二次創作小説(紙ほか)
- Re: 魔天使マテリアル 〜夕日が黒に染まる時〜 ( No.349 )
- 日時: 2013/09/19 21:31
- 名前: 楓七 ◆AoQvVmjntM (ID: Ouicm1PF)
灰神兄弟も、もう笑うことはできなくなった。
追い詰められた挙句に翔が 火の弾丸をどうしようもなくむなしく放つと同時に、下級悪魔たちは、一体化していく。
「な、なんだコイツ!この前みた巨大ゴリラじゃねーかあっ!!」
「さ、さっきまで、小さな獅子だったのにね」
翔も翼も声をあげて 青ざめるしかなかった。
「やべ、どうする?」
「火の力は禁物 となるとおれたちは逃げるしかなさそうだね。」
「や、翼 それ答えになってないだろ」
「翔も答え思いつかないだろう?」
二人は、しゃべりつつ、冷や汗たらりである。
「あ、分かったぞ!! 俺らは、そのままでも強いんだよっ!」
翔が大声を上げて下級悪魔に向かって叫んだ。
それに翼が心を読み取ったかのように 翔に言った。
「そういうことなら、行くぞ!」
『火よ』
二人の手に 火が宿った。
そのまま、下級悪魔たちが合体した巨大ゴリラに二人は殴りかかった。
「っ!」
二人の手に火が宿っているから、巨大ゴリラで火傷することはない。
ましてや二人は火のマテリアル
「マテリアルの力を使わなくても 強いんだよっ」
翼も翔にノって 旺盛し、高まる力を消費した。
——
その頃 志穂たちは。
あちらの状況も知らず 木を切り刻んでいた。
ちなみにこちらもケータイを持っていないことが 確証ずみである。
「風よっ!」
志穂が、灰神兄弟の元に行くため、木を切り刻んでいた時、サーヤとレイヤの後ろに 人影があらわれて——。
「おっす 塩です。」
少女は、小柄だけど 意思の強そうな人で、のんびりと言った。
サーヤは 声に反応して振り向いて 声を発した。
「誰…?」
「梅さん、鮭さん、それに昆布さん 鱈子方面にとーちゃく!ただいまから作戦開始です。」
その少女 は名前を告げず、塩と言い、胸元についたトランシーバーに声を発した。
「昆布さん 風の力———厄介だね そんなの使わせないから!」
少女は 言い放つ。
「昆布?…志穂ちゃん?」
風の力ってことは…。
とサーヤが志穂の方向を見る。
「鱈子方面——?なんだ よくわからない。」
レイヤも混乱した様子を見せる。
そこで少女が声を出す。
「鏡よ 敵を惑わす魅惑の壁となれ」
(魅惑の 壁?)
サーヤが思わずたじろいだとき、志穂が風の刃で切っていた木もそのまま
なにも変わらず、そのままだ。
その時 レイヤが冷や汗たらりで声を発した。
「光よ 闇を貫く鋭き矢となれ」
すると、レイヤの手から放たれた矢は、木と木の間のわずかな隙間で泊まった。
「え……」
「これは、鏡の力 つまりここは鏡に囲まれたところになったということでしょうか?」
志穂が 自称 塩のほうへ振り向いたとき
もう 誰もいなかった。
ごんっ!
鈍い音がして 志穂はまた振り向くと サーヤが倒れていた。
「サーヤっ!」
「紗綾さん!」
みるみると サーヤの持っていた、破魔の笛のキーホルダー…魔天使キーの色が変わっていく。