法の神秘よ、創造せよ! 《宇宙美刃 ミケランジェロ》!」


宇宙(コスモ)美刃(ビューティー) ミケランジェロ 光文明 (8)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 11000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から3枚を見る。その中から1枚を裏向きにして、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加え、残りを手札に加える。
W・ブレイカー
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《宇宙》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《宇宙》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。


 現れたのは、《ニケ》がドロン・ゴーで転生した唯一無二なる無法者《ミケランジェロ》。全宇宙の中でも並ぶものはいないとされる美貌を持つエグザイルだ。
「《ミケランジェロ》の能力で、デッキからカードを三枚ルック! その中の一枚をシールドにして、残り二枚は手札にするよ!」
 これでラトリのシールドは六枚。うち三枚は表向きになっているが、かなり堅牢な防御となった。
「最後に《ファッション・モンスター》でシールドをブレイク!」
 攻撃対象となるクリーチャーがいないので、ラトリはシールドを狙う。なるべく相手に手札は与えたくないが、《マルコ》で十分引いており、今のマナ数ではその手札を使い切れないだろうと思ってのことだ。
 だが、
『ギギ……S・トリガー《デーモン・ハンド》。《ファッション・モンスター》を破壊』
 S・トリガーを踏んでしまいあえなく《ファッション・モンスター》は破壊されてしまった。
『ピピ……《エメラル》《チェレンコ》《飛行男》を召喚』
 さらに返しのターン、一気にクリーチャーを展開されてしまう。とはいえ小型クリーチャーばかりなので、さしたる問題はない。
「こっちはブロッカーでディフェンス固めだよ。《天空美麗 ミケラ・ジェンヌ》を召喚!」


天空美麗(ミス・ユニバース) ミケラ・ジェンヌ 光文明 (6)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のシールドをひとつ手札に加える。その後、自分の山札の上から1枚目を裏向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加える。
W・ブレイカー
自分の他の、名前に《天空美麗》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。


 次に現れたのも、唯一無二なるエグザイル。だが、ドロン・ゴーを有するものとは違う存在。《ミケランジェロ》の別の姿とでも言うべきクリーチャーだ。
「《ミケラ・ジェンヌ》の能力でシールドを一枚手札に加えるけど、この能力で加えたシールドのS・トリガーはプレイできる。というわけで、さっき《ミケランジェロ》で仕込んどいたこれをプレイ! 《緊急再誕》!」
 ラトリが発動させたのはS・トリガー呪文の《緊急再誕》。自身のクリーチャーを一体破壊することで、手札のクリーチャーのコストを踏み倒す呪文だ。
「破壊するのは《ミケランジェロ》! そして手札から出すのはこの子! 《反転する不完全 ギャラクシー》!」


反転する不完全(ミスター・パーフェクト) ギャラクシー 光文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジMAX 9000
ブロッカー
W・ブレイカー
相手がバトルゾーンにあるクリーチャーを選ぶ時、「シールド・ゴー」を持つカードが自分のシールドゾーンに表向きであれば、このクリーチャーを選ぶことはできない。
自分のシールドがブレイクされる時、「シールド・ゴー」を持つカードがそのシールドに表向きであれば、そのシールドのかわりに自分の他のシールドを手札に加えてもよい。


 《緊急再誕》で現れた新たな無法者。かの《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》がアウトレイジの、それもシールド・ゴーの力の影響を強く受けた姿だ。
 さらにラトリはこの時、《ミケランジェロ》を破壊して《緊急再誕》を使用している。それはつまり、
「《ミケランジェロ》を《ミケランジェロ》にドロン・ゴー!」
 またドロン・ゴーが発動するということだ。
 シールドを一枚、手札を二枚増やし、守りを盤石にするラトリ。《ミケランジェロ》の能力は、地味ではあるが堅実にアドバンテージを稼ぐことのできる、強力な能力だ。
『キキ……《電磁封魔ロッキオ》を召喚。《ロッキオ》を進化、《超電磁妖魔ロメール》』


超電磁妖魔ロメール 水/闇文明 (4)
進化クリーチャー:サイバーロード/ヘドリアン 5000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化—自分のサイバーロードまたはヘドリアン1体の上に置く。
バトルゾーンにある自分の他のサイバーロードとヘドリアンすべてのパワーは+2000される。
自分のサイバーロードとヘドリアンはブロックされない。


