二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.583 )
日時: 2014/07/09 00:33
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)

 汐とサイレンス トパーズとのデュエル。互いにシールドは五枚。
 汐の場には《一撃奪取 ブラッドレイン》。トパーズの場には《涼風の使徒ラプド》《一撃奪取 アクロアイト》。
「私のターンです。《豚乱舞 ブータン・ジャクソン》召喚」


豚(スリラー)乱舞(ダンス) ブータン・ジャクソン 闇文明 (4)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 1000
このクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーは−3000される。
ウルトラ・ドロン・ゴー:このクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、名前に《乱舞》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《乱舞》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。


「……なにこの豚」
 汐が召喚したクリーチャーに、アルテミスはじっとりとした眼差しを向ける。
「汐、あんたちょっと趣味悪いわよ。なんなのよこの薄汚い豚は」
「アルテミス、あなたでもこのクリーチャーを侮辱することは許さないですよ」
 無表情なままで淡々と、しかしその裏には様々ななにかが込められた言葉を、汐はアルテミスに返す。その底知れない眼に、アルテミスは言葉に詰まった。
「……ごめん」
「まあ、とにかく見ていてください。ターン終了です」
「オレのターンだ!」
 光文明らしからぬ荒々しい口調のトパーズは、
「進化! 《涼風の使徒ラプド》を、このオレ《サイレンス トパーズ》に!」


サイレンス(呪文たちの沈黙) トパーズ 光文明 (4)
クリーチャー:アウトレイジ 6000
進化—自分のイニシエート1体の上に置く。
W・ブレイカー
誰も、自身のターン中、コスト4以上の呪文を唱えることはできない。


「呪文が唱えられなくなったですか……」
「面倒ね」
『オレでシールドをWブレイク! 《アクロアイト》でもブレイクだ!』
「……っ」
 割られたシールドの破片が飛び散り、汐の裂かれた髪が数本舞う。
 一気に汐の三枚のシールドが削り取られてしまった。この早いターンで、もう残りシールドが二枚だ。
「まずいわよ、汐。《トパーズ》がいるせいで、軽い呪文が唱えられない……あなたのデッキは序盤に軽量呪文で下準備をしなくちゃいけないのに、それが封じられたわ」
「そうですね。ですが、そのための《ブータン・ジャクソン》です」
「……?」
「見ていれば分かるですよ。《ブータン・ジャクソン》で《トパーズ》に攻撃、能力発動です」
 《ブータン・ジャクソン》は攻撃時、相手クリーチャー一体のパワーを3000下げるのだ。
「《アクロアイト》のパワーを3000マイナスして破壊」
『だが、その豚はオレには勝てねぇぞ!』
「分かっているですよ」
 むしろ、それが目的だ。
「《ブータン・ジャクソン》が《トパーズ》とのバトルに負け、破壊された……それにより、ウルトラ・ドロン・ゴー発動です」
 破壊された《ブータン・ジャクソン》の魂が、闇に飲み込まれる。だがその闇は、無法の闇。束縛から解放され、自由を得るための闇だ。


「狂喜せよ、無法の国家。自由な者たちは無限の騎士、魔槍の帝の来臨です——《凶槍乱舞 デスメタル・パンク》」


凶槍(スピアー)乱舞(ダンス) デスメタル・パンク 闇文明 (8)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 8000
このクリーチャーが攻撃する時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーは無限にパワーを失う。
W・ブレイカー
ウルトラ・ドロン・ゴー:このクリーチャーがバトルゾーンを離れた時、名前に《乱舞》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《乱舞》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。


