二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.557 )
- 日時: 2014/04/13 19:55
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)
九頭龍とクトゥルーのデュエル。
九頭龍の場には《エコ・アイニー》が一体。シールドは五枚。
クトゥルーの場には《エンペラー・セブ・マルコ X》が一体。こちらもシールドは五枚。
「僕のターン。《真実の名 ビバ・ラ・レヴォリューション》を召喚」
真実の名(トゥルーネーム)ビバ・ラ・レヴォリューション 闇文明 (7)
クリーチャー:ドラゴン・ゾンビ/アンノウン 7000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、またはこのクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、自分が負けるか中止するまで、相手とガチンコ・ジャッジする。その後、こうして自分がガチンコ・ジャッジに勝った数、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーは−4000される。
W・ブレイカー
負けるか中止までガチンコ・ジャッジを行い、その回数分相手クリーチャーのパワーを下げるドラゴン《ビバ・ラ・レヴォリューション》、クリーチャーの平均コストが高い九頭龍のデッキなら、高確率で勝利することができるだろう。
「というわけで、ガチンコ・ジャッジね」
「…………」
ガチンコ・ジャッジ一戦目。九頭龍はコスト6《黒神龍オドル・ニードル》、クトゥルーはコスト2《霞み妖精ジャスミン》。
二戦目。九頭龍はコスト11《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》、クトゥルーはコスト4《早撃人形マグナム》。
三戦目まで持ち込む必要はないため、ここで九頭龍はガチンコ・ジャッジを中止。そして、ガチンコ・ジャッジに二連勝したため、クトゥルーの《セブ・マルコ X》のパワーが8000下げられ、破壊される。これで打点高めのアタッカーを早い段階で潰せたが、
「……《光器パーフェクト・マドンナ》を召喚」
「うわっ、ここで光文明……? 《ビバ・ラ・レヴォリューション》残しとけばよかったなぁ……」
返しのターンに《パーフェクト・マドンナ》を呼び出され、失敗した、と言うような表情を見せる。
「んー、まあ仕方ないか。僕のターン《戦場のピアニスト VAN・ビート》を召喚!」
戦場のピアニスト VAN(ヴァン)・ビート 闇/火/自然文明 (9)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/ピアニスト 12000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の山札の上からキング・コマンド・ドラゴンが出るまで、カードをすべてのプレイヤーに見せる。そのカードを自分の手札に加える。その後、山札をシャッフルする。
このクリーチャーが破壊された時、ドラゴンを1体、自分のマナゾーンまたは手札からバトルゾーンに出してもよい。
T・ブレイカー
「とりあえず《VAN・ビート》の能力で、山札を捲るよ」
上から順にカードを捲っていく九頭龍。捲れたのは、《超天星バルガライゾウ》《コッコ・ルピア》《メッサダンジリ・ドラゴン》《「戦慄」の頂 ベートーベン》——
「よし。キング・コマンド・ドラゴンの《ベートーベン》を手札に加えるよ。攻撃は……意味ないし、このままターン終了」
手札に切り札を引き入れ、攻撃の姿勢をちらつかせる九頭龍。しかし、クトゥルーの挙動は変わらない。
相手の手を、先に潰すだけだ。
「呪文《獰猛なる大地》。マナゾーンより《未知なる弾丸 リュウセイ》をバトルゾーンに」
「げ……出たよ……」
ターボゼニスを初めとする、マナを超加速して大型クリーチャーを連打するようなデッキの天敵、マナをごっそり奪い尽くすクリーチャー《未知なる 弾丸 リュウセイ》。10マナ溜まるまであと一歩というところで、妨害されてしまった。
「相手のマナゾーンから《王龍ショパン》をバトルゾーンに。そして互いの場から《パーフェクト・マドンナ》《VAN・ビート》をそれぞれマナゾーンへ」
しかし《パーフェクト・マドンナ》は、パワーがゼロ以下にならない限り場を離れることはない。
結果、九頭龍はマナをごっそりと削られ、アタッカーも一体潰されてしまったことになる。
「参ったな……見ててなんとなく思ったけど、凄い戦いにくい……」
