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黒い小さな影を引き連れながら、少女はふわりふわりと飛んでいた。
周りを飛ぶのはコウモリ。
パタパタと羽根をならしながら、少女をとりまく。
「うん・・・・そう・・・・そうだよ・・・」
少女は、コウモリの声を聞き取ったのか、小さくそう反応する。
「・・・・きっと・・・・・いるはずだよ・・・・私の・・・・」
そこまで言って、少女はふ、と言葉を区切る。
目的の場所の真上まで来ていた。
「・・・・・」
少女は浮遊を解き、自由落下する。
恐怖は無い。
直前になればコウモリたちが助けてくれる。
少女はそのまま、落下していく。
地面につくスレスレのところで、コウモリたちがぐ、っと引いてくれた。
「ありがとう・・・」
少女は周りのコウモリたちに礼を静かに言うと、パチン、と指をならす。
コウモリはその音が響いた瞬間、瞬くように、まるで空気に溶け込むように姿を消した。
「・・・」
少女はそれを確認すると、目の前に迫っていた建物をドアを、ゆっくりと引いた。