 唯一無二のドロン・ゴー、ウルトラ・ドロン・ゴーで転生した《ブータン・ジャクソン》は、刺々しく荒々しい姿の《デスメタル・パンク》となった。
『今更そんな豚が出て来たところで、オレの勝利は変わらねぇよ! 《希望の親衛隊ラプソディ》《幻盾の使徒ノートルダム》を召喚! そして、オレでWブレイク!』
 再び《トパーズ》の攻撃が、汐のシールドを粉砕する。その破片が飛び散るが、まるで騎士の如く仁王立ちする《デスメタル・パンク》に阻まれ、汐には届かない。
 しかし、それでもシールドがゼロ枚になったことには変わらない。
「クリーチャーを並べてきたようですね。ならば、こちらも親衛隊に任せるとするです。《希望の親衛隊ファンク》を召喚」
 《ラプソディ》に対抗するようにして、汐が繰り出したのは《希望の親衛隊ファンク》。これで《トパーズ》のクリーチャーはすべてパワーが1000下げられ、《ラプソディ》がパワー−500となり、破壊された。
「続けて《デスメタル・パンク》で《サイレンス トパーズ》を攻撃、能力発動です」
 攻撃を仕掛ける《デスメタル・パンク》の魔槍が《トパーズ》に伸びる。その時、彼の発した怒号で脇にいた《ノートルダム》が消滅した。
「《デスメタル・パンク》は攻撃時、相手クリーチャー一体のパワーを無限にマイナスするのです。《ノートルダム》は問答無用で破壊ですよ」
 確定除去の上位互換とも言える、無限のパワー低下。《パーフェクト・マドンナ》なども、この除去から逃れることはできない。
 《ラプソディ》《ノートルダム》に続き、《トパーズ》自身も《デスメタル・パンク》とのバトルに負け、破壊されてしまう。
「な……っ!」
「ターン終了です。あなたの場は全滅ですが、どうするですか」
「くっ、オレのターン……終了だ」
 出せるクリーチャーが引けなかったのか、トパーズはマナチャージだけでターンを終える。
「私のターン。呪文《ボーンおどり・チャージャー》、そして《猛菌恐皇ビューティシャン》を召喚。オーバー・ドライブで追加コストを支払い、一枚ドローです」
「オレのターン……クソッ、雑魚ばっかり来やがる。ターン終了だ!」
 《ファンク》のせいでこのターンもトパーズはなにもできず。ターン終了してしまう。
「では、そろそろ決めるですよ。墓地進化GV《大邪眼B・ロマノフ》を召喚です」
 ここでフィニッシャークラスの大型クリーチャーが飛び出す。この時点で汐は、余裕でとどめを刺せるだけの戦力を揃えられた。
「《デスメタル・パンク》でWブレイク、続けて《B・ロマノフ》でTブレイクです」
 さらにメテオバーンで、最初に《デスメタル・パンク》がブレイクし、手札に入ったシールドを山札下に送り込む。
「ぐぬぬ……まだだ! S・トリガー《DNA・スパーク》! お前のクリーチャーはすべてタップだ!」
 さらにシールドも追加し、なんとか凌いだトパーズ。
 ここから反撃に出たいところだが、
「……《ラプド》二体と《ノートルダム》を召喚だ!」
 もしも自分自身を引けていれば、軽量イニシエートから《トパーズ》に進化させてとどめの一撃を与えられたのだが、トパーズは自身を引くことができず。なんとかブロッカーを並べて凌ごうとするも、
「そのような守りは通用しないですよ。呪文《一極両得 ボッカン&ドックン》、相手クリーチャーのパワーをすべてマイナス1000、《ファンク》と合わせて、これで二体の《ラプド》は破壊です」
「だが、《ノートルダム》は残ったぞ!」
「どうでしょう。《ボッカン&ドックン》は、私の場にエグザイルがいれば相手クリーチャー一体のパワーをマイナス3000です。《ノートルダム》のパワーは合計で5000ダウンですよ」
「なんだと……!」
「《B・ロマノフ》で最後のシールドをブレイクです」
 ブロッカーに続きシールドもブレイクされ、いよいよトパーズを守るものがなくなった。
 沈黙を与える無法者に、踊り狂う魔槍が襲い掛かる。

「《凶槍乱舞 デスメタル・パンク》で、ダイレクトアタックです」