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霧亜の瞼からは、止めどなく涙が溢れだしている。
後に残ったのはそんな光景だけで、つい先ほどまで居た筈だった霧亜の母は、影を残すこともなく消え去っていた。

倒したのだ。

実の母親を、娘の霧亜が。
身内との戦いなんていう残酷なことを体験したのは、サーヤ、レイヤ、ユウヤ、魔梨、ルナ、タイ。
経験があるからこそ、どれだけ辛く、痛く、悲しいことなのかよくわかる。

霧亜が、膝をついた。
涙を拭おうともせずに。
そんな彼女を、ルナとサーヤたちは黙って見守ることしか出来なかった。



「お母さん…！」



悲痛な声が、空気を震わせた。