二次創作小説(紙ほか)
- Re: デュエル・マスターズ Mythology ( No.600 )
- 日時: 2014/09/16 03:09
- 名前: モノクロ ◆QpSaO9ekaY (ID: UrB7UrBs)
一瞬、すべての時間が停止した。
そして次の瞬間には、超高速の時流が、ルカのターンの訪れを告げる。
『な、なにが……!?』
「《クロック》でお前のターンを飛ばしたんだよ。お前の攻撃は終わり、俺のターンだ」
どんな攻撃でも一瞬で留めてくれるS・トリガー獣《クロック》。ルカも愛用する、彼の守りの要だが、しかしこの場合はスパーク系列の呪文の方が効果はあっただろう。
ルカのデッキに光はないのでないものねだりだが、《アルドラ》の場にはアタッカーだけでなくブロッカーも多い。このターン、場の《アラシ》と手札の《カツドン》で攻めればとどめまで行けるが、そのためにはブロッカーを除去しなければならない。
「《カツドン》召喚!」
ルカは《カツドン》を召喚するも、これだけではシールドを一枚も割れない。
ならばどうするか。それは前に述べたように、ブロッカーを殲滅すればいい。そのためには、
「暴走する暴動! 無法の龍よ、数多の屍を踏み越えろ! 《暴走龍 5000GT》!」
圧倒的な力が必要だ。
ルカの墓地には大量のクリーチャーが落ちているため、《5000GT》は1コストで出せる。
そして場に出た時、すべてのサイキック・クリーチャーとパワー5000以下のクリーチャーが根絶やしにされる。
「お前のクリーチャーはほとんど全滅だ!」
『む……しかし、《ギャラクシー》はバトルゾーンを離れる代わりに覚醒する。覚醒! 《撃滅の覚醒者キング・オブ・ギャラクシー》!』
《アルドラ》や《パーフェクト・マドンナ》を除くすべてのクリーチャーが《5000GT》により排除されたが、二体の《ギャラクシー》はそのまま覚醒してしまう。
結果として場に残ったブロッカーは《パーフェクト・マドンナ》と二体の《キング・オブ・ギャラクシー》。後者は単体ではブロッカーにならないが、二体並ぶことでそれぞれがブロッカーを付与している。
『私のブロッカーは三体。シールドも一枚ある。攻め切れるものか』
「どうだろうな。言っとくが《5000GT》で破壊されるのは、お前のクリーチャーだけじゃないんだよ」
《5000GT》の力は味方にも及ぶ。なのでルカの《カツドン》と、《ローズ・キャッスル》でちょうどパワーが5000になっていた《アラシ》、両方のクリーチャーが破壊されてしまう。
それは、つまり、
「ドロン・ゴー、発動!」
二体の無法者が、死してその身を転生させる——
「勝利せし将軍! 無法の武闘家よ、無限の力で神を討て! 《武闘将軍 カツキング》!」
——そして——
「復活と転生! 無法の嵐よ、新たな大風を巻き起こせ! 《暴剣王邪 ハリケーン》!」
——二体の無法者が、転生した姿となり、地に降り立つ。
武闘(カンフー)将軍 カツキング ≡V≡ 火文明 (8)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 11000+
スピードアタッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、そのターン、このクリーチャーはタップされていないクリーチャーを攻撃できる。
∞パワーアタッカー(攻撃中、このクリーチャーのパワーは無限大になる)
このクリーチャーがバトルに勝った時、シールドを1枚ブレイクする。
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《武闘》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《武闘》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
暴剣(クロス)王邪(ファイア) ハリケーン 水/火文明 (9)
エグザイル・クリーチャー:アウトレイジMAX 12000
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを2体まで選び、タップする。そのクリーチャーは、次の相手のターンのはじめにアンタップされない。
T・ブレイカー
ドロン・ゴー:このクリーチャーが破壊された時、名前に《暴剣》とあるエグザイル・クリーチャーを1体、自分の手札からバトルゾーンに出してもよい。
自分の他の、名前に《暴剣》とあるエグザイル・クリーチャーをバトルゾーンに出すことはできない。
これでスピードアタッカーが二体に増えた。
「さらに《ハリケーン》の能力で、二体の《キング・オブ・ギャラクシー》をタップ! 次のターンもアンタップできないからな。ま、お前に次のターンを渡す気はないがな」
『しかし、それでも私のシールドは一枚残っていて《パーフェクト・マドンナ》もいる。アタッカーが二体では足りない!』
「そう思うんなら見てろよ。《5000GT》で攻撃だ!」
『《パーフェクト・マドンナ》でブロック!』
「なら次に《カツキング》で《アルドラ》を攻撃! その時、アタック・チャンス発動!」
ルカは手札から一枚のカードを抜き取ると、それを勢いよく投げつける。
「《無法秘伝 悪・即・斬》!」
無法秘伝 悪・即・斬 火文明 (4)
呪文
アタック・チャンス—アウトレイジ
バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーがゴッド相手のバトルに勝った時、そのクリーチャーをアンタップする。そのクリーチャーがゴッド以外のクリーチャー相手のバトルにこのターンはじめて勝った時、そのクリーチャーをアンタップする。
悪は即刻、斬り捨てるべし。それが《カツキング》の理念。
彼にとっての最大の悪とは、自由を縛り付ける神。そしてそれを守る邪魔な輩。
神を無限に攻撃し、破壊するのが《悪・即・斬》だが、普通のクリーチャーに対しても一回だけ効果はある。今回は、その一回だけで十分だ。
「これで《カツキング》は、バトルに勝てばアンタップする!」
『だがしかし、そのクリーチャーでは私のパワーには勝てない!』
「残念だったな。《カツキング》は∞パワーアタッカー! 攻撃時のパワーは無限大だ!」
『なに……パワー無限大だと!? 馬鹿な!』
《カツキング》の武具に貫かれ、《アルドラ》が破壊される。そして、
「《カツキング》がバトルに勝ったことで、《悪・即・斬》の効果でアンタップ! さらにシールドも一枚ブレイクだ!」
鎖から伸びる武具が、アルドラのシールドを要塞化されている城ごと砕いた。
《武闘将軍 カツキング》は、豪快な∞パワーアタッカーが目を引くが、バトルに勝った時の能力も強力だ。実質攻撃時は必ずバトルに勝ち、その上でシールドも一枚ブレイクされ、ドロン・ゴーで除去耐性もある。《5000GT》などと比べて派手さはないが、こういう局面では役に立つ。
「ぐぅ……!」
「さあこれでシールドはなくなった!」
守りを失った白騎士に、世界の将軍となりし無法者が、拳を突き出す——
「《武闘将軍 カツキング》で、ダイレクトアタック——!」