二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【キャバ嬢編】 ( No.112 )
日時: 2013/10/22 22:05
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: /vJa.XYr)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11646441742.html

 sora様

栄蓮はドジで馬鹿でアホで馬鹿で馬鹿で馬k((黙
な奴なんですwってかそんな栄蓮だからこそ生バラの主人公なんですw
土方や八雲は常にハラハラドキドキですねww

銀さんとヅラwさてこれからどうしまsy((

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 背後から感じる殺気。間違いなく高杉晋助である。
 動くなと言わんばかりに首筋に当てられた刀は、とても冷たく感じた。


 44訓 バレたくないことほどバレてほしくない時にバレる


「奇遇じゃねぇかァ、女隊士ィ。……久しぶりだなァ?」
「た……か…す……………ぎ」


 やばいんですけど。いやマジやばいんですけど。
 どれくらいヤバいかっていうとマジヤバイ。


「お、驚いたなァ…。やっぱアンタにも女を愛でる趣味はあったんだねー」
「ククッ…んな訳あるか。俺ァこう見えても一筋だァ」
「マジか」


 つーかこの高杉に惚れられる女ってどんだけヤバイの?
 いやその前にマジ丸腰。お祭りの時よりもマジヤバイんだけど。

 …さて、どうしようっかなァ…?


「じゃあアンタ…ここに何しに来たの?」

「幕府の大官共を殺りに来た…と言やァ分かるかァ?
 腐ったあの存在価値のねー野郎共とそれに加担した野郎を殺りに来た…それだけだ」

「…麻薬の情報…アンタも確かめに来た感じか」

「ご名答」


 だからここに高杉が出入りしてたのかァァ…。

 ここでコイツ自身が悪事を働こうとしていたわけではなく…悪事する野郎どもを殺そうと…。
 イヤ人殺しも悪事だけどね? コイツ自体悪事だけどね?


「じゃ、じゃあこんな所で私に刀当ていて良いの? 大官達行っちゃいますけど?」
「俺ァテメェの足止め係だ。それに…誰が1人だっつったよ?」
「…え?」


 ——ズルズルと何かを引きずるような音。それがこちらに近づいてくる。
 地面を濡らす赤いもの。刀片手、5体ほどの死体の髪片手に…女はこちらに向かっていた。

 光に照らされてその顔が露になる。思わず栄蓮は息を呑んだ。


「は…ハル……さん…ッ?!」
「…………」
「ハルさん…何して……ッ?!」


 ハルの手にある死体は先程いた大官複数人。それに店長と店員が1人増えている。
 恐らくこの店員も麻薬に関わっていたのだろう。

 が、今はそれどころではない。栄蓮は驚きを隠せなかった。


「ま、まさか…ハルさん……?!」
「…………」
「たっ…高杉の仲間って……!」
「…えぇ、私よ?」


 にっこりと。返り血に濡れた顔で、ハルは微笑んだ。


「ご苦労だったなァ。潜入はどうだったよ?」
「ナンバーワンキャバ嬢になった時はびっくりしたけど…ま、楽しかったわよ?」
「報告等御苦労だったなァ。…さて。後はこの女をどうするかだなァ」


