二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.546 )
- 日時: 2014/03/22 14:26
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
破獄のマントラ ゾロ・ア・スター 光/闇文明 (9)
進化クリーチャー:オラクリオン/オラクル 12000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化—自分のオラクル1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、各プレイヤーはバトルゾーンにある自身の、ゴッド、オラクリオン、オラクル以外のクリーチャーをすべて、好きな順序で山札の一番下に置く。
T・ブレイカー
現れたのは《ゾロスター》らしきになにか。
なにか、などと曖昧な表現なのは、それは信者のような人でもゴッドのような神でもない存在だからだ。クリーチャーということは分かるが、とにかく恐ろしいなにかとしか言いようがない。
それでも強いて言うのであれば、偽りの神。最もオラクリオンらしいオラクリオンかもしれない。
「《ゾロ・ア・スター》……」
目の前にそびえ立つクリーチャーを見上げ、ふと呟く流。デュエル前にゾロスターの言っていたことが、ここで理解できた。あのゾロスターは、ゾロスターの姿でありながらも本来の姿は《ゾロ・ア・スター》だったのだ。
そして現れた《ゾロ・ア・スター》は、その恐ろしい力を発動させる。
『《ゾロ・ア・スター》の能力発動! バトルゾーンのゴッド、オラクル、オラクリオン以外のクリーチャーをすべて山札の底へ!』
「っ!」
ゴッドでもオラクルでもオラクリオンでもない流のクリーチャーたちが、《ゾロ・ア・スター》の力ですべて山札の一番下へと沈められる。《プロメテウス》などのアタッカーは勿論、《キング・ケーレ》《アクア・スーパーエメラル》のブロッカーまでもが消え去ってしまった。
一方ゾロスター——否、《ゾロ・ア・スター》の場にいるクリーチャーはすべてオラクルかオラクリオン。ゆえに《ゾロ・ア・スター》の能力の影響を受けず、場に残る。
なので結果だけを見れば、流のクリーチャーが一掃されたことになる。
『消えろ! 《オルタナティブ》でWブレイク!』
《オルタナティブ》の咆哮が、今度は流の残りシールドを吹き飛ばす。
「まずい……!」
ブロッカーがいなくなり、これでは《ゾロ・ア・スター》の攻撃を防ぎ切れない。《オルタナティブ》の攻撃が、流の一枚目のシールドを粉砕する。
それは《アクア・スーパーエメラル》で仕込んだS・トリガー《深海の伝道師 アトランティス》だ。バトルゾーンのクリーチャーをほとんどバウンスできる大型S・トリガーだが、
「ここでこいつが出ても無意味か……」
《アトランティス》ではどうしたってお互い場にクリーチャーが一体残る。しかも残されるクリーチャーは相手が選ぶため、ここで出したところで攻撃を防ぎ切れるわけではない。
「だが、出さないよりはマシか……S・トリガー! 《深海の伝道師 アトランティス》を召喚!互いにクリーチャーを一体残し、それ以外をすべて手札に戻す!」
『小癪な……《ゾロ・ア・スター》を残すぞ』
《ゾロ・ア・スター》が残したのは、案の定自分自身だった。流は《アトランティス》しか場にいないのでそのまま。
『私のクリーチャーを一気に除去したのは褒めてやる。だが、シールドブレイクは止まらんぞ! 最後のシールドをブレイク、そして私でとどめだ!』
クリーチャーが場を離れても、シールドブレイクは続行される。《オルタナティブ》の攻撃は終了せず、流の最後のシールドを打ち破った。
そしてシールドがなくなった流に《ゾロ・ア・スター》が迫り、とどめの一撃を放とうとするが——
