二次創作小説(紙ほか)
- Re: 薄れる木霊 ( No.65 )
- 日時: 2013/07/14 18:08
- 名前: 望愛 (ID: SyxKXH7O)
- プロフ: 薄れる木霊
あんなに楽しかった 紗綾祝福!退院会は終わった。
一応志穂も兼ねている。
紗綾はみんなが帰ると同時に寝てしまったが、レイヤも打撲の傷のため、包帯のまき直しをしたりしていた。
そんなレイヤにメールがきた。
ぷるるるる
「こんな遅いのに どうしたんだ?」
レイヤのケータイの音に、伊吹が不言する。
「なんだろ、」
題名 緊急事態
本文 徹平だ。
とにかく ヘルプ!経緯は後で教えるから すぐに 梅ヶ丘ヒルズマンションに来てくれー!
「緊急事態? 伊吹 こういうことだから すぐに行く」
「なに?今か…でもレイヤ 打撲 大丈夫か?」
「わからない。でも行くしかないんだ。」
チリンリン!!
すさまじい音をたてたドアベル。
そして ものすごい暴風
何か 悪いことが起きそうな予感を示す。
テレビでも暴風 竜巻 警報が出ている
「紗綾に言っておいてくれ。 寝ててもらって構わないから」
そう言い残して レイヤは行ってしまった。
(こういう時こそ 重大な ことなんだろう)
嫌悪すぎる・・。
(竜巻も警報が出ているのに・・・・・・)
徹平の重大はあてにならないが 確かな悪魔の事件だと予想できた。
ぶるぶる ぶるぶる バイブ機能のケータイが 伊吹に教えた。
「もしもし!!」
圭吾の荒れ狂う声が すさまじい勢いで聞こえた。
「うるさーい!」
思わず叫んでしまった(笑)
「ぁ、すぃません・・・」
声が縮んだので 思わず伊吹は謝った。
「あ、すまん でなんだ」
伊吹が うるさいと叫ぶほど 圭吾は緊急事態をしゃべりたかったのか?
「や、その 志穂ちゃんと鳴神くんと灰神兄弟が緊急事態です!さっきの 退院パーティーの帰り、悪魔に会いました。それなんですけれど、梅が丘ヒルズマンションに連れられたそうです。紗綾ちゃんとレイヤくん両方とも通信したはずなので いま 梅ヶ丘にレイヤくん向かってますか?怪我のせいで 来れないかもしれないと思ったんですが…。危うく 攻撃向けのマテリアルが欠けていて レイヤくんしかいないんです!!」
「レイヤならさっき 向かった あいつの足は 最強だ黄金のあし。だからすぐ着いただろう」
伊吹までなんだか興奮してしまう
「それならいいんですが・・ 志穂ちゃんも鳴神くんも翔くん翼くんもいないとなると・・ほんとにもう・・」
「落ち着くんだ!」
伊吹事態も落ち着いていないのに。
「でも大丈夫でしょうか・・・志穂ちゃんなんて退院したばっかりです!翔くん翼くんがどうなっているかわかりませんが・・」
「とりあいず 現役マテリアルに成功の道まで願うしか…ないんだ」
「そうですね。すいませんでした」
プチ
すぐに電話を切られ ちょっと気分が悪い伊吹だが、まあいいと ポケットにケータイをしまった。
(今の現役マテリアルなら 大丈夫 だよな?)
そう 信じるしかないんだから・・。
びゅーん!!
