二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.529 )
日時: 2014/03/15 00:01
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 希野とヴィクトリアのデュエル。
 希野のシールドは五枚、場にはなにもなし。だが、序盤から《霞み妖精ジャスミン》や《再誕の社》、さらには《スクランブル・タイフーン》による墓地肥やしからの《偉大なる恵み》で、大量のマナをブーストさせている。
 対するヴィクトリアの場には《光陣の使徒ムルムル》が二体《光器パーフェクト・マドンナ》が二体《封魔聖者シャックル・アーマ》が一体の計五体。
「ブロッカーが多い……もう少し準備してからの方がいいかもしれないわね。呪文《ピクシー・ライフ》でマナを追加、そしてマナゾーンから無色カードの《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》を回収。続けて《爆走鬼娘モエル・ゴー》を召喚して、山札から《黄金龍 鬼丸「王牙」》を手札に加えるわ」
 まだ大きな動きは見せずにターンを終える希野。準備は着々と進んでいるようだが、ヴィクトリアが先んじて動き始める。
『私のターン。呪文《ロジック・スパーク》で《ダイヤモンド・ソード》を手札に。続けて呪文《母なる星域》を発動、《パーフェクト・マドンナ》をマナゾーンへ』
 送ろうとするが、しかし《マドンナ》はパワーがゼロ以下にならない限り場を離れない。つまり、場数を減らさずにマナゾーンからクリーチャーを引っ張り出せる。
『《シャックル・アーマ》を進化、《真姫ヴィクトリア》』


真姫ヴィクトリア 光文明 (7)
進化クリーチャー:メカ・デル・ソル 6000
ブロッカー
進化—自分の「ブロッカー」を持つクリーチャー1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンの出した時、バトルゾーンにある自分の「ブロッカー」を持つクリーチャー1体につき、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選びタップしてもよい。
W・ブレイカー


『《ヴィクトリア》の能力で《モエル・ゴー》をタップ。そして、そのまま攻撃。破壊ですわ』
 早速《モエル・ゴー》がタップキルで破壊されてしまった。
「《ダイヤモンド・ソード》を手札に加えてたし、次のターンに決めに掛かるつもりね」
 《ヴィクトリア》の場には、Wブレイカーの《ヴィクトリア》自身と、他四体のブロッカー。さらに他にもクリーチャーを召喚すると考えれば、《マドンナ》の存在もあり、余裕で希野にとどめを刺せる。
 だが逆に、希野も余裕で《ヴィクトリア》を倒すだけの戦力を揃えていた。
「あたしのターン。一応《ピクシー・ライフ》でマナを増やして、マナゾーンの《王牙秘伝ゴールデン・ビクトリー》を回収……マナは十分、クリーチャーも揃ってる。このターンで終わらせるわ」
 希野はマナ加速と同時に、さり気無く整えていた別の準備も含めて、自身の切り札の力を解放する。

「必勝を司る龍よ、その力を解き放ち、我らに勝利を——《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》!」


「必勝」の頂 カイザー「刃鬼(ばき)」 ≡V≡ 無色 (11)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/ゼニス 14000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手のシールドを数え、その回数相手とガチンコ・ジャッジする。その後、こうして自分がガチンコ・ジャッジに勝った数、ハンターを1体、自分の墓地、マナゾーン、または手札からバトルゾーンに出す。
T・ブレイカー
エターナル・Ω