 ニィッと妖しく笑う高杉。ゾクリと栄蓮の背に何かが走った。
 ——その時だ。高杉と栄蓮、ハルの視界に、紫色の閃光が走る。


「——その人から…刀下ろせェェェ!」
「…!」


 腹めがけて振られたそれに、高杉は後退して避ける。
 八雲は血走った目でそれを見たあと、すぐさま栄蓮に駆け寄った。


「隊長! 怪我はないっスか?!」
「な、ないない!」
「……良かった」


 安堵した表情を見せる八雲。次々と真選組隊士達が到着する。どうやら総員のようだ。
 高杉はその大勢っぷりに感服した。


「高杉晋助! この大官共を殺ったのはテメーかァ!」
「…………」


 元々は逮捕する予定だったのだ。それを殺されたとなるとたまったものではない。
 土方は高杉に向かってそう叫び、そして高杉の傍に立つハルに気がついた。


「オイそこの女! テメェ…攘夷志士か?」
「——えェ、そんな感じよ。ついでに大官共を殺ったのは私」
「……!!」


 突如聞こえたその声に八雲は目を見開いた。
 ゆっくりと視線を上げる八雲。その体は震えていて、栄蓮はジッと八雲を見つめた。


「テ…メェ…! 隊長を殺ろうとした上に…大官共ぶっ殺したのかァァッ!」
「そうよ。幕府の大官が麻薬よ? 取り調べなんてする必要ないわよ」
「…っ…!」
「さて、と…。真選組の皆さん、こんな所で私達にかまってる暇ないわよ?」
「……?!」


 ——ドォォォォォォォォォォンッ!

 爆発音が響く。栄蓮や土方は目を見開き、爆音の方を見る。
 キャバクラ“silver soul”が見事に爆発している。


「なっ…!」

「証拠隠滅、ってやつかしら。早く行かないと被害が拡大しちゃうわよ?
 それとも…警察方は一般の御方達を見捨てます?」

「テメェ…何もんだ…」


 土方があえて冷静に問うと、ハルは…晴香はやはりニッコリと微笑んだ。
 だがその笑みは非常に怪しい笑みだ。そう…まるで高杉のような。


「私は鬼兵隊、風霧晴香。それではさようなら。…バイバーイ、八雲?」
「……っ…!」


 そう言って去っていく晴香と高杉。
 
 その間にも爆発は広がっており、このままでは町に広がってしまう。
 仕方なく真選組は爆発の処理へと向かったのだった。


 —


「…八雲」
「………」


 …八雲がこっち見ないんですけど。どうしましょう?
 
 爆発もおさまり今は休憩中…なんだけども。
 悲しいよ八雲くんが目ェあわせてくんないよ…。


「八雲」
「……」
「や・く・も!」
「……」
「………」
「………」
「返事しろやァァァァァァァァァァァァ!!」
「うぉわぁああぉっ?!」


 やっと返事したァァ! …コレ返事っていうのか?
 つーか八雲表情暗ッ! 顔怖ッ!


「…アレが、俺の姉貴っス」

「……!」

「確か…前に一度言ったっスよね。俺が攘夷浪士と繋がってる家族持ってたらどうする、って。
 …それがあの姉貴の事っスよ。風霧晴香…唯一無二の、家族なんスよ。いや…家族だった」

「……過去形?」


 コクリと頷く八雲。一緒にいた兄さんや総悟も訝しげな表情してる。
 八雲は凄く悲しそうな表情。


「もう何年も前にね…あのクソ姉貴、両親半殺しにして出て行きやがった」

「……え?」

「ウチは道場だったんスよ。風霧道場っていうかなり有名な道場。
 姉貴はその道場のナンバーワンに値する剣豪でした。親さえも超えてしまう。

 そしてある日…真剣で親父とお袋ぶった斬って…出て行ったんスよ」

「あの人が…」

「俺ァあまりのショックに気を失っちまって。…気づけば姉はいない。両親は重傷。
 そしてその日から姉貴が帰ってくることはなかったんス」


 …あのハルさん…。…風霧晴香っていう人が…。何か…想像できないんだけど…。
 あァ…だからか。だから…家族“だった”なんて言ってるんだ。

 けど。…けど。八雲が心の底からそう思ってないなんてことは、皆目瞭然なんだよ。


「…ハハハ。バレたくなかったのに…総員にバレちまったっすね」

「…馬ー鹿。何変な想像してんのか分かんないけど…アンタを追い出す奴なんていないからね!」

「……隊長」

「…そう言うこった。が、八雲。今回のことは上に報告しなくちゃなんねェ。
 無論テメーの姉貴のこともだ。…大丈夫か」

「勿論ッスよ。…何か…すいません」

「気持ちわりーや。いつも通りでいいでさァ、八雲」

「沖田隊長…」

「そういうこと! ホラホラ、気をとりなおしたまえ!」

「……隊長」


 …きっと。きっと幼かった八雲は、姉が親を斬って出て行くってことが悲しすぎたんだろうな。
 理由もわからないまま…