「か、風?」
ユリがバタバタと降りてきた。
「紗綾さんがいません!!!」
「な、・・・・なに!!」
- Re: 最悪の奏でるメロディー ( No.66 )
- 日時: 2013/07/14 18:19
- 名前: 望愛 (ID: SyxKXH7O)
- プロフ: 最悪の奏でるメロディー
急いで二階にあがると、開け放たれた窓から 紗綾は出て行ったようだった。
(だから あんなに強い風が…一階にまで入ってきてる)
「ユリはどうして気づいたんだ?」
「休憩室にいたんです。それが、なんだか妙に 風の音がして、紗綾さんが窓を開けていたら 寒いかもしれないなと思って、閉めようと部屋に行ってみたんです。そしたら 布団から出た紗綾さんの様子があって、その上に 窓が開け放たれていたんです・・・。」
伊吹はあちこちを探し出した。
ケータイ 破魔の笛 この必需品も一緒に消えていた。
「どうしましょう?」
「後は俺が何とかしておく 安心してくれ。落ち着いて 一階ではテレビで竜巻と暴風の「警報」が出てるんだ。窓は閉めて、落ち着いて、休憩室にいろ。」
「分かりました」
伊吹のしっかりとした発言に ユリは迷わない。
だから いぶきはこういうところが好きでもある。
(紗綾さん 無事でいてくださいね…さみしいです。せっかく戻ってきたのに 一緒にいられたのがこれだけだなんて…私もいずれ、一人で立たなくてはなりませんが せめて今だけでも居候させてください。)
目に焼き付いた紗綾の笑顔が 目から離れない・・・・。
———
「レイヤ!」
徹平がいた。
「徹平!」
レイヤがwindmillを飛び出してからわずか3分で ついた。
「早すぎる!!」
「悪いな。僕は黄金の足を持ってるから」
「悪いとは言ってない。それより 聞けよ。 いま 暴風と竜巻警報がでてる。」
「えっ?」
「そんで、風が強かったんだ。ぼくは瞬足で走ってるから風が吹いてると思った。」
「ひどいとぼけだ。 それで、しほっちと京一郎と翔と翼が、悪魔に捉えられた。上を見ろ。」
上には あの時…志穂がさらわれた 図書館の時のように 手を広げて、四人は天井に張り付けられていた。
「ああいうわけなんだ、で、さっききた伊吹さんのメールなんだけど、見た?見てるわけないな?紗綾が消えたらしい」
「えええ?」
「紗綾が消えたって。破魔の笛とケータイは無くて、もしかしたら紗綾が絡んでるのかもって」
(そんなわけない。 僕が見たあの瞳は絶対いつもと変わらなかった。)
「そんなわけない!」
叫んでしまった。
- Re: 暴風の一戦 ( No.67 )
- 日時: 2013/07/14 20:17
- 名前: 望愛 (ID: SyxKXH7O)
- プロフ: 暴風の一戦
「くっそ!」
何を言ったって 現実が変わらないのは 二人は承知していた。
「やるしかない。レイヤ おまえは攻撃特化だけど、俺は情報収集にも向いた 攻撃特化じゃない!!レイヤが紗綾を助けるんだろ?レイヤが頑張ってくれ・・・おれだって手助けはしたいけど ダメだ。レイヤにはかなわないんだ」
徹平の悲痛な願いに レイヤは答えた。
「出てこい!!悪魔めー!」
「あ、こんにちはー」
紗綾と真綾だった。
「ほら 毎度おなじみ サーヤとマーヤです♪」
真綾がにっこりと不敵な笑みを浮かべて言った。
「サーヤ姉、ほら あいつら 倒しちゃいましょ?」
「あら、こんなゴミ マーヤだけでも倒せるじゃないの?」
「無理ですよ。意外と強いんですから・・油断しちゃってふふふっ でも、サーヤ姉 計画通り さてと 倒しちゃいましょ?」
「そうね。 さあ、レイヤ 私たちの本当の実力を思い知りなさい」
と言って破魔の笛を抱替えた。
吹いていると、次第に レイヤと徹平は苦しみだした。
破魔の笛は悪魔を苦しませる笛ではなく マテリアルを苦しませる笛へと化したのだ。
「これで終わるなんてつまらない。サーヤ姉やめて、私も攻撃するわ。ある程度弱らせたんだから」
上に張り付いた 志穂たちも苦しみだした。
「そーだなあ。マーヤ 今すぐ私と一緒に吹きません?」
「いいわね」
まったく意味不明の会話をしつつ、マーヤは 縦笛を出した。
破魔の笛は 横笛だが、マーヤの持つ縦笛は 破魔の笛であって、またマテリアルを苦しめる 縦笛であった。
「さ、サーヤ姉せえの」
トゥルルルル・・・
人間は何も聞こえないが、悪魔にはとても心地いい音色。
マテリアルには苦しみの音色になる・・。
破魔の笛を紗綾が吹いても紗綾が苦しまないのと同じで、破魔の笛を悪魔の紗綾が吹いても レイヤの悪魔の部分が苦しまないことはない。
だから レイヤもいくら半分悪魔だからと言っても、笛の性能によって、ふつうのマテリアルと同じ気力を失う・・。
「さーて、じゃあ今度は私たちから攻撃に入りましょ。さあ、破魔よこいつらを思うがままに苦しませて♪ただ、殺しちゃだめよ?」
「そうねー、破魔 サーヤ姉のお助けをして♪ただし 殺しちゃダメ!」
「ふふふっ 面白いものね・・」
「マテリアルが苦しむのって面白い!」
「くっ・・・う——くっ・・」
レイヤ 徹平
そして 志穂 鳴神 翔 翼も苦しむ。
「さ 紗綾さん 目を覚まして・・」
「サーヤ 目を覚ましてくれ!!」
「お願い…紗綾ちゃん!」
「さあやっち 目を覚ましてくれよ!!!!」
あちこちから 紗綾に対する野次が飛ぶ…。
「うるさい!!」
そう言って、力を強め、マテリアルたちを一言もしゃべらないように苦しめた。
ビュンッ!!
