二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.565 )
- 日時: 2014/04/01 03:09
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
姫乃とニャルラトホテプのデュエル。
現在は先攻、姫乃の5ターン目。まだ互いにシールド五枚、クリーチャーもいない。
「わたしのターン《ハッチャキ》を召喚!」
「《ハッチャキ》か。だったらこれだ。《自爆やギル・メイワク》を召喚して即破壊!」
《ギル・メイワク》は《霞み妖精ジャスミン》《特攻人形ジェニー》らと同じく、召喚時に自壊することで能力が発動するクリーチャー。《ジャスミン》はマナ加速で《ジェニー》はハンデスだが、《ギル・メイワク》の場合は火力。つまり、パワー2000以下のクリーチャーを破壊する。
「《ハッチャキ》を破壊!」
「あぅ、《ハッチャキ》が……」
《ギル・メイワク》が《ハッチャキ》に引っ付き、そのまま自爆。《ハッチャキ》諸共墓地へと落ちて行った。
《ハッチャキ》が出た瞬間に破壊され、姫乃の計画が狂ってしまう。
「うぅ……だったら《王機聖者ミル・アーマ》を召喚!」
次に召喚するのは《ミル・アーマ》。これで呪文を唱えるコストが1下がる。
(次のターンに《ヘブンズ・ゲート》を撃って、大きなブロッカーを出せれば……)
ブロッカーが並び始めれば、あとは姫乃のペースだ。しかし、
「呪文《拷問ロスト・マインド》!」
相手の手札を見て、その中の呪文をすべて捨てさせる呪文《拷問ロスト・マインド》。姫乃の手札は強制公開され、その中の《ヘブンズ・ゲート》が叩き落とされた。
「そんな……!」
「残念だけど、君の戦術はお見通しだ。ターン終了」
姫乃のデッキは妨害に弱いため、こう続け様に手を潰されると、今後が厳しくなってきてしまう。
「わたしのターン……呪文《コアクアンのおつかい》!」
引いてきた呪文をそのまま唱える姫乃。これで、なにか有効なカードが引ければと思い、山札を捲る。
捲られたのは《転々のサトリ ラシャ》《天国の女帝 テレジア》《光器のイザナイ ロイヤルティー》。三枚とも光のカードだ。
「これで次のターンに立て直せれば……ターン終了」
「立て直させると思う? 僕のターンだ。《奪い去る者ザビ・フライ》《死海秘宝ザビ・デモナ》を召喚。《ザビ・デモナ》の能力で《ザビ・フライ》を破壊」
《ザビ・デモナ》の能力で、自信のクリーチャーを生贄に、超次元の門が開かれた。
「開け、超次元の門! 《炎上なる者ディス・リゲル》をバトルゾーンへ!」
炎上なる者ディス・リゲル 闇/火文明 (4)
サイキック・クリーチャー:リビング・デッド/エイリアン 3000+
覚醒リンク—自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の《大昇進!座美の花》があれば、そのクリーチャーとこのクリーチャーを裏返しリンクさせる。
攻撃中、このクリーチャーのパワーは、自分の墓地にあるエイリアン1体につき+1000される。
「さらに《ザビ・フライ》が破壊されたので、相手の手札を一枚墓地へ!」
「っ、《ロイヤルティー》が……」
姫乃の手札から、今度は《ロイヤルティー》が落とされる。手札を経由せずにクリーチャーを並べるつもりだったのだが、一瞬で瓦解してしまった。
「わたしのデッキじゃ墓地回収はほとんどできないし、どうしよう……」
夕陽たちの中では汐と並ぶほどに強い姫乃なのだが、意外にもその勝ち筋は、盤面を大型ブロッカーで埋め尽くし、相手を叩き潰すというスタイルだ。デッキ構築の関係上、ドローや踏み倒し、タップキルなどは得意なのだが、マナや墓地からの回収など、あまり器用なプレイングはできない。特に除去などの妨害は苦手分野である。
彼女が妨害に弱いのも、その辺りが原因だ。
「《パーフェクト・マドンナ》を召喚して、ターン終了……」
手札を潰され、できることがほとんどない姫乃は、ブロッカーを出すだけでターンを終える。
「……そろそろ決めにかかろうかな。僕のターン、呪文《超次元リバイヴ・ホール》。墓地から《ザビ・フライ》を回収し、開け、超次元の門! 《大昇進!座美の花》をバトルゾーンへ!」
大昇進!座美(ザビ)の花 闇文明 (7)
サイキック・クリーチャー:リビング・デッド/エイリアン 6000
このクリーチャーが攻撃する時、エイリアンを1体、自分の墓地から手札に戻してもよい。
W・ブレイカー
「サイキック・セルが揃っちゃった……」
次のターンに除去できなければ覚醒リンクされてしまう。だが、姫乃のデッキに除去カードは少ない。
