二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.535 )
日時: 2014/03/18 22:45
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

獣音(マッター)鼓笛(ホルン) グローバル 自然文明 (8)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から5枚をすべてのプレイヤーに見せる。その中から好きな数のアウトレイジを手札に加えてもよい。その後、残りを好きな順序で山札の一番下に戻す。
W・ブレイカー
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《鼓笛》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《鼓笛》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。


 《鼓笛獣 五朗丸》が破壊され、転生した新たな姿。それが《獣音鼓笛 グローバル》。彼の雄叫びは山に眠る同胞たちを呼び覚まし、呼び寄せる。
「《グローバル》がバトルゾーンに出た時の能力が、発動……山札の上から五枚を、表向きに、しますっ!」
 こうして捲られた五枚は《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》《DNA・スパーク》《分析請負人 ディスカバリー》《極太陽 シャイニング・キンジ》《獣音鼓笛 グローバル》。
「《DNA・スパーク》は、山札の一番下に戻して……残りのアウトレイジをすべて、手札にします……!」
 一気に四枚ものカードを補充したうさみ。手札補充だけだが、それでも膨大なアドバンテージだ。さらに言えば、うさみは《菌次郎》でマナをかなり増やしている。
「これなら、行けるかも……わたしのターン。まずは《突撃奪取 ファルコン・ボンバー》を召喚……次に《分析請負人 ディスカバリー》を、召喚っ」
 《ディスカバリー》は山札の上から五枚を見て、その中のエグザイルを手札に加えられるアウトレイジだ。そんな彼の分析で発見されたエグザイルは、
「……《翔帆轟音 グローバ・ライズ》を手札に、加えます。そして《サンサン》で《ショパン》に攻撃です……っ」
 当然《サンサン》のパワーでは《ショパン》には勝てない。だが、それでいいのだ。
 なぜなら《サンサン》も、エグザイルなのだから。
「《サンサン》が破壊されたので、ドロン・ゴー、発動です……《極太陽 シャイニング・キンジ》!」
 《ショパン》とのバトルに負け、《サンサン》が《キンジ》にドロン・ゴー。そして、
「《ファルコン・ボンバー》でシールドをブレイク。その時、能力で《キンジ》をスピードアタッカーに。続けて、《グローバル》で《レグルス・ギル・ドラゴン》を攻撃ですっ」
 《グローバル》も《レグルス・ギル・ドラゴン》もパワーは同じ。なので相打ちとなり共に破壊されるが、
「《グローバル》を、《グローバル》にドロン・ゴーですっ!」
 さっきドロン・ゴーで出た時に発動した能力で手に入れた《グローバル》を、《グローバル》からドロン・ゴー。これで疑似的だが一方的に相手を破壊したことになり、さらに《グローバル》の能力ももう一度使用できる。
「山札の上から五枚を、表向きに……っ」
 次に捲れた五枚は、《一撃奪取 アクロアイト》《羊頭駆逐 パール》《極太陽 シャイニング・キンジ》《奪太陽 サンサン》《極太茸 菌次郎》。
「五枚ともアウトレイジなので、すべて手札にっ! そして《キンジ》で《ショパン》を攻撃です!」
 さらにこの時《キンジ》の能力が発動し、うさみは山札の上二枚を見る。
(《グローバル・ナビゲーション》と《DNA・スパーク》……マナ回収もいいですけど、ここは攻撃を止めやすい《DNA・スパーク》を仕込むのです)
 その中の《DNA・スパーク》をシールドに埋め、もう片方の《グローバル・ナビゲーション》はマナゾーンへ。これでシールドは三枚、しかも一枚は《DNA・スパーク》が確定しているので、そう簡単にとどめは刺されないはずだ。
 そしてやっと《キンジ》と《ショパン》のバトル。今度はどちらもパワーが同じなので、互いに破壊されるが、
「もう一度……ドロン・ゴー! 《キンジ》が破壊されたので《キンジ》をバトルゾーンに!」
 うさみは先ほど《グローバル》で手に入れたばかりの《キンジ》を《キンジ》へとドロン・ゴーさせる。これもうさみのクリーチャーが減らないまま、クトゥグアのクリーチャーだけ破壊した。
 気付けばクトゥグアのクリーチャーは全滅しており、一方うさみの場には大型アウトレイジが二体、他にも二体のクリーチャーがいる。
「……《竜のフレア・エッグ》と《守護炎龍レヴィヤ・ターン》を召喚。《レヴィヤ・ターン》の能力で、マナゾーンから《フレア・エッグ》をバトルゾーンに……」
 クトゥグアは自分のターンが回って来るも、防御的な行動は一切起こさない。いや、火と自然の連ドラでは、そもそも防御が難しい。これが精一杯だろう。
 そしてその隙は、うさみにとっては最大のチャンスだ。
「このまま攻めれば、勝てる……わたしのターンです」
 勝利が目前まで見えてきたうさみの表情が明るくなっていく。
 現状でも、うさみはクトゥグアにとどめを刺せるだけの戦力が揃っている。だが、彼女はさらにクリーチャーを展開する。
「呪文《母なる星域》! 《ディスカバリー》をマナゾーンに送って……マナゾーンから、進化クリーチャーを出します……っ! 《ファルコン・ボンバー》進化!」
 《ファルコン・ボンバー》が《母なる星域》の中心に立つ。すると、うさみのマナゾーンと《星域》が繋がり、マナゾーンから進化クリーチャーが呼び覚まされる。
 だがそれは、ただの進化クリーチャーではない。この世界にたった一体の、唯一無二の進化クリーチャーだ。

