二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.544 )
- 日時: 2014/03/21 09:11
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
「俺のターン《禍々しき取引 パルサー》召喚。俺は手札がないので、カードを捨てずに2ドローだ」
禍々しき取引(トランス・サクション) パルサー 火文明 (3)
クリーチャー:アウトレイジ 2000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札をすべて捨て、その後、カードを2枚引く。
黒村とシーザーのデュエルは、現状では黒村優勢だった。
黒村のシールドは四枚。場には今召喚した《禍々しき取引 パルサー》に《斬斬人形コダマンマ》《死神術士デスマーチ》。
対するシーザーのシールドは二枚で、《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》を三体並べ、なんとか凌いでいる。
「さらに墓地の《サビ・クロー》を進化元に墓地進化《デスマーチ》を召喚。《デスマーチ》でシールドブレイク」
「ぬぅ、《デスマーチ》相手では《ブラッディ・シャドウ》でも太刀打ちできない……ここはブロックしない!」
二体の《デスマーチ》がシーザーのシールドを叩き割る。そのうち一枚が、光の束となって収束していった。
「S・トリガー発動《プライマル・スクリーム》! 山札の上四枚を墓地へ送り、墓地から《魔光蟲ヴィルジニア卿》を回収ゥ!」
シーザーの墓地に視線を送る黒村。次のターン、シーザーが何をする気なのかは分かる。だが、それを止める術は黒村にはない。
なら、今はできることをするだけだ。
「……《斬斬人形コダマンマ》でダイレクトアタック」
「《ブラッディ・シャドウ》でブロックッ!」
とどめの一撃は当然のようにブロックされ、《コダマンマ》と《ブラッディ・シャドウ》は共に破壊される。
「さァ私のターンだッ! 流石『傀儡劇団』、よくぞこの私をここまで追い詰めた、その功績は称えよう。だがァ! それもここまでだァ! 《ヴィルジニア卿》を召喚ッ! 墓地の《グレイテスト・シーザー》を回収し、そのまま進化ァ!」
序盤から《エマージェンシー・タイフーン》を連打して墓地にカードを送り込んでいたシーザーの墓地には、早くも切り札が眠っていた。《ヴィルジニア卿》がその眠りを覚まし、《ブラッディ・シャドウ》と共に進化する。
「暗黒の海原を統べる大皇帝、そして我が名を冠する絶対龍! 現れろ! 《暗黒皇グレイテスト・シーザー》!」
シーザーの切り札にして彼の力そのものとも言える暗黒騎士の暗黒龍。この早い順目で、出て来てしまった。
だがこれだけでは打点が足りない。なので彼は、墓地からこの状況をひっくり返す呪文を詠唱する。
「《グレイテスト・シーザー》で攻撃ィ! その時、能力発動ゥ! 墓地から呪文ッ! 《憎悪と怒りの獄門》!」
憎悪と怒りの獄門(エターナル・ゲート) 闇/火文明 (6)
呪文
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
相手のシールドが自分より多ければ、この呪文を唱えることができる。
自分のシールドと同じ数のシールドを、相手は自身のシールドゾーンから選ぶ。相手は残りのシールドを手札に加える。
煉獄へと繋がる門扉が開かれる。その瞬間、黒村のシールドはすべて、獄門から伸びる数多の鎖に貫かれてしまった。
《憎悪と怒りの獄門》、その能力を端的に言うのであれば、相手のシールドを自分と同じ枚数にする呪文だ。
自分よりも相手のシールドが多いときにしか使えないので、自分のシールドが少なければ少ないほど、そして相手のシールドが多ければ多いほど、その効力は増す。そして今、シーザーのシールドはゼロ。
なので黒村は、一瞬で四枚のシールドがなくなってしまったのだ。
「ハーハッハハァ! 悪いがこのまま決めさせてもらうぞォ! 《グレイテスト・シーザー》で、ダイレクトアタックだァ!」
シールドを失った黒村に、《グレイテスト・シーザー》が襲い掛かる——はずだった。
「……S・トリガー発動《阿弥陀ハンド》。《グレイテスト・シーザー》を破壊」
阿弥陀ハンド 闇文明 (3)
呪文
S・トリガー
自分のシールドをひとつ墓地に置く。
相手のクリーチャーを1体破壊する。
忘れてはならないのが、《憎悪と怒りの獄門》は名前こそ禍々しいものの、シールド焼却と言うわけではない。手札に加えられたシールドにS・トリガーがあれば、それは使用することができるのだ。
シールドから飛び出した《阿弥陀ハンド》は襲い掛かってくる《グレイテスト・シーザー》の頭を掴み、握り潰す。
《グレイテスト・シーザー》の攻撃は、通らなかった。
「な……ッ!?」
「惜しかったな。だが、これで終わりだ」
はっきり言って黒村がここで助かったのは、運が良かったからだ。だが、運が良かろうが悪かろうが、それは勝利に到達するまでの道程でしかない。
「俺のターン。《パワフル・ビーム》を発動し、《ブラッディ・シャドウ》を破壊」
残った最後のブロッカーを破壊し、これでシーザーの場のクリーチャーはいなくなる。シールドもゼロ。
死の操り人形が、シーザーに襲い掛かる。
「《死神術士デスマーチ》で、ダイレクトアタックだ」
「呪文《爆進イントゥ・ザ・ワイルド》で3マナ加速! さらに《熱湯グレンニャー》を召喚して一枚ドロー!」
九頭龍と龍泉のデュエルは、互いに大量のマナを加速させている。
