二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.592 )
日時: 2014/07/17 04:33
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)

 亜実とヴァルボーグのデュエル。
 互いにシールドは五枚をキープし、亜実の場には《守り屋ジョーオニー》。ヴァルボーグの場には《爆裂B—BOY》がそれぞれいる。
「あたしのターン。《鬼斗マッスグ》を召喚し、ターン終了だ」
「オレのターン! 《凶戦士ブレイズ・クロー》召喚! さらに《爆裂B—BOY》でコストを下げ、進化! 《機神装甲ヴァルボーグ》!」


機神装甲ヴァルボーグ 火文明 (3)
進化クリーチャー:ヒューマノイド 5000+
進化—自分のヒューマノイド1体の上に置く。
W・ブレイカー
攻撃中、このクリーチャーのパワーは、バトルゾーンにある他の火のクリーチャー1体につき、+1000される。


「出たか……」
 僅か3ターン目でWブレイカーが登場する。この手のデッキでは王道パターンだ。
『オレで攻撃、Wブレイク!』
「《ジョーオニー》でブロック」
 とりあえずWブレイクは防いだが、辛いことに今の亜実の手札に除去はない。デッキに《マルス》を組み込んだがゆえにビートダウン性能は向上したが、進化元を確保するために呪文が多く抜かれてしまっているのだ。
「まあ、そんなことを嘆いていても仕方ないか。あたしのターン。《爆走鬼娘モエル・ゴー》を召喚し、《滅殺鉄拳オニジゴク》を手札に加える」
『オレのターンだ! 《禍々しき取引 パルサー》を召喚! オレは手札がないから、そのまま二枚ドロー! そして残ったマナで《ブレイズ・クロー》を召喚!』
「手札補充も怠らず、クリーチャー展開……意外とやるな」
『オレでWブレイク! 《ブレイズ・クロー》でもシールドブレイクだ!』
 亜実が冷静にそんな評価をしているうちに、《ヴァルボーグ》が襲い掛かる。一気に亜実のシールドは三枚も削られた。
「残り二枚か……とりあえず、クリーチャーを殲滅していくか。《モエル・ゴー》を進化、《滅殺鉄拳オニジゴク》!」


滅殺鉄拳オニジゴク 火/闇文明 (4)
進化クリーチャー:ヒューマノイド/ハンター/エイリアン 6000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
進化—自分のハンター1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のコスト5以下のクリーチャーを1体破壊する。
W・ブレイカー


「《オニジゴク》が場に出たことで能力発動! 《パルサー》を破壊! さらに《ジョーオニー》を召喚し、《オニジゴク》で《ヴァルボーグ》を攻撃!」
『ぐおぉぉぉっ!』
 《オニジゴク》の鉄拳が《ヴァルボーグ》を打ち砕き、装甲を粉々に粉砕する。
「まだだ! 《マッスグ》で《ブレイズ・クロー》を攻撃!」
 続けて《マッスグ》の剣も、《ブレイズ・クロー》を切り捨てて破壊する。これで残るアタッカーは、二体目の《ブレイズ・クロー》のみ。亜実の場にはブロッカーもいるので、まだ耐えられると思われたが、
「呪文《火炎流星弾》! 《ジョーオニー》を破壊!」
「っ!」
「さらに《鬼切丸》を召喚! スピードアタッカーの《鬼切丸》でシールドをブレイク!」
 空から飛来した炎の流星によって、《ジョーオニー》は一瞬にして潰されてしまう。その隙を狙って、《鬼切丸》が亜実のシールドを砕く。
「ちぃ……S・トリガー《モエル 鬼スナイパー》召喚! パワー4000以下の《ブレイズ・クロー》を破壊!」
 なんとかS・トリガーでシールドを一枚キープする亜実。ここでシールドがなくなってしまえば、亜実が一気に不利になる。
「スピードアタッカーで一撃でも貰えば終わりだからな……だが」
 亜実は口角を少しだけ上げる。そして、鋭い眼光のまま、狙い通りと言わんばかりの笑みを見せた。
「そろそろ息切れしてきたか。残り手札がゼロなら、シールド一枚でも耐えられる」
 速攻の弱点は、その手札消費の激しさ。早いターンで決めることを重視し、長く戦うことを放棄した速攻デッキは、長期戦になれば手札がなくなって失速する。ヴァルボーグはその点を《パルサー》で補っていたようだが、それでも手札が枯れやすいことに変わりはない。
 序盤からクリーチャーを並べて攻め続けていたヴァルボーグは、完全に手札が切れてしまった。これならスピードアタッカーを引かれたところで、すぐにとどめは刺されない。
 速攻は耐えられたら負ける。亜実にここまで耐えられた時点で、ヴァルボーグの勝機は下降し続けているのだ。
「さあ行くぞ、《龍覇 グレンモルト》を召喚!」


