二次創作小説(紙ほか)

Re: 魔天使マテリアル×妖怪ナビ・ルナ  Ⅲ ( No.122 )
日時: 2013/10/18 19:34
名前: ルイ (ID: x2W/Uq33)

影が動き出す。
不穏な風と共に、誰にも気づかれず。

それは嫌に静かで、無駄に小さい。
それでもその影は、ニヤリと不吉な笑みを漏らし。



————「全部壊してやる」


呟いた。



亡霊というものは、悪魔や妖怪のようにそう頻繁に出現するものではない。
多くて週に二回程で、そこまで気を詰めていなくてもいいのだ。
マテリアルたち、ルナたちは、ウィンドミルに集まる。
なんだか思ってしまう。
—マテリアルや半妖という運命からは、一時も逃れられないのだ—
と。

魔王を倒せど、妖怪を救えど、新たなる敵はやってくる。
きっとこの後も、いくら終わって欲しくてもマテリアルと悪の確執は続いていってしまうのだろう。

サーヤたちは小さな落胆と闘志を胸に抱いていた。


「にしてもな・・・思うんだが。一言いいか」


魔梨の声が空しく響く。

ウィンドミルのテーブルに広がった、テスト、テスト、テスト。
そして点数欄には、34、47、21・・・。

赤点ものである。
そう、何を隠そう、テストの点である。
因みに、34点は陸。47点はサーヤ。21点は、言わずもがなに徹平だ。
志穂は大きく溜息をつき、徹平は志穂から垂れ流しになる怒りに身を縮こまらせていた。

サーヤも徹平ほどではないが、50点未満となるとさすがに苦しい。
レイヤは勿論、90点代をキープ。
そして冒頭に声を放った魔梨はというと。


「私か?私は100点だぞ」


あっさりと、きらきら眩しく光る満点の答案用紙を見せてくれたのだった。


「おれっち・・・中1のこのテスト・・・30点だったんだけど・・・」


徹平の弱弱しい声が、皆を落胆させた。
そしてルナとタイ。


「私たちは・・・私は、72点だよ」
「ぼくは80点」


高得点だった。
きっと今までのもっけの教育、そして今のソラウの教育のたまものなのだろう。
そして点数の低いものたちの傷をさらに深くさせた。


「で、勉強会を開くんだろ?俺もここまで悪いとは思わなかった・・・」


一言も喋らなかった陸が挙手して、言った。