二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.560 )
日時: 2014/03/30 07:04
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)

 ラトリとバラモンのデュエル。まだお互いシールドは五枚あり、大きな動きは見せていない。
「……いや、そんなことよりも。なんで二人ともいるの?」
「さぁ……なんででしょうね……?」
「わ、わたしたちには、なんとも……」
 この対戦はラトリとバラモンの二人によって行われるものなのだが、ラトリの後ろにはささみ、うさみの双子の姿があった。
「アテナが気を利かせてくれたのかな……まあなんでもいいや」
 とにかく今は、目の前の敵を倒すことに専念する。
 ラトリの場にクリーチャーはおらず、バラモンの場には《血塗られた信徒 チリ》《闇噛のファミリア ミョウガ》がいる。
「場数では負けてるし、そろそろ行ってみようか。まずは《学友情 ロビー・R》を召喚!」
 現れたのは《ロビー》の新たなる姿。《ロビンフッド》の力までもが凝縮されたエグザイル《ロビー・R》だ。
「ならばこちらは《マントラのイザナイ カリーナ》を召喚。これで次のターンから、光臨でオラクルを並べていくぞ」
「そう上手くいくかな? 私のターン《愛友情 ニケ・M》を召喚!」
 続けて召喚されたのは、《ニケ》の新たなる姿。こちらも《ミケランジェロ》の力をも内包したエグザイル・クリーチャーだ。
「《ニケ・M》がバトルゾーンにいれば、私の《友情》と名のつくエグザイルはブロッカーになるよ。さあ、どうする?」
 これで《ロビー・R》と《ニケ・M》はブロッカー。《カリーナ》が攻撃してきたところで、返り討ちにするだけだ。
「ふん、私も舐められたものだな。その程度の小細工で止められるとでも思ったか? 私のターン《転々のサトリ ラシャ》を召喚。その能力で無色以外のクリーチャーをすべてタップだ」
 バラモンのクリーチャーも、ラトリのクリーチャーも、すべてタップ状態となった。つまり、
「ターン終了時《カリーナ》の光臨発動! 山札からコスト6以下のオラクルをバトルゾーンに! 出でよ《封滅のマントラ ストロガノフ》!」


封滅のマントラ ストロガノフ 水/闇文明 (6)
クリーチャー:オラクル/グランド・デビル/ドラゴン・ゾンビ 6000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
バトルゾーンにある自分のオラクルはすべて「スレイヤー」を得る。
自分のオラクルが破壊される時、墓地に置くかわりに自分の手札に戻す。
W・ブレイカー


