二次創作小説(紙ほか)

Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.597 )
日時: 2014/07/26 10:39
名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: hF19FRKd)

 葵が防戦一方な、ダイヤモンド・ブリザードとのデュエル。
 現在、葵のシールドが二枚。ブロッカーをことごとく破壊され、クリーチャーはいない。
 対するダイヤモンド・ブリザードのシールドはいまだ五枚。場には《希望の親衛隊クラップ》《無頼勇騎タイガ》。
「私のターン。まずは呪文《ライフプラン・チャージャー》で、《ジル・ワーカ》を手札に。そしてそのまま《時空の守護者ジル・ワーカ》を召喚します」
「わたしのターン! 《天真妖精オチャッピィ》を召喚! 墓地の《火炎流星弾》をマナゾーンに! そして《クラップ》でシールドブレイク!」
「それは《ジル・ワーカ》でブロックです」
 《クラップ》はパワーアタッカーで攻撃時のパワーが4000になる。なので《ジル・ワーカ》は破壊されるが、
「《ジル・ワーカ》が破壊されたことで、能力発動。《タイガ》と《オチャッピィ》をタップします」
 《タイガ》による追撃を防ぐものの、これではただの時間稼ぎにしかならない。
 その稼いだ時間をどう生かすかが、葵の生死を分ける。
「……《雷鳴の守護者ミスト・リエス》《愛々の守護者チョップルン》を召喚。これでなんとか耐えるしか……」
 《チョップルン》はパワー4000の無限ブロッカー。《クラップ》とは相打ちになってしまうが、他の二体は止められる。
 とはいえまたブロッカー除去が飛んで来れば、そのまま押し切られてしまう。しかしこのターン、除去呪文は使われなかった。代わりに、

「わたしのターン! 《オチャッピィ》進化! 《ダイヤモンド・ブリザード》!」


ダイヤモンド・ブリザード 自然文明 (3)
進化クリーチャー:スノーフェアリー 5000
進化—自分のスノーフェアリー1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、スノーフェアリーをすべて、自分の墓地とマナゾーンから手札に戻す。


『わたしの能力で、墓地とマナゾーンの《冒険妖精ポレゴン》二体と、マナゾーンの《天真妖精オチャッピィ》を回収するわ! そして、そのまま《ポレゴン》二体を召喚し、わたしで攻撃!』
 召喚時に、墓地とマナのスノーフェアリーをすべて回収する《ダイヤモンド・ブリザード》。少々ピーキーながらも、枯渇していた手札を一気に補充する。
 そしてそのまま、雪崩の如き攻撃が繰り出される。
「S・トリガー……ないですか」
『なら《クラップ》でシールドブレイク! これでシールドはゼロ!』
 最後のシールドにも、S・トリガーはなかった。しかし《チョップルン》のお陰で、残りのクリーチャーは殴ってこない。
 だがこのままでは、ブロッカーを並べても数で押し切られてしまい、《チョップルン》もそのうち除去呪文で破壊されてしまいそうだ。
「……私のターン」
 しかし葵は、今の攻撃で勝機を見出した。
 《クラップ》に割られた最後のシールドから、次の切り札を手に入れたのだ。

「——《支配の精霊龍 ヴァルハラナイツ》を召喚」

 天空より一筋の光が放たれ、純白の羽が舞う。
 光が消える時、そこに存在しているのは、支配の力を司る精霊龍だった。
「《ヴァルハラナイツ》がバトルゾーンに出たことで、相手クリーチャーを一体フリーズします。《ダイヤモンド・ブリザード》を指定、次のターンにアンタップできません」
『な……っ!』
「さらに《ラ・ウラ・ギガ》を二体召喚。コスト3以下の光のクリーチャーが出たので、《ヴァルハラナイツ》の能力発動。《クラップ》と《タイガ》を指定してタップ、次のターンにアンタップできません」
 ブロッカーを並べつつ、《ダイヤモンド・ブリザード》の動きを封じる葵。このターンはこれで終わりだが、《ヴァルハラナイツ》の支配はまだ続く。
『くっ、わたしのターン! 《オチャッピィ》を召喚して、墓地の《火炎流星弾》をマナに! そしてマナ爆誕2、発動! マナゾーンから《雪布妖精ユウコ》を召喚!』
 さらにクリーチャーを並べる《ダイヤモンド・ブリザード》だが、このターンに《チョップルン》を除去できなかったのは痛い。いくらアタッカーを並べようとも、《チョップルン》を突破できなければ意味がないのだ。
 そしてそうやってもたもたしているうちに、葵の《ヴァルハラナイツ》が支配を進めていく。
「私のターンですね。マナチャージして……《光陣の使徒ムルムル》を召喚」
 さらに葵はブロッカーを並べる。マナは十分にあり、手札は《ミスト・リエス》のお陰で尽きることがない。なので、
「《超過の守護者イカ・イカガ》を召喚。能力で《曙の守護者パラ・オーレシス》を召喚。さらに《光器ペトローバ》も召喚します。指定する種族はガーディアンです」