「やっぱり来ない……《知識の精霊ロードリエス》を召喚して、ターン終了……」
「なら僕のターン、行くよ」
ニャルラトホテプのターン。
この時《炎上なる者ディス・リゲル》と《大昇進!座美の花》が覚醒し——
「《炎上なる者ディス・リゲル》の覚醒リンク発動。覚醒せよ、そしてリンクせよ。最強の技はここにあり——」
——一体となる。
「——《最強国技ダイキンボシ》!」
最強国技ダイキンボシ 闇/火文明 (15)
サイキック・スーパー・クリーチャー:リビング・デッド/エイリアン 9000
エイリアンを自分の墓地から召喚してもよい。
W・ブレイカー
リンク解除
覚醒リンク前《炎上なる者ディス・リゲル》(上)《大昇進!座美の花》(下)
小結だった《座美の花》は《ディス・リゲル》の力を得て大昇進し、横綱をも倒す大金星を上げた姿。それが《最強国技ダイキンボシ》。
「まずは呪文《ボーンおどり・チャージャー》で山札の上二枚を墓地へ。さらに《ダイキンボシ》の能力で、墓地から《ジオ・ナスオ》と《西武人形ザビ・バレル》を召喚!」
《ダイキンボシ》の能力で、ニャルラトホテプは墓地からクリーチャーを展開していく。エイリアン限定とはいえ、手札がなくとも墓地のクリーチャーを召喚できる能力は強力だ。
《ジオ・ナスオ》でマナのカードを墓地に送り込み、《ザビ・バレル》で姫乃の手札を撃ち抜く。
「また手札が……」
連続で手札を破壊される姫乃。これでは、ブロッカーを並べることすらも難しくなる。
「わたしのターン……マナチャージして、ターン終了……」
手札がなく、まともに使えるカードもないため、姫乃はほとんどなにもできずにターン終了。個々のカードよりも、複数のカードを同時に扱うことの多い姫乃にとって手札破壊は天敵。それもこれだけ撃ち込まれれば、身動きが取れなくなる。
「手札がなくて困ってるね。ならそのまま、困っていてもらおうか。呪文《超次元フェアリー・ホール》でマナを追加し、開け、超次元の門。《小結 座美の花》と《大関 地男の里》をバトルゾーンに!」
小結 座美(ザビ)の花 闇文明 (2)
サイキック・クリーチャー:リビング・デッド/エイリアン 1000
相手のクリーチャーは、可能であればブロックする。
大関 地男(ジオ)の里 自然文明 (3)
サイキック・クリーチャー:ワイルド・ベジーズ/エイリアン 2000
バトルゾーンにある自分の他のエイリアンすべてのパワーは+2000される。
覚醒リンク—自分のターンのはじめに、バトルゾーンに自分の《横綱 義留の富士》と《小結 座美の花》があれば、そのクリーチャーとこのクリーチャーを裏返しリンクさせる。
「さらに《ダイキンボシ》の能力で、墓地から《封魔妖ザビ・クズトレイン》を召喚して、ターン終了だ」
またしてもサイキック・セルが並ぶ。《ダイキンボシ》だけでも大変だというのに、さらにサイキック・スーパー・クリーチャーが並ばれてはたまったものではない。
「わたしのターン。呪文《コアクアンのおつかい》!」
ここで再び、姫乃は《コアクアンのおつかい》を唱える。捲られた三枚は《ハッチャキ》《光陰のリバイバー・スパイラル》《勝利の女神ジャンヌ・ダルク》。三枚中二枚が光のカード、《リバイバー・スパイラル》以外は手札に入る。
「《ハッチャキ》は、出しても《ギル・メイワク》で破壊されちゃうし……ターン終了」
今度は手札補充だけでターンを終える。こうして姫乃がなにもできないでいる中、ニャルラトホテプは着々と準備を進めていた。
「呪文《ボーンおどり・チャージャー》、そして《ダイキンボシ》の能力で墓地から《ザビ・バレル》を召喚」
「あっ《ジャンヌ・ダルク》……!」
《ボーンおどり・チャージャー》で墓地を増やしながら、《ダイキンボシ》で墓地に落ちたクリーチャーを展開。その最中にハンデスなどの妨害を織り交ぜ、自分は次の切り札を呼び出す準備を整える。
正に、ニャルラトホテプの独壇場だ。
「続けて墓地から《自爆屋ギル・メイワク》を召喚して、即破壊。自分のエイリアンが破壊されたので《ザビ・クズトレイン》の能力で一枚ドローだ」
「っ……《ギル・メイワク》に、そんな使い方が……」
単体だと、2000火力を放つ呪文感覚、火力が不要ならアタッカーといった使い方をする《ギル・メイワク》だが、《ダイキンボシ》がいればマナの続く限り2000以下を破壊でき、さらに《ザビ・クズトレイン》がいれば破壊するクリーチャーがいなくてもドローできる。
「分かってはいたけど、空城くん相手みたいには、行かないな……」
どう見ても夕陽そのものなのだが、しかし目の前の相手はまったくの別人だ。
そのことを再度認識し、姫乃は次のカードを引く。