 必勝、それは読んで字の如く、必ず勝つこと。
 それを概念ではなく存在として体現している龍が《カイザー「刃鬼」》だ。《鬼無双 カイザー「勝」》が紆余曲折を経てゼニスとなり、その雄叫びは必ずや勝利をもたらしてくれる。
「《カイザー「刃鬼」》の能力発動! 相手のシールドの枚数分ガチンコ・ジャッジを行う!」
 希野は《ヴィクトリア》のシールドを一枚も割っておらず、《ヴィクトリア》も自身で増減させていない。デュエル開始時の、五枚のまま。
 つまり、五回のガチンコ・ジャッジを行うのだ。
「ガチンコ・ジャッジ!」
 一戦目、希野はコスト5《スクランブル・タイフーン》、《ヴィクトリア》はコスト5《停滞の信者 ブリトニー・ステイシス》。
 二戦目、希野はコスト2《霞み妖精ジャスミン》、《ヴィクトリア》はコスト6《ヘブンズ・ゲート》。
 三戦目、希野はコスト8《不敗のダイハード・リュウセイ》、《ヴィクトリア》はコスト7《真姫ヴィクトリア》。
 四戦目、希野はコスト4《偉大なる恵み》、《ヴィクトリア》はコスト3《母なる星域》。
 五戦目、希野はコスト8《国士無双カイザー「勝×喝」》、《ヴィクトリア》はコスト3《エナジー・ライト》。
 希野は五戦中四回勝利した。なので《カイザー「刃鬼」》の能力で、墓地、マナゾーン、手札からハンターを四体踏み倒せる。
「踏み倒すのはこの四体! 《アクア・インテリジェンス 3rd G》 《永遠のリュウセイ・カイザー》《爆走鬼娘モエル・ゴー》《獣鬼装甲トラマルGGG》!」
 《モエル・ゴー》以外はマナゾーンからハンターを踏み倒す希野。《トラマルGGG》は破壊されてまた戻って来た《モエル・ゴー》を進化元として進化する。


獣鬼装甲トラマルGGG(トライジー) 火文明 (5)
進化クリーチャー:ヒューマノイド/ハンター/エイリアン 6000
進化—自分のヒューマノイド1体の上に置く。
このクリーチャーが攻撃する時、相手と3回ガチンコ・ジャッジする。自分が3回勝ったら、コスト12以下の進化ではないハンターを1体、コストを支払わずに召喚してもよい。自分が2回だけ勝ったら、コスト8以下の進化ではないハンターを1体、コストを支払わずに召喚してもよい。
W・ブレイカー


「《トラマルGGG》で攻撃! そしてこの時もガチンコ・ジャッジ!」
 《獣鬼装甲トラマルGGG》が攻撃する時、三回ガチンコ・ジャッジを行う。勝てばクリーチャーのコストを踏み倒せるのだが、このガチンコ・ジャッジで勝った回数により、踏み倒せるクリーチャーのコストが変動するのだ。
 なにはともあれ、ガチンコ・ジャッジ三連戦。
 一戦目、希野はコスト2《霞み妖精ジャスミン》、《ヴィクトリア》もコスト3《コアクアンのおつかい》。
 二戦目、希野はコスト3《セブンス・タワー》、《ヴィクトリア》はコスト6《ヘブンズ・ゲート》。
 三戦目、希野はコスト8《永遠のリュウセイ・カイザー》、《ヴィクトリア》はコスト4《封魔聖者シャックル・アーマ》。
 一見すると希野は三戦中一戦しか勝てておらず、《トラマルGGG》の能力が発動しないように見える。
 だが、希野場には《カイザー「刃鬼」》で呼び出した《アクア・インテリジェンス 3rd G》がいる。


アクア・インテリジェンス 3rd G 水文明 (7)
クリーチャー:リキッド・ピープル/ハンター 7000
このクリーチャーが攻撃する時、相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、バトルゾーンにある相手のコスト6以下のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。
ガチンコ・ジャッジ中、自分が見せるカードのコストを3多くする。
W・ブレイカー


 つまり、希野がガチンコ・ジャッジで捲ったカードのコストはすべて3足され、全勝したことになるのだ。
「すべてのガチンコ・ジャッジに勝ったから《トラマルGGG》の能力で手札からコスト12以下のクリーチャーを召喚できる! 出すのはこれ! 《黄金龍 鬼丸「王牙」》!」


黄金龍(ゴールデン・ドラゴン) 鬼丸「王牙(オーガ)」≡V≡ 無色 (11)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ゼニス/ハンター 13000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、無色ではない相手の、このクリーチャーよりパワーが小さいクリーチャーをすべて破壊する。
スピードアタッカー
T・ブレイカー
バトルゾーンにある自分のハンターとエイリアンはすべて「エターナル・Ω」を得る。


