二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.537 )
- 日時: 2014/03/19 16:46
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
うさみが一気に戦況をひっくり返したこのデュエル。
うさみのシールドは四枚、そのうち二枚はそれぞれ《DNA・スパーク》と《グローバル・ナビゲーション》が仕込まれている。そして場には《極太陽 シャイニング・キンジ》《獣音鼓笛 グローバル》《翔帆轟音 グローバ・ライズ》《ボルバルザーク・エクス》《奪太陽 サンサン》《極太茸 菌次郎》《一撃奪取 アクロアイト》《一撃奪取 ケラサス》《羊頭駆逐 パール》……《グローバル》と《グローバ・ライズ》でそれぞれ増えた手札とマナをフルに使い、大量のクリーチャーを展開している。
対するクトゥグアのシールドはゼロ。なんとか《ミステリー・キューブ》から《閃光のメテオライト・リュウセイ》を踏み倒してうさみの攻撃を止め、生き残っている。他には《守護炎龍レヴィヤ・ターン》《黒神龍オドル・ニードル》、そして《竜のフレア・エッグ》が二体。
「私のターン……二体の《フレア・エッグ》の能力発動」
クトゥグアのターンの初め、山札の上からそれぞれの能力で一枚ずつ墓地へと送られた。その墓地へと落ちたカードは、二枚ともドラゴンだ。
《フレア・エッグ》が弾け飛び、二体の龍が目を覚ます。
「目覚めるのは……《竜星バルガライザー》そして——」
片方の《フレア・エッグ》から生まれるのは、《竜星バルガライザー》。そしてもう一体は——
「火焔の龍、異星の力に触れ、次元の壁を焼き尽くせ——《ボルシャック・ギルクロス・NEX》……!」
ボルシャック・ギルクロス・NEX 火文明 (9)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/エイリアン 9000+
スピードアタッカー
パワーアタッカー+5000
T・ブレイカー
誰もサイキック・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
もう片方の《フレア・エッグ》から誕生したのは、エイリアンのと化した《ボルシャック・クロス・NEX》——その名も《ボルシャック・ギルクロス・NEX》だ。
超次元を巧みに操るエイリアンの中でも《ボルシャック・ギルクロス・NEX》は特異な存在。その力は、サイキックを呼び出す超次元の門を焼き尽くし、サイキックの存在を根本から封じてしまうのだ。
とはいえうさみのデッキにサイキック・クリーチャーはいないので、それほど意味はない。ただ普通に考えて、このサイズのクリーチャーが殴って来るのは驚異的だ。
(で、でも、大丈夫……わたしのシールドには、《DNA・スパーク》が仕込まれているから、いくら数を増やしても、このターンでとどめを刺されることはない、はずなのです……)
だが、どうしても不安が拭えない。なにか、嫌な予感がする。
「《インフィニティ・ドラゴン》を召喚……《オドル・ニードル》で《グローバ・ライズ》を攻撃して破壊、さらに《竜星バルガライザー》も《キンジ》に攻撃」
今度は手札から普通にドラゴンを召喚、さらに《グローバ・ライズ》を破壊しつつ、《バルガライザー》のアタックトリガーでもドラゴンを踏み倒す。《メテオライト・リュウセイ》で《インフィニティ》も踏み倒されるドラゴンもどちらもスピードアタッカーになるが、《DNA・スパーク》の前には無力。除去耐性をつけようが殴り返そうが手数を増やそうが、すべてタップすれば問題ない。
そう、思っていたが、
「《バルガライザー》の能力発動……」
飛翔する《バルガライザー》の咆哮が、クトゥグアのデッキのドラゴンを呼び覚ます。
その呼び覚まされたドラゴンは、うさみにとっては最悪と言っていい存在。禁じられた魔弾を内包する、異星の龍だった。
「魔弾の龍、異星の地獄に触れ、すべての銀河を焼き尽くせ——《超銀河竜 GILL》……!」
超銀河竜 GILL(ギル) 火文明 (10)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/エイリアン 9000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、パワーの合計が9000以下になるように相手のクリーチャーを好きな数選び、破壊する。その後、相手のシールドをひとつ選び、持ち主の墓地に置く。
W・ブレイカー
《バルガライザー》の咆哮で呼び覚まされたのは、禁じられた魔弾《超銀河弾 HELL》を内蔵した異星の龍、魔弾がエイリアンのドラゴンと化した《超銀河竜 GILL》だった。
平たく言えば呪文がクリーチャー化したようなカードだが、呪文と違ってクリーチャーは踏み倒しの手段が豊富、しかも《GILL》はサポートを受けやすいドラゴン。今こうしてここに存在しているのは《バルガライザー》の能力で踏み倒されたからだ。
その分シールド焼却枚数は、相手クリーチャーの数に関係なく一枚だが、一枚焼ければ十分だった。
「……《GILL》の能力で《サンサン》《菌次郎》《アクロアイト》《ケラサス》《パール》を破壊」
突如、《GILL》が雄叫びを上げる。その咆哮を引き金に、《GILL》の背負う地獄の魔弾が一斉に発射され、うさみの場にいた小型クリーチャーたちを一瞬で焼き尽くしてしまう。《グローバ・ライズ》がいなくなったので、クリーチャーのパワーが落ち、大量展開した五体のクリーチャーがまとめて破壊されてしまったのだ。
「あ、これって、まさか……」
クリーチャーが破壊された後、残る一発の弾丸がうさみのシールドを一枚、貫く。
貫かれたシールドは——《DNA・スパーク》だった。
「そんな……」
うさみにとって守りの要であった《DNA・スパーク》が焼かれてしまう。もしかしたら、《キンジ》で仕込んだ時に見抜かれていたのかもしれない。
「《バルガライザー》で《キンジ》を攻撃……破壊」
「あ……《キンジ》!」
次に《バルガライザー》の双刀が《キンジ》を切り裂き、破壊する。
「《メテオライト・リュウセイ》で《グローバル》を攻撃……破壊」
「《グローバル》まで……」
さらに《グローバル》も破壊し、その次は《インフィニティ》で《ボルバルザーク・エクス》も破壊した。
うさみは一度クトゥグアのクリーチャーを全滅させたが、返しのターン、たった1ターンで、九体ものクリーチャーをすべて破壊され、仕込んだS・トリガーも潰されてしまった。
なにもかも、焼き尽くされてしまったのだ。
(これが、【神聖帝国師団】の、四天王……)
もう、身体が動かない。振るえることすらできない。目の前の少女が発する、静かな爆炎に気圧されてしまい、呻くことすらも出来なかった。
「……《ボルシャック・ギルクロス・NEX》でTブレイク」
《ボルシャック・ギルクロス・NEX》のTブレイクでうさみの残ったシールドはすべて消し飛んだが、その中の一枚が、光の束となって収束する。
「っ、S・トリガー……《グローバル・ナビゲーション》、です……っ! 《レヴィヤ・ターン》をマナゾーンへ!」
「無駄」
《レヴィヤ・ターン》がマナゾーンに送られそうになるが、その時《インフィニティ》の能力が発動する。
「山札の一番上を、墓地へ……」
墓地に落ちたのは《不敗のダイハード・リュウセイ》。ドラゴンなので、《レヴィヤ・ターン》は場を離れない。
「これでお終い……」
クトゥグアは、静かに告げる。
凶暴なる龍の雄叫びや、轟々と燃え滾る爆炎を内包する瞳で、うさみをジッと見据え、終わりの宣言を、告げるのだった。
「《守護炎龍レヴィヤ・ターン》で……ダイレクトアタック……」