二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.571 )
日時: 2014/04/13 13:34
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)

 夕陽と《クロスオーバー・ヨミ》のデュエル。
 《アポカリプス・デイ》によって場を一掃され、互いのバトルゾーンにクリーチャーは一体ずつ。夕陽はS・トリガーで出た《ジャジャーン・カイザー》、《クロスオーバー・ヨミ》は自分自身。
 そしてどちらもシールドがゼロの状況だが、《クロスオーバー・ヨミ》は手札に最低でも一枚はシノビを握っているため、《クロスオーバー・ヨミ》自身も含めて二体のブロッカーがいることになる。
「つまり僕はこのターン、最低でもすぐに攻撃できるアタッカーを二体用意しなくちゃならない……」
 手札にさらにシノビがいれば、その数だけ攻撃を防がれるので、並べられるだけ並べたいところだ。
「とりあえず……《コッコ・ルピア》を召喚。さらに《ジャック・ライドウ》召喚!」
 《ジャック・ライドウ》の能力で、山札から同種族の進化クリーチャーを呼び込むことができる。ここで呼ぶのはただ一枚。
「来い《アポロン》!」
「合点承知だ!」
 山札からサーチするのは《アポロン》。しかしこれでは、進化元が揃っていてもマナが足りない。
 ならば、足りないマナは増やせばいい。いやさ、戻せばいいのだ。
「続けて《シンカゲリュウ・柳生・ドラゴン》召喚!」


シンカゲリュウ・柳生・ドラゴン 火文明 (5)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/サムライ 5000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにあるドラゴンをすべてアンタップする。
バトルゾーンにある自分の《ボルメテウス・武者・ドラゴン》または名前に《NEX》とあるドラゴンがあれば、このクリーチャー以外の、バトルゾーンにある自分のドラゴンはすべて「パワーアタッカー+4000」を得、シールドをさらに1枚ブレイクする。


 《シンカゲリュウ・柳生・ドラゴン》は、召喚時にマナゾーンのドラゴンをアンタップさせ、再度使用できるようにするドラゴンだ。《ボルバルザーク・エクス》ほど強力ではないものの、あちらよりも軽く、また夕陽がよく使用する《NEX》と組み合わせれば他のドラゴンの打点を上げることもできる。
 起き上がったマナは六枚。それだけあれば十分だ。
「そして《コッコ・ルピア》《ジャック・ライドウ》《柳生・ドラゴン》の三体を進化MV!」
 一体の火の鳥と、二体の龍が渦巻く炎に飲み込まれる。その炎の中で三つの火種は、神話の太陽へと姿を変える——

「——《太陽神話 サンライズ・アポロン》!」

 これで《ジャジャーン・カイザー》と《アポロン》、アタッカーが二体になった。
『夕陽、行くか?』
「……ああ、もう行くしかない」
 これで一応《アポロン》の能力でクリーチャーが捲れさえすれば、《クロスオーバー・ヨミ》にとどめを刺すことができる。
「《アポロン》、攻撃だ!」
『分かった! その時、俺の能力で山札の一番上を捲る!』
 爆風が吹き荒び、夕陽の山札の一番上が吹き飛ばされる。捲られたのは《爆竜トルネードシヴァXX》。
「捲られたのはドラゴン、だからそのままバトルゾーンに!」
 そしてすぐさま、《アポロン》の攻撃が放たれる。
『グウゥゥ……ガアァァァ!』
『っ、この……!』
 しかし《アポロン》が放つ熱線を、《クロスオーバー・ヨミ》は物ともしない。《クロスオーバー・ヨミ》の場には自身が一体しかいないので、バトルゾーンを離れないのだ。
「だけど、まだこっちにはアタッカーがいる! 《ジャジャーン・カイザー》で攻撃!」
『グウゥァァァ!』
 《クロスオーバー・ヨミ》の手札から巨大な物体が飛び出し《ジャジャーン・カイザー》を撥ね飛ばした。
「ニンジャ・ストライク……《ゼロカゲ》か……」
 《クロスオーバー・ヨミ》が前のターンに手に入れていた《ゼロカゲ》がニンジャ・ストライクで飛び出し、《ジャジャーン・カイザー》の攻撃をブロック。ここまでは予想の範疇だ。
 その上で、夕陽の場にはまだ《トルネードシヴァ》が残っている。
「これ以上シノビを持っててくれるなよ……《トルネードシヴァ》!」
『行け! とどめだ!』
 夕陽と《アポロン》が呼びかけると《トルネードシヴァ》は飛翔する。二本の鎖を構え、一直線に《クロスオーバー・ヨミ》へと突貫していった。
「ダイレクトアタックだ!」
 《トルネードシヴァ》の繰り出す二本の鎖が、まっすぐに《クロスオーバー・ヨミ》へと飛んでいく。その鋭利な先端が、どす黒く染まった《クロスオーバー・ヨミ》の肉体を貫く——
 