暴風はおさまらない
「きゃあ!!」
——
「現在 梅ヶ丘 ヒルズ周辺は 竜巻が起こっており、大変あぶないです!避難 避難! 梅ヶ丘ヒルズ周辺の方は竜巻のため 大変危ないので避難してください」
伊吹のつけたテレビでは 深刻な状況が見られた。
雨も降っている。
「では 現場の 相星さん!」
「びびび びびび」
「ん?」
「テレビが竜巻などの被害で通ってないのかな?」
「あ、すいません——も 現場——い ———ひなんしております」
「まったく聞こえませんね?」
——
ドシャ————ン!!
「きゃ、」
紗綾は思わず逃げた。
竜巻がすぐ後ろまで来ているのである。
「サーヤ姉 逃げましょう?」
「分かりました!!退散!!」
——
- Re: 暴風が残したタカラモノ ( No.68 )
- 日時: 2013/07/14 20:23
- 名前: 望愛 (ID: SyxKXH7O)
- プロフ: 暴風が残したタカラモノ
結局 あの戦いは 紗綾と真綾が逃げたために、竜巻がマテリアルにおよび、その上 レイヤ 徹平以外のマテリアルが重症を負うことになった。
「結局 なにもできなかったな。」
「うん。さあやっちが あーなっちゃうなんて思わなかった。闇に転じたのかな」
「それしか考えられない やっぱりマーヤが」
「マーヤって さあやっちの妹なんだろ?へんに さあやねえさあやねえ言ってたし。」
「ああ、でもあいつは ユウヤの仲間みたいな感じで、僕を敵目線で見てる。そうさせたのはユウヤなんだけど」
「それにしても この前の竜巻はひどかったな。大雨ももうひどかったし、ぶるぶる!」
徹平とレイヤで仲良くwindmillの休憩室で布団に入りがてら言った。
「・・・・寒い」
「レイヤ 風邪ひいたんじゃない?顔が赤いぞ」
「徹平こそ。風邪ひいただろ?顔が僕より赤いからな?」
「自分の顔見てから言えよ?」
一応元気なふたり。
もう真夜中にも及ぶこの時間 圭吾 耕平 伊吹は うごいていた。
ちなみに、windmillの横の部屋には、鳴神 翔 翼も寝ており、すぐ徹平の横には志穂も寝ている。
「さっきの マーヤってのが持ってた あの笛」
「ああ、破魔の笛だ。でも縦笛版 いつゲットしたんだろう。しかも、マーヤは闇に転じているはずなんだ。あれは 破魔の笛じゃなくて 闇の笛かもしれないな。」
「闇の笛?」
「ああ、破魔の笛が存在する通り、闇の笛も存在したんだ。あれを聞けばマテリアルは消滅していく。破魔の笛と逆の存在。」
「せめて 俺でも 笛が吹けたらなー」
「僕ならふけるかもしれないよ?」
「確かに」
志穂を起さないようにこっそりしゃべっているつもりだったけれど、しゃべりたいことは山のように積っている。
暴風が残した焼け跡は、ひどいものだった。
「でも 前みたいに、大けがが出なくてよかった。」
「そんなこというなよ。レイヤだって足が悪化してるくせに」
「・・・・。僕は僕だ」