どちらもシールドは五枚あり、九頭龍の場には《コッコ・ルピア》と《エコ・アイニー》。序盤から《メンデルスゾーン》も合わせて、いつも以上にマナを加速させている。
対する龍泉の場には、今召喚した《熱湯グレンニャー》と《腐敗無頼トリプルマウス》、そしてクロスギアの《インビンジブル・スーツ》。
「僕のターン。ドローして……こいつか。なら、今引いた《仰天無双 鬼セブン「勝」》を召喚するよ」
仰天無双 鬼セブン「勝」 火文明 (6)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 6000
自分の手札に加える、コスト7以上のクリーチャーであるシールドカードはすべて、「S・トリガー」を得る。
このクリーチャーが攻撃する時、自分のシールドをひとつ相手に選ばせてもよい。そのシールドを自分の手札に加える。
W・ブレイカー
九頭龍はマナブーストのために手札をかなり消費しており、そこに《トリプルマウス》のハンデスも加わって、手札がない状態だ。マナは十分なので、そのまま引いた《鬼セブン「勝」》を召喚してターンを終える。
「俺のターン……ギャハハハ!」
龍泉のターンが回ってきた直後、龍泉は急に高笑いを上げた。九頭龍は、なんとなく次に彼が起こす行動が読めた気がする。
「最高のドローだ……まずは《インビンジブル・スーツ》を《グレンニャー》にクロス! そして《緑銅の鎧》を召喚! 山札から《バイオレンス・サンダー》をマナゾーンへ!」
「来たかぁ……ってことは」
龍泉は最後の手札を使い、切り札を呼び出す。
「呪文《母なる星域》! 《緑銅の鎧》をマナゾーンへ送り、マナゾーンから進化クリーチャーをバトルゾーンに! 《グレンニャー》進化! 《極仙龍バイオレンス・サンダー》!」
《母なる星域》の力を借り、《グレンニャー》は《バイオレンス・サンダー》へと進化する。そして、
「今度こそ極仙の雷で消し飛ばしてやるよ! 《バイオレンス・サンダー》でTブレイク!」
《バイオレンス・サンダー》の雷光が九頭龍のシールドを三枚吹き飛ばす。同時に、稲妻がクリーチャーたちにも襲い掛かった。
「相手プレイヤーへの《バイオレンス・サンダー》の攻撃がブロックされなかったので、能力発動! お魔のパワー6000以下の雑魚はすべて破壊だ!」
《コッコ・ルピア》や《エコ・アイニー》は勿論、召喚したばかりの《鬼セブン「勝」》までもが破壊されてしまった。
「さらに三枚ドロー。お前に手札はねえから、ハンデスはできねえか……まあいい、ターン終了だ」
先んじて大型クリーチャーを呼び出されてしまった九頭龍。クリーチャーも一掃され、相手は追撃の準備まで整えている。
だが、まったく問題はなかった。
「戦う前にも言ったけど、僕も一応【ラボ】の研究員だからね。一度戦った相手に負けるなんてことはありえない」
言いながらカードを引き、九頭龍はマナゾーンのドラゴン三体を重ねる。
「《ベートーベン》《ビバ・ラ・レボリューション》《ヴァルトシュタイン》の三体を重ね——マナ進化GV! 《超天星バルガライゾウ》!」
「っ、《バルガライゾウ》だと…!」
大型ドラゴンの登場に戦慄する龍泉。九頭龍がそうであるように、彼も九頭龍と戦っているため、彼のデッキがどういうものかは理解している。だからこそ、次に起こるであろう事態を想像し、戦くのだ。
「僕のデッキはとにかく大きいドラゴンを積んでるからね、普通にそいつらを連打するだけで、普通に勝てちゃうのさ。というわけで《バルガライゾウ》で《バイオレンス・サンダー》に攻撃、メテオバーン発動!」
《バルガライゾウ》の咆哮で九頭龍の山札の上から三枚が捲られる。そしてその三枚は、
「三枚ともドラゴンだね。《偽りの王 フォルテッシモ》《偽りの王 カンタービレ》《偽りの王 ルードヴィヒ》」
偽りの王 フォルテッシモ 闇/火文明 (8)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 8000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
バトルゾーンにある自分のドラゴンはすべて、「スピードアタッカー」と「スレイヤー」を得る。
W・ブレイカー
偽りの王 ルードヴィヒ ≡V≡ 火文明 (14)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン 12000
このクリーチャーを召喚する時、自分のマナゾーンにあるドラゴンを好きな数選び、そのマナの数字を1のかわりに2にしてもよい。
スピードアタッカー
このクリーチャーが攻撃する時、相手のパワー7000以下のクリーチャーを1体破壊する。
T・ブレイカー
まず《バルガライゾウ》が《バイオレンス・サンダー》を破壊し、墓地に叩き込んだ。
次に揃って現れた三体のキング・コマンド・ドラゴンが、それぞれ出撃する。
「《ルードヴィヒ》で攻撃! その時パワー7000以下の《トリプルマウス》を破壊して、Tブレイク!」
龍泉のシールドが一瞬で三枚消し飛んだ。《バイオレンス・サンダー》同様にTブレイクだが、破壊できるのは7000以下を一体だけ。手札補充もハンデスもできない。
しかし代わりに、後から次々とドラゴンが襲い掛かってくる。
「《カンタービレ》でWブレイク!」
「ぐ……!」
S・トリガーも出ず、たった1ターンで龍泉のシールドはなくなってしまう。そしてクリーチャーもシールドもゼロとなった龍泉に、偽りの力を得たキング・コマンド・ドラゴンが襲い掛かる。
「《偽りの王 フォルテッシモ》で、ダイレクトアタック」