二次創作小説(紙ほか)

Re: すれ違った心 ——静かなる明後日へ—— ( No.88 )
日時: 2013/07/17 17:14
名前: 望愛 (ID: SyxKXH7O)
プロフ: すれ違った心 ——静かなる明後日へ——

「サーヤ姉 ごめん!!もーバレた!!」
「ええー?何やってるの〜?」
(し、しまった!!)
紗綾はつい、マーヤの言葉に乗ってしまった。

レイヤの視界に入ったのは 同じ顔二つで。
それは徹平や志穂をはじめとしたほかのマテリアルだって同じだ。
「サーヤ?」
「さあやっち?」
「紗綾さん?」
いち早く気づいたのは いつも一緒にいる三人で。
「ちっ バレたなら仕方ないわね。 私はサーヤ。よろしくね?」
「おまえ…。やっぱり闇に転じてるのか?マーヤの仕業か?」
いったんサーヤに目を向け、またマーヤをにらむ。

「あーら、やっぱりとは何ね。ユウヤ様がやった夢の攻撃は意外と効いちゃうものなのね?」
「そうね、サーヤ姉 でも、バレた。どうしましょ?」

「どういうことですか?!」
「どういうこともヘチマもないけれど どうしました?」
「———」
志穂は サーヤとマーヤの言葉の攻撃に詰まった。
「あーら、そろそろあいつが きそうよ。」
「さすが サーヤ姉 やっぱりわかるのね?じゃあ いきましょ いきましょ 退散退散!」

「ま、待てよ!!」
翔がとめるのも聞かず、無視して紗綾が言った。
「さよーなら!!あ、レイヤ。お前が 私と一緒にいたいなら どうぞ闇に転じて頂けますか? 私がこの薬持ってるからふふふふっ!」
ぽんっと、サーヤが薬を投げた。

「な、なんだと!!」
紗綾がお前ということ レイヤを呼び捨てで言うこと。
もう すべてのみんなに 紗綾は紗綾でも紗綾じゃないと自覚した。
(こんなこと 嘘だと思ってたのに…。)
マテリアル一同はいっせいに 沈んだ。

沼から這い上がれないような感覚に陥っている。
ガチャ

サーヤとマーヤは 二人そろって出て行った。
「ちっ」
翼は舌打ちした。

今日は 唯一 現役マテリアルが全員集まったはずだったが、残念ながらサーヤが欠けてしまった。

「僕…僕は、この薬を飲んだほうがいいんじゃないか?」
「な、なにを言うんだ?」
鳴神があまりのことに思わず声を出した。
みんな 分かっている・・・。
レイヤが何を考えているのか。

あまりに突然すぎて 頭が回転しない。
「そうすれば——そうすれば サーヤに近づける」

みんないっせいに黙った。

その沈黙を破ったのは 志穂だった。

「そんなこと やめてください!!一人でもなかまが欠けるということは、私には最悪な出来事です!!」
「そうだよ!!さあやっちまでいないのに レイヤがいなかったらもっとみんな悲しむぜ。」

志穂の野次に 徹平も乗った。
(みんな…。)
魔界とは 全然違う。

そして クラスとは全然違う マテリアルのみんなの暖かい目が、じぶんを支え、作っていた。
(ちょっとまて・・・・おれだってちゃんと考えることは考えてるんだから。)
翼は考えた。

レイヤにサーヤを近づける…。
これを…。
阻止せねば。
「レイヤ!おれ その薬 対処しとくよ。貸して。もう みんな二度と見なくていいんだ。」
「なんだ。妙にいいやつじゃないか」
レイヤはフンとしながら 翼に薬を渡す。
(よっしゃ!)

みんなが 何を考えているか知らずに、翼の攻撃は どんどん仕掛けられていった——。
まるで 何かに操られるように・・。
———
やっほーみんなー!!

今度のマーヤ ターゲットは翼なのかな?
それとも あれは本心?

マテリアルを照らす光は まだまだ深刻なようです…。
これじゃ 笑顔は一瞬もこぼれませんね(笑)