「まずいわね。これじゃあ《カリーナ》を破壊しても、手札に戻される」
「そ、それだけじゃないよ……殴り返したら、スレイヤーでこっちもやられちゃう……ラトリさん……」
「大丈夫だよ。たぶん」
 いまいち頼りないラトリだったが、まだ絶望的と言えるような状況でもない。巻き返しは十分可能な範囲だ。
「とりあえず……《猛友情 五朗丸・G》を召喚!」
 さらに召喚されるのは、《五朗丸》の新たな姿。《グローバル》の力も取り込んだエグザイルだ。
「そして……とにかく《カリーナ》が邪魔だから、ごめんねささちゃん。《ロビー・R》で《カリーナ》を攻撃!」
「だが《ストロガノフ》の能力で、私のオラクルはすべてスレイヤーだ。貴様の《ロビー・R》も破壊されるぞ」
 バラモンの言う通り、《ストロガノフ》の能力で《カリーナ》はスレイヤーが付加されている。なので殴り返した《ロビー・R》もそのまま破壊されてしまった。
「手札がないからドロン・ゴーはできない……ターンエンド」
 序盤に《ミョウガ》で呪文を落とされたのが、少々きつかったか。たった一枚の差だが、その小さな差は後々響いてくる。
「手札がなくて困っているようだな。ならばこちらだけ手札補充をさせてもらうぞ。《提督のマントラ ヴォスラディッシュ》を召喚」
 山札の上から三枚を捲り、その中のオラクルを手札に加えるクリーチャー。バラモンも手札が切れているが、自分だけ手札補充しようとしている。
 捲れた三枚は《マントラのイザナイ カリーナ》《信心深き コットン》《慈愛のマントラ フリル》。すべてオラクルなので、三枚とも手札に入る。
「嫌味だなぁ……私のターン」
 とにかくラトリとしては、ある程度の手札が欲しい。手札がなくては、ドロン・ゴーもできないのだから。
「よし来た。呪文《フェアリー・シャワー》! 山札の上から二枚を見て、一枚をマナに、一枚を手札に加えるよ!」
 捲った二枚は《霞み妖精ジャスミン》と《ヒラメキ・プログラム》。《ジャスミン》をマナに落とし、《ヒラメキ・プログラム》を手札に加えた。
「そしてそのまま唱えるよ。呪文《ヒラメキ・プログラム》! 《五朗丸・G》を破壊!」
「《五朗丸・G》のコストは6だから、場に出るのはコスト7のクリーチャー……」
「ということは……ラトリさんっ」
 三人の表情が明るくなる。そして、山札から閃きの光が迸った。
「うん。さあ出て来て! 《友情集結 R・M・G》!」
 現れたのは《ロビンフッド》ならぬ《ロビン・チャンプ》、《ミケランジェロ》ならぬ《ミケラ・ジェンヌ》、《グローバル》ならぬ《グローバ・ライズ》の三体が、三位一体となったエグザイル・クリーチャー《友情集結 R・M・G》だった。
「《R・M・G》の能力発動! このクリーチャーが場に出た時、自分の場にいるエグザイルの数だけドローするよ」
 ラトリの場にいるのは《ニケ・M》と《R・M・G》の二体。つまり二枚ドローできる。
「ターンエンド」
 枯渇していた手札を補充し、ラトリのターンは終了。
「それだけか。なにか仕掛けて来ると思ったが、大したことはなかったな」
 確かにラトリがやったことと言えば、マナの追加と手札補充のみ。《R・M・G》を出したと言っても、代わりに《五朗丸・G》を失っている。実際は、そこまで有利になったわけではないのだ。
「《カリーナ》と《コットン》、そして《ラシャ》を召喚。ターン終了だ」
 だが《ラシャ》の能力で、バトルゾーンの無色以外のクリーチャーはすべてタップ状態となっているので、
「まずは《コットン》をアンタップ。そして《カリーナ》の光臨発動。山札より出でよ《ヴォスラディッシュ》」
 またしても現れた《ヴォスラディッシュ》。捲られた三枚は《転々のサトリ ラシャ》《マントラのイザナイ カリーナ》《血塗られた信徒 チリ》。またしても三枚ともオラクルだった。
「デッキ内のほとんどをオラクルにしてるね……しかも《ラシャ》と《カリーナ》がまた手札に入った……」
 これで次のターンに《カリーナ》《ラシャ》と召喚されれば、次々とオラクルが出て来てしまう。現状でも数で押され気味なのだ。早めになんとかしなくてはならない。
「とりあえず、今いる《カリーナ》だけでも除去しておこうかな……呪文《魂と記憶の盾》! 《カリーナ》をシールドに送るよ!」
 まずは《カリーナ》を一体シールドに埋める。とりあえずこれで二体の《カリーナ》で光臨、という事態は避けられた。
「さらに呪文《再誕の社》! 墓地の《五朗丸・G》と《ヒラメキ・プログラム》をマナゾーンへ! そして残ったマナで《学友情 ロビー・R》を召喚!」
 とりあえずラトリができるのはここまで。これでターンを終了する。
「やはりその程度か。では、そろそろ終わらせてやろう」
 バラモンは言うと同時に、携えている錫杖と諸手を上げた。
「我が身よ、ここに現れろ!」
 そして、神すらも超えた神官が、誕生する。

「《マントラ教皇 バラモン》召喚!」