 忘れてはならないのが、《トラマルGGG》の能力で出て来るクリーチャーは、コストを踏み倒してはいるものの“召喚”なのだ。つまり、ゼニス特有の召喚した時のみ発動する能力が発動する。
「《鬼丸「王牙」》の召喚時能力で、このクリーチャーよりパワーの低い無色以外のクリーチャーをすべて破壊!」
 刹那、《鬼丸「王牙」》の一喝で、《ヴィクトリア》の場にいたクリーチャーがほぼすべて消滅する。残ったのは場を離れない《マドンナ》だけ。
 そしてその後、ずっと先送りにされていた《トラマルGGG》の攻撃がヴィクトリアに通る。
『っ……S・トリガー発動! 《ヘブンズ・ゲート》で《光器パーフェクト・マドンナ》を二体バトルゾーンに! これでブロッカーが三体ですわ』
「果たして、三体で足りるかしらね? 《鬼丸「王牙」》で攻撃、その時、アタック・チャンス発動! 《王牙秘伝ゴールデン・ビクトリー》!」


王牙(オーガ)秘伝ゴールデン・ビクトリー 無色 (9)
呪文
アタック・チャンス—《黄金龍 鬼丸「王牙」》
自分の山札の上から3枚をすべてのプレイヤーに見せる。その中から好きな枚数の進化ではないハンターとエイリアンをバトルゾーンに出してもよい。このターン、そのクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。その後、それ以外のカードを好きな順序で自分の山札の一番下に置く。


 《鬼丸「王牙」》が攻撃する瞬間、彼の叫びがフィールドに木霊する。そしてその叫びにより、希野の山札が捲られた。
「この捲った三枚の中にあるハンターとエイリアンをすべて、スピードアタッカーを付加してバトルゾーンに!」
 捲られた三枚は《不敗のダイハード・リュウセイ》《ドンドン吸い込むナウ》《R.S.F.K.》。ハンターは二体だ。
「《不敗のダイハード・リュウセイ》と《R.S.F.K.》をバトルゾーンに! さらに《R.S.F.K.》の能力発動!」


R.S.F.K.(ロイヤル・ストレート・フラッシュ・カイザー) 火文明 (7)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 5000
スピードアタッカー
このクリーチャーが攻撃する時、自分が負けるか中止するまで、相手とガチンコ・ジャッジする。その後、こうして自分がガチンコ・ジャッジに勝った回数、このクリーチャーは相手のシールドを1枚ブレイクする。


 史上最強の勝負師、または連ドラの最終兵器と呼ばれるドラゴン《R.S.F.K.》。
 その能力は、完全にガチンコ・ジャッジに依存したギャンブルではあるが、勝ち続ければいくら相手のシールドが多かろうと、ブロッカーが並ぼうがシノビを握っていようが関係なく攻撃を通せる。勝負師に相応しい能力だ。
 《鬼丸「王牙」》の攻撃はブロックされたが、続いて《R.S.F.K.》が飛び出す。その時、希野はまたまたガチンコ・ジャッジによる勝負に持ち込んだ。
 一戦目、希野はコスト2《霞み妖精ジャスミン》、ヴィクトリアもコスト2《光陣の使徒ムルムル》
 二戦目、希野はコスト4《爆走鬼娘モエル・ゴー》、ヴィクトリアはコスト5《停滞の信者 ブリトニー・ステイシス》。
 三戦目、希野はコスト7《アクア・インテリジェンス 3rd G》、ヴィクトリアはコスト3《エナジー・ライト》。
 これらの結果に《アクア・インテリジェンス 3rd G》の能力をプラスすれば、希野三連勝。
 《R.S.F.K.》の能力により、問答無用でヴィクトリアのシールドが三枚砕け散った。そこに《R.S.F.K.》のダイレクトアタックが繰り出される。
『《パーフェクト・マドンナ》で、ブロック!』
「なら《インテリジェンス 3rd G》でダイレクトアタック!」
『そ、それもブロックですわ……!』
 《永遠のリュウセイ・カイザー》で希野のクリーチャーはすべてスピードアタッカーとなっている。《鬼丸「王牙」》でブロッカーを一掃されたヴィクトリアは、生き残った分と《ヘブンズ・ゲート》で呼び出された《マドンナ》で攻撃を防ぐも、もはや限界だ。流石に数が多すぎた。
 《「必勝」の頂》はその名に違わず、主人である彼女に絶対的な勝利をもたらすのだった。
「《カイザー「刃鬼」》で、ダイレクトアタック!」