龍覇 グレンモルト 火文明 (6)
クリーチャー:ヒューマノイド爆/ドラグナー 4000+
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、コスト2以下のドラグハート1枚、または、コスト4以下の火のドラグハートを1枚、自分の超次元ゾーンからバトルゾーンに出す。
バトル中、このクリーチャーのパワーは+3000される。


 爆発と共にその姿を現したのは、龍と心を通わす紅蓮の戦士。ヒューマノイド爆にしてドラグナー《龍覇 グレンモルト》だ。
「《グレンモルト》がバトルゾーンに出た時の能力発動。超次元ゾーンからコスト4以下の火のドラグハートを呼び出し、それがウエポンなら《グレンモルト》に装備する! 来い! 《銀河剣 プロトハート》!」
 紅き鎖に封じられた剣の封印が解かれる。そして銀河の彼方より、その剣が持ち主を求めて飛来した。
 炎を纏い、銀河の剣は《グレンモルト》の足元に突き刺さる。《グレンモルト》はその剣を引き抜くと、その手でしっかりと握り締めた。
「《プロトハート》を《グレンモルト》に装備し、ターン終了だ」
「ぐぬぬ……オレのターン! 《鬼切丸》を召喚し、最後のシールドをブレイク!」
 遂に亜実の最後のシールドが割れた。次のターン、ヴァルボーグが再びスピードアタッカーで攻め込めれば、そのまま勝つ見込みも出て来る。
 次のターンがあれば、だが。
「さあ、準備完了だ。作戦を実行に移す。あたしのターン! 来い、マルス!」
「アミのためならいつでも駆けつけるぜ。俺の火力を、あのロートル機神装甲にぶち込んでやる」
 このターンのドローで引き当てたのは、《マルス》。これで必要なパーツはすべて整った。
「《龍覇 グレンモルト》《モエル 鬼スナイパー》《鬼斗マッスグ》の三体を進化元に——」
 三体の炎の戦士たちが、燃え盛る業火に包み込まれる。

「——硝煙より出でよ、焦土の神! 爆炎と銀河の剣を取り、あらゆる大地を蹂躙せよ! 我が戦友ここに進軍す! 神々よ、調和せよ! 進化MV! 《焦土神話 フォートレシーズ・マルス》!」

 そしてその炎が弾け飛んだ次の瞬間、そのに立っていたのは焦土の軍神《焦土神話 フォートレシーズ・マルス》。
『……剣が一振り多いな』
「持っておけ。お前なら、使いこなせるだろう?」
『当たり前だ、俺を誰だと思っている? こと戦と武具に扱いにおいては、十二神話随一の《焦土神話》だ』
 自慢げに語る《マルス》。しかしその間も、身体のいたるところに装着された重火器へのアクセスを忘れていない。
「行け《マルス》! シールドをTブレイクだ!」
『ああ! 全砲門開放! 一斉射!』
 すべての重火器の砲門が開かれ、一斉に砲火が放たれる。
 銃弾、砲弾、火炎放射、ミサイル——様々な兵器が飛び、ヴァルボーグのシールドを焼き払い、場を蹂躙する。
「《マルス》のCD能力で、ブレイクしたシールドは墓地へ! さらにブレイク・ボーナス! 《鬼切丸》を破壊し、マナを三枚墓地へ!」
 攻め込んだ相手の陣地を、爆炎と硝煙で焦土と化す。ゆえに《焦土神話》。一撃でこれだけの破壊をもたらした彼の侵攻は、しかしまだ終わらない。
「ここで《グレンモルト》を進化元にした意味が出て来る……《グレンモルト》は《プロトハート》を装備していたが、その装備したドラグハート・ウエポンは、進化後のクリーチャーにも引き継がれる」
『だから剣が一本多かったのか』
 要するに、《プロトハート》を装備した《グレンモルト》を進化元にした《マルス》は、今現在《プロトハート》を装備した状態となっている。つまり、
「攻撃した《マルス》はアンタップされる」


銀河剣 プロトハート 火文明 (4)
ドラグハート・ウエポン
これを装備したクリーチャーが各ターンはじめてタップした時、アンタップする。
龍解:自分のターンの終わりに、そのターン、これを装備したクリーチャーが2度攻撃していた場合、このドラグハートをクリーチャー側に裏返し、アンタップする。


 再び攻撃可能となる《マルス》。彼は槍を地面に突き刺すと、右手に自身の剣を、左手に《プロトハート》を構え、大地を蹴る。
「《マルス》で残りのシールドをブレイクだ!」
『はあぁっ!』
 二刀流の剣で、ヴァルボーグのシールドが燃え尽きた。ついでにマナも焼け焦げ、バトルゾーン、マナゾーン、シールド——そのすべてが消え去った。
 すべてを失ったヴァルボーグに、地獄の拳がとどめを刺す——

「《滅殺鉄拳オニジゴク》で、ダイレクトアタックだ!」