曙の守護者パラ・オーレシス 光文明 (3)
クリーチャー:ガーディアン 2500
ブロッカー
このクリーチャーは、相手プレイヤーを攻撃できない。
相手のターン中、バトルゾーンにある自分の他のクリーチャーすべてのパワーは+2000される。


光器ペトローバ 光文明 (5)
クリーチャー:メカ・デル・ソル 3500
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、メカ・デル・ソル以外の種族を1つ選ぶ。その種族のクリーチャーすべてのパワーは+4000される。
相手がクリーチャーを選ぶ時、《光器ペトローバ》を選ぶことはできない。


 さらに、最初に出した三体のクリーチャーはすべてコスト3以下の光のクリーチャー。なので《ヴァルハラナイツ》の能力が三回発動する。
「《ポレゴン》《ユウコ》《オチャッピィ》をタップし、次のターンアンタップできません。そして《ラ・ウラ・ギガ》二体で《クラップ》と《タイガ》》をそれぞれ攻撃します!」
 《ムルムル》や《ペトローバ》によるパンプアップも受け、軽量ブロッカーである《ラ・ウラ・ギガ》は相手のアタッカーを積極的に潰していく。
「《ミスト・リエス》で《オチャッピィ》を攻撃! 《ヴァルハラナイツ》で《ダイヤモンド・ブリザード》を攻撃します!」
 続けて《ミスト・リエス》と《ヴァルハラナイツ》もそれぞれ相手クリーチャーを攻撃し、立て続けに破壊する。
 結果、葵のクリーチャーが四体増えたことに対し、相手クリーチャーは四体減った。戦力差が逆転したのだ。
『くぅ……まだよ! 《ポレゴン》をわたしに進化! 墓地の《オチャッピィ》二体と《ダイヤモンド・ブリザード》を回収!』
 再び手札を取り戻す《ダイヤモンド・ブリザード》だが、その程度では葵のブロッカー軍団を超えることはできない。
「二体目の《ヴァルハラナイツ》を召喚。さらに《ラ・ウラ・ギガ》も召喚し、《ダイヤモンド・ブリザード》と《ポレゴン》《ユウコ》をフリーズします」
 またしても動きを封じられる《ダイヤモンド・ブリザード》だが、今回ばかりはそれだけではない。
 葵は、このターンで勝負をつけるつもりなのだ。

「これで決めます——呪文《ダイヤモンド・ソード》」

 刹那、光のブロッカーたちが研ぎ澄まされた刃物のように煌めく。
 これで攻撃不可能なブロッカーは、すべて攻撃可能となる。さらにこのターン召喚したクリーチャーの召喚酔いも、消え去った。
「《ラ・ウラ・ギガ》三体で《ダイヤモンド・ブリザード》《ポレゴン》《ユウコ》を攻撃」
 次の瞬間、凍結した三体のクリーチャーに風穴が空く。
 《ダイヤモンド・ソード》の効果で、葵のクリーチャーはすべてアタッカーだ。これだけの攻撃手があれば、余ったクリーチャーは相手クリーチャーの殲滅に回せる。
 念のために相手クリーチャーを潰しておき、遂に葵の反撃がスタートする。
「《ヴァルハラナイツ》でWブレイク! さらにもう一体のヴァルハラナイツでもWブレイク!」
「っ……S・トリガー発動! 《クラッシャー・ベア子姫》を召喚して、パワー2000以下のクリーチャーをすべてマナゾーンへ! さらに《ナチュラル・トラップ》! 《チョップルン》をマナゾーンへ!」
「まだですよ《パラ・オーレシス》で最後のシールドをブレイク!」
「もう一度S・トリガー! 《父なる大地》で《イカ・イカガ》をマナゾーンの《ジャスミン》と入れ替えるわ!」
 三枚のS・トリガーで、葵のクリーチャーを次々と除去していくが、最後の《ペトローバ》だけは除去しきれない。
 そもそも、生半可な除去は《ペトローバ》には効かないのだが。
 《ペトローバ》はアンタッチャブル。最後のシールドがなくなり《ペトローバ》が起きている時点で、葵の勝ちは確定したようなものだ。 

「《光器ペトローバ》で、ダイレクトアタックです——」