二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 黒白世界 【ギャグ・シリアス】 ( No.1 )
- 日時: 2013/08/22 18:20
- 名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: tR/vZAE7)
◆ プロローグ ◆
「もう、……限界でしょう」
そんな言葉が聴こえた。何が限界なの、誰が限界なの。なんでこんなことになってるの。
たくさんの声が聴こえる。泣き声、叫び声、罵り声、その中には——笑い声。愉快げに笑う声が聴こえた。
ふいに呼吸ができなくなった。苦しいのかな。もうそれさえも分かんないよ。笑ってくれればいい、脳が、全身が麻痺してるよ。
「もっと早くにこうなっていればよかったのに……」
ねぇ、知ってますか。人間は最期まで耳だけはちゃんと聴こえてるの。
だからそんなこと言わないで。そう思われていたことは知ってたけどね、言わないで。私に聴かせないで。お願い、お願いだから。
(せめてでもいい。最期にあったかい言葉、聴かせてよ——……)
神様はヒドイ。私の人生には何もいいことなかったよ。
そしてそれはどこまでも続く。きっと私が死んでも、私を罵る言葉がやむことはないのだろう。だから今も、あったかい言葉をはいてくれる人なんていないんだよ。あァ嫌いだ、私は私が大嫌いだ。
「この人殺しが。……さっさと逝っちゃえよ」
ほらね。やっぱり最期まで世界は私に対して冷たいんだ。どこまでもどこまでも。
そこで気がついた。泣き声も叫び声も、もちろん笑い声も、全て歓喜からきているものだったのだと。私は誰にも愛されていない。それが答え。
ああ、罵り声も私に対するもの。なんだ、そんなのだったら早く殺してくれればよかったのに。意気地無しが、ふざけるな。
私に居場所はない。そう思った瞬間、意識がゆっくりと沈んでいくのを感じた。
体が徐々に冷たくなってゆく。ああ、これは『死』か。これが『死』なのか。あの世ってあるのかな。あったら、いいな。
そして、そこには私の居場所があったら……いいな。
_________________プロローグ End.