「S・トリガー! 《終末の時計 ザ・クロック》!」
——その前に、ターンが終了した。
『なに……!? なにが起こった!?』
「お前のターンが終了しただけだ。そして俺のターン」
最後の最後で《クロック》がトリガーし、九死に一生を得た流。だがそれでも、凌げたのは1ターンだけ。手札がない今、このドローにすべてがかかっている。
「……《サイバー・G・ホーガン》!」
引いたカードは《サイバー・G・ホーガン》。流は迷わず召喚する。
激流連鎖で山札の上二枚が捲られる。捲れた二枚は、どちらも《ホーガン》よりコストの低いクリーチャーだ。
そして、この状況を打開するきっかけとなるクリーチャーでもある。
「《霞み妖精ジャスミン》《蒼狼の始祖アマテラス》をバトルゾーンに! 《アマテラス》の能力で、山札からコスト4以下の呪文をタダで唱える!」
ふとマナゾーンに目を落とす流。唱える呪文は決まっている。
「呪文《母なる星域》! 《ジャスミン》をマナゾーンへ!」
「流、我を呼べ」
マナゾーンから低い声が聞こえる。今まさに、《母なる星域》の中にいる、流の相棒。
「言われるまでもない。《アトランティス》《アマテラス》《クロック》の三体を進化MV!」
《ジャスミン》を糧に、三体のクリーチャーを種とし、《母なる星域》を通じて、一体の神話が姿を現す。
「《海洋神話 オーシャンズ・ネプトゥーヌス》!」
《アトランティス》《アマテラス》《クロック》の三体のクリーチャーを飲み込んだ竜巻のような渦から、三叉の槍を携えた魚人の如きクリーチャーを顕現する。
《ネプトゥーヌス》はバトルゾーンに降り立つと《ゾロ・ア・スター》を見遣り、低い声で流に呼びかけた。
『よくぞ我を呼び出した、流よ。あのおぞましき存在は、我が排除する』
「ああ、任せた。だが、まずはCD6で三枚ドロー」
いつもなら相手のシールドを三枚に減らしておき、もう一体アタッカーも用意しておくのだが、今回ばかりはこのターンでは決めきれない。次のターンに備えるためにも、手札は補充しておきたい。
「さらにCD9で、お前の手札とシールドを見せてもらうぞ」
続けて《ゾロ・ア・スター》の手札、シールドをピーピング。手札の《ターメリック》をシールドに埋め、代わりにシールドにあった《交錯のインガ キルト》を手札に送りつける。勿論、S・トリガーは発動しない。
「最後にCD12だ」
『貴様のクリーチャーをすべて、我が大波で消し去ってくれる!』
《ネプトゥーヌス》が三叉槍を振るうと、その直後に大波が押し寄せ、《ゾロ・ア・スター》を山札へと押し流してしまった。
「安心しろ、俺はお前ほど鬼畜なつもりはない。山札下ではなく、上に戻してやる」
『ぐ、貴様ぁ……!』
しかし、下に戻されようが上に戻されようが、除去されたことには変わりない。これで《ゾロ・ア・スター》の場にはなにもなくなる。
「《ネプトゥーヌス》でTブレイク!」
さらに《ネプトゥーヌス》の槍が《ゾロ・ア・スター》のシールドを三枚突き破った。これでシールド残り二枚。
『私のターン! 《ヴォスラディッシュ》を召喚し、《ゾロスター》《コットン》《ターメリック》を手札に! 《コットン》と《ターメリック》をそのまま召喚!』
ブロッカーを並べるゾロ・ア・スター。恐らく次のターンにまた《ゾロ・ア・スター》を呼び出し、流の場を一掃するつもりなのだろう。
だが、無駄だ。
「《キング・ケーレ》《アクア・サーファー》を召喚! 《コットン》と《ターメリック》をバウンス! 《サイバー・G・ホーガン》でWブレイク!」
『ぐあぁ!』
ブロッカーを除去したところで、《ホーガン》のWブレイクが炸裂する。事前に《ネプトゥーヌス》が潰しているため、S・トリガーはない。
そして、ブロッカーもシールドもなくなったゾロ・ア・スターに、海神の神話が三叉の槍を向ける。
「《ネプトゥーヌス》で、ダイレクトアタック!」