こちらの行動に対して先回りし、潰されてしまう。これがクトゥルーのスタイルなのだろうか。
「……お? ここでこれかぁ……なら、なんとかなりそうかな」
一瞬で次の行動を封じられた九頭龍だが、引いてきたカードを見るや否や、弱ったような表情が消える。
「まずは呪文《戦慄のプレリュード》!」
これで次に召喚する無色クリーチャーの召喚コストが5下がる。さらに、
「呪文《戦慄のプレリュード》!」
「…………」
無色クリーチャーのコストを軽減する《戦慄のプレリュード》を二連打する九頭龍。これで、次の召喚する無色クリーチャーのコストが10下がる。だが、九頭龍のマナはゼロ。
しかし、無色クリーチャーならゼロマナでも召喚することは可能だ。《戦慄のプレリュード》によって、10コストまでのゼロ文明クリーチャーが召喚できる。そして10コストの無色クリーチャーと言えば、
「刃向かう者を戦慄させ、頂に君臨せよ ——《「戦慄」の頂 ベートーベン》!」
ゼニスだ。
二連打した《戦慄のプレリュード》から、合計6マナで召喚された《ベートーベン》。《リュウセイ》でマナを破壊されたが、《戦慄のプレリュード》のお陰でギリギリ召喚可能圏内となった。
「《ベートーベン》の召喚時の能力で、墓地の《プレリュード》と《ヴィオラ・ソナタ》《運命》を回収するよ。そして3マナ追加してから、さらに《ベートーベン》をタップ。ターン終了だ」
潰されたマナも回復しつつ、手札と場を整える九頭龍。こちらもクトゥルーに負けていない。
だが、
「……呪文《ロスト・ソウル》。手札をすべて墓地へ」
「っ、今度はそう来るのか……!」
次に備えるための手札を補充したが、すぐに消し飛ばされた。クトゥルーのプレイングの上を行ったかと思われた九頭龍だが、そんな簡単に上回ることもないようだった。
「うーん、面倒くさいなぁ……でも、まあ、マナは溜まってるし、とりあえずこのまま攻めようかな」
これ以上のマナ加速は必要ないと考え、《メンデルスゾーン》をマナに落とし、九頭龍は場のクリーチャーに手をかける。
「《ベートーベン》で攻撃だ!」
「《パーフェクト・マドンナ》でブロック」
「だったら《ビバ・ラ・レヴォリューション》でWブレイク!」
あまりクトゥルーに手札を与えたくないが、《パーフェクト・マドンナ》がいる以上、少しずつでも攻撃しなければ削り切れなくなる。
しかし、シールドをブレイクする際のリスクが、ここで現れてしまう。
「……S・トリガー発動《インフェルノ・サイン》。墓地より《次元流の豪力》をバトルゾーンへ。さらに《次元流の豪力》の能力で超次元ゾーンより《舞姫の覚醒者ユリア・マティーナ》をバトルゾーンへ」
S・トリガーを踏み、そのままクリーチャーを一気に二体展開されてしまった。これでまた、攻め難くなってしまう。
さらに、クトゥルーは妨害をやめない。
「呪文《超次元リバイヴ・ホール》。《西武人形ザビ・バレル》を手札に戻し、超次元ゾーンより《時空の凶兵ブラック・ガンヴィート》をバトルゾーンへ。《ブラック・ガンヴィート》の能力でタップ状態の《ベートーベン》を破壊」
「破壊されたか……でも、エターナル・Ωで《ベートーベン》は手札に戻る——」
「《西武人形ザビ・バレル》を召喚。手札を一枚墓地へ」
《ベートーベン》は手札に戻ったが、すぐさま叩き落とされてしまった。
「まずいな……」
九頭龍のターン。山札からカードをドローする九頭龍は、《ブラック・ガンヴィート》を見遣る。
「手札がゼロの状態で《ブラック・ガンヴィート》……流石にここで覚醒されたらきついし、この手札は使えないか……ターン終了」
攻撃しても無意味、手札を使うこともできない。
少しずつ追い詰められてきた九頭龍は、何もせずにターンを終了する。
そしてこのなにもできない時間は、クトゥルーが九頭龍を滅するための準備期間となる。
「《魔光王機デ・バウラ伯》を召喚。墓地の《獰猛なる大地》を手札に。さらに呪文《クリスタル・メモリー》」
また妨害されそうな匂いを感じながら、九頭龍のターンが回ってくる。
「《ブラック・ガンヴィート》がいるせいで、手札は使いきれないんだよな……」
非常に不自由だ。マナは多いので使うカードには困らないが、手札を切らさないようにしなければならなので、選択肢が狭まる。
(なんか気持ち悪い感じだ……全身を触手で縛られてるみたい。僕にそんな趣味はないのにねぇ……)
軽口が口に出ないが、思考の中で軽口を叩ける程度の余裕はまだあるようだ。
気持ち一つで戦況が変わるわけではないが、しかしこのままメンタルでやられてしまっては、勝てるデュエルも勝てなくなる。自分がどういう人物であるかを見失わないことも、この世界では重要なことだ。
だからこそ、九頭龍はふとクトゥルーに問いかける。
「……あなたは、なんで【師団】なんて組織にいるのかな?」