二次創作小説(紙ほか)

Re: 魔天使マテリアル×妖怪ナビ・ルナ  Ⅲ ( No.229 )
日時: 2013/12/07 12:32
名前: ルイ (ID: x2W/Uq33)
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第四章〜影との衝突〜



最近、亡霊の出現数が増え、パトロールの時間より、戦っている時間のほうが多くなってきた気がする。


「やっぱり…あの夢に向かって進んでるんだよね…?」


ルナが心配そうに、タイに問う。
タイも難しい表情をして頷いた。

陰陽師と言う血筋に生まれ、夢を見た以上、その未来予知は何をどうしたって変えてしまうことは出来ない。

今はただ、その「悲劇」に向かって時が進むだけ。
日に日にその悲劇が近づいてきたようで、人間の犠牲者も増えてきた。
悪魔よりも性質が悪いものである。


「…そろそろ、あの夢の通りになるかもな…」


タイの小さな呟きは、遠くから聞こえた小さな悲鳴と共に溶けた。



__

「痛っ…!!」


今までとは比にならないほどの鋭い痛みに、サーヤは息を飲む。
それを悟ったレイヤとユウヤは、ルナたちの話していた「夢」の話を思い出し、いよいよ来たか、と冷や汗を浮かせる。
サーヤは片目を瞑り、痛みに耐えていたようだが、数回深呼吸をすると慣れてきたのか、すっと立ち上がった。

サーヤも感じているのだろう、「予知夢」が現実と化した瞬間に立ち会っていることを。


「行こう、兄さん、黎夜!」


サーヤたち三人は頷きあい、走った。





同時刻、ルナとタイもその存在に気付き、悲鳴の場所へと走っていた。




__

亡霊の存在を感知した直後、サーヤたちはマテリアル、ゆのり、霧亜たちに連絡を入れる。

あと数分ほどで全員が集まるだろう。


「痛い…凄い、強いよ…、この、亡霊…!」
「…やっぱり…竜堂たちの予知夢が当たったか」
「まずいね、それ」

サーヤ、レイヤ、ユウヤは、亡霊の場所へと走りながら言葉を交わした。


「紗綾さん!!」
「紗綾!」
「サーヤ!」


向こうから、マテリアルの皆が集まってくる。

かけているメンバーは誰一人いない。
正直、このメンバーなら何にも負けない自身があった。

何せ、一度魔王に勝ったのだから。

主戦力は11人、サポート兼主戦力は3人。
完全無欠、と言ってもいいほどだ。


ルナとタイも、全員が集まる。
サーヤたちは気を引き締め、心を落ち着かせた。


「…向こうに、ルナちゃんとタイくんが見た夢に出てきた、亡霊を操る人物が居ると思います」


サーヤの神妙な言葉に、空気が改まる。

「でも私は、絶対に勝てるって信じてます。  …安らかに眠ったはずの人を苦しませるなんて、もう絶対に許せない」


サーヤの瞳は怒りを映す。
それを反響したかのように、皆にも激しい闘志が灯った。

ルナとタイがそれぞれの封印をとき、霧亜が無数のコウモリを従える。
ゆのりがクスリと笑い、雷光を帯びる。


それぞれが無言の合図を示し、頷いた。



   激闘、開始。