 ガィンッ!

 ——はずだった。
「っ!」
 二本の鎖は中途でなにかに阻まれ、勢いを失い落ちていく。
 同時に、なにかの部品のようなものも、崩れる音を立てながら落下していった。
「《ハヤブサマル》……!」
 《クロスオーバー・ヨミ》を守ったのは、これもニンジャ・ストライクで現れた《光牙忍ハヤブサマル》。
 最後の最後で、夕陽の一撃は止められてしまった。
「くそっ、まだもう一体握ってたのか……あと一歩だったのに……!」
 その可能性も考えていたとはいえ、あと一押しで倒せるという状況で、これは厳しい。
 夕陽の場にいるアタッカーは、すべて攻撃を終えている。なのでこれ以上、夕陽は攻撃することができない——
「——なんて、ことはなかったりするんだよな」
 刹那、夕陽の手札から爆炎と共に勝利の戦闘龍が飛び出した。

「太陽の先に勝利を刻め——《爆竜勝利 バトライオウ》!」


爆竜勝利 バトライオウ 火文明 (7)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド 8000
自分の火のドラゴンがバトルに勝った時、このクリーチャーを自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の火のクリーチャーが相手クリーチャーとバトルする時、かわりにこのクリーチャーにバトルさせてもよい。
W・ブレイカー


 《爆竜勝利 バトライオウ》。自分の火のドラゴンがバトルに勝った時、手札からコストを踏み倒してバトルゾーンに出ることができるドラゴン。
 《トルネードシヴァ》が《ハヤブサマル》にブロックされた、言い換えれば、《トルネードシヴァ》は《ハヤブサマル》とのバトルに勝利したため、その勝利に呼応するかの如く《バトライオウ》もバトルゾーンへと現れたのだ。
「《バトライオウ》をバトルゾーンへ。《バトライオウ》でダイレクトアタックだ!」
『グガアァゥゥ!』
 《バトライオウ》の攻撃は、二体目の《ゼロカゲ》がニンジャ・ストライクで飛び出しブロックする。だが《ゼロカゲ》はバトルに負けて破壊された。
「まだいたのか……まあでも、流石にもう尽きただろ。誰が見てるか分かんないし、一度に出す必要はないと思って溜めてたけど……二体目の《バトライオウ》をバトルゾーンに!」
 《バトライオウ》が《ゼロカゲ》とのバトルに勝ったため、夕陽の手札から二体目の《バトライオウ》がバトルゾーンへと飛び出した。
 四枚積んでいたとしても、残り二枚の《ゼロカゲ》はもうマナゾーンに見えている。他のシノビの可能性もあるが、《ハンゾウ》では倒し切れず、《オロチ》なら新たに出て来たクリーチャーでとどめを刺すだけ。どの道、《クロスオーバー・ヨミ》はこれ以上夕陽の攻撃を防ぐことができない。
 勝利に導かれる爆竜は、自ら勝利を得るために、偽りの神へと突撃する。

「《爆竜勝利 バトライオウ》で、ダイレクトアタック!」