『チチ……《エメラル》《チェレンコ》《飛行男》《ロメール》で攻撃』
「おっとー! ソーリーだけど、フリーなブレイクはさせないよ! 《反転する不完全 ギャラクシー》の能力で、シールド・ゴーを持つクリーチャーがシールドにいれば、私の他のシールドを手札に加える!」
 つまり、シールド・ゴーでシールドとなったクリーチャーを守ることのできる能力だ。
 ラトリはまず、シールドになっている間の能力を持たない《トラファルガル》と《ジュラルミン》を剥がし、次に《ミケランジェロ》で追加したシールドを手札に加える。
「S・トリガー発動《フェアリー・シャワー》!」
 そして仕込んだS・トリガーを発動させ、山札の上から二枚を見て、一枚をマナ、一枚を手札に加えた。さらに、
「ワォ、グッドなカードだ。だったら《ロメール》のブレイクは、シールド・ゴーした《鋼鉄》の能力でシールド・セイバーを得た《ミケランジェロ》を破壊してセーブ!」
 また《ミケランジェロ》が破壊される。つまり、
「ドロン・ゴー! 《宇宙美刃 ミケランジェロ》!」
 また《ミケランジェロ》がドロン・ゴーで現れる。その能力でシールドを一枚、手札を二枚増やすラトリ。ドロン・ゴー連発で、集計すれば膨大なアドバンテージを稼いでいる。
「ネクスト私のターン! 陣地の力を解き放て! 仲間を守る盾こそが、敵手を射抜く弓となる! 無法の光よ、突き進め! 《驚異的陣形 アレキサンドライト》! その能力で……《凄惨なる牙 パラノーマル》をシールド・ゴー! そっちのウィニーはオール、デストロイ!」
 さらに返しのターンに《アレキサンドライト》で《パラノーマル》をシールドに設置し、マルコの小型クリーチャーを殲滅する。《ロメール》でパワーアップしているとはいえ、素のパワーはたった1000しかないのだ。パンプアップ分も根こそぎ奪い尽くし、残ったのは《ロメール》一体のみ。
『ズズ……《飛行男》が破壊されたので、手札を一枚、墓地へ』
「お、それはオーケーなのかな? あんまイージーにハンデスしない方がグッドだったりするかもよ?」
 ラトリの手札から落ちたのは《驚愕の存在 カニス》。
「とはいえ、これだけクリーチャーが並べばオーバーキルか……うん、エキサイトだね!」
 などと言って笑うラトリ。だが、相手からしたらたまったものではないだろう。
「《アレキサンドライト》進化! 《守護大帝 ストーンゴルド》!」


守護大帝(ジェネラル・ガード) ストーンゴルド 光文明 (5)
進化クリーチャー:アウトレイジMAX 6000
進化—自分のアウトレイジ1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃する時、「シールド・ゴー」を持つクリーチャーを1体、自分の墓地から表向きのまま、新しいシールドとして自分のシールドゾーンに加えてもよい。
W・ブレイカー


「ジョーク抜きのオーバーキルだけど、《カニス》をハンデスしたのが仇になったね! 《ストーンゴルド》で《ロメール》にアタック! その時《ストーンゴルド》の能力で、墓地の《カニス》をシールド・ゴー!」
 《飛行男》によって捨てられた《カニス》が、シールドとなって舞い戻る。《カニス》が表向きでシールドとなっている時、ラトリのクリーチャーはすべてパワーアタッカー+5000、さらにシールドを一枚追加でブレイクできる。
 《ロメール》は《ストーンゴルド》とのバトルに敗れ破壊される。そしてその後に続くのは、三体の光の無法者。
「《ミケラ・ジェンヌ》でTブレイク! 《ミケランジェロ》で最後のシールドをブレイク!」
 《カニス》の力を受けて打点の上がった《ミケラ・ジェンヌ》の光線にマルコの三枚のシールドが突き破られ、《ミケランジェロ》が巨大な刃で最後のシールドを切り裂く。
『ググ……S・トリガー発動《スパイラル・ゲート》。《ギャラクシー》を手札に』
 それは《エメラル》によってカードを入れ替えていたシールドだったが、やはりS・トリガーを仕込んでいた。
 だが、それも無駄なのだ。
「ノンノン、それはキャンノット、だね」
 《スパイラル・ゲート》による渦が巻き起こるが、我関せずと言った風に《ギャラクシー》はマルコへと直進する。
「私のシールドにシールド・ゴー持ちのクリーチャーが表向きであれば、《ギャラクシー》はアンタッチャブル! 《スパイラル・ゲート》はエフェクトナッシング!」
 シールド・ゴーを持つクリーチャーが表向きでシールドにあるので《ギャラクシー》は選ばれない。なので《スパイラル・ゲート》も通用しない。
 このターンを凌ぐことも出来ず、マルコに完全なる無法者が立ちはだかる。
「《反転する不完全 ギャラクシー》で、ダイレクトアタック!」