「《翔帆轟音 グローバ・ライズ》!」


翔帆轟音(ショー・マスト・ゴーオン) グローバ・ライズ 自然文明 (7)
進化エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 15000
進化—自分のアウトレイジ1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上から4枚をタップしてマナゾーンに置いてもよい。
バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーすべてのパワーは+3000される。
T・ブレイカー
自分の他の、名前に《翔帆轟音》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。


 それは《グローバル》のもう一つの姿。進化するエグザイル・クリーチャー《グローバ・ライズ》。
 彼の咆哮は大地を鳴動させ、豊潤なマナを生み出す。
「バトルゾーンに出た《グローバ・ライズ》の能力で、山札からカードを四枚、マナゾーンへ……さらに、《ボルバルザーク・エクス》も、召喚……っ!」
 《グローバ・ライズ》で増えたマナは、しかしながらタップされている。だがそのタップされたマナを、《グローバ・ライズ》を呼び出すために消費したマナ諸共《ボルバルザーク・エクス》で起き上がらせてしまう。
 そしてここからが、うさみの独壇場だった。
「《奪太陽 サンサン》《極太茸 菌次郎》、続けて《一撃奪取 アクロアイト》と《一撃奪取 ケラス》、さらに《羊頭駆逐 パール》を召喚ですっ」
 手札を使い切り、一気に五体ものアウトレイジを展開するうさみ。《グローバル》で手札を、《グローバ・ライズ》でマナを増やし、その大量に増えた手札とマナを使って、大量展開を実現させた。
「準備は、整いました……で、では、すみません。このターンで、決めさせてもらいます……っ!」
 そんな宣言と同時に、うさみの場の無法者たちが、動き出す。
「《キンジ》で攻撃、Wブレイクです!」
 残り少ないデッキを削ってシールドとマナを増やし、《キンジ》は巨大な鍬を振るいクトゥグアの残り二枚のシールドを粉砕。これでクトゥグアのシールドはゼロだ。
「……S・トリガー《黒神龍オドル・ニードル》を召喚」
「無駄、です……《オドル・ニードル》一体じゃ、わたしのアウトレイジたちは止められな——」
「もう一枚……S・トリガー発動」
 うさみの声を遮って、クトゥグアは二枚目のS・トリガーを公開する。
「呪文《ミステリー・キューブ》。山札をシャッフルして、その一番上を捲る……《閃光のメテオライト・リュウセイ》をバトルゾーンに……!」
 よりよって、捲られたのは《メテオライト・リュウセイ》だった。うさみにとっては、最悪の誓いカードだ。
「《メテオライト・リュウセイ》の能力で、相手クリーチャーをすべてタップ……」
「あぅ、うぅ……止められちゃいました……」
 せっかくこのターンで決めるつもりだったのが、クリーチャーをすべてタップされ、完全に攻撃をストップされてしまう。だが、
(で、でも大丈夫……《キンジ》で仕込んだシールドは、二枚ともS・トリガー……片方は《DNA・スパーク》だし、このターンは凌げるはずなのです……)
 運よく《キンジ》で攻撃した時に埋めたシールドは、どちらもS・トリガー、《DNA・スパーク》と《グローバル・ナビゲーション》だ。たとえ次のターンにクトゥグアがどれだけ展開しようが、こちらもその軍勢を止めることができる。
 しかし、相手は【神聖帝国師団】で五指に入る四天王、『炎精火滅クトゥグア』だ。
 一筋縄でいく相手ではない。S・トリガーの一枚や二枚など、障害にもならないのだ。
「私のターン……」
 クトゥグアは静かに自分のターンを開始する。
 だが彼女の瞳の奥には、轟々と破滅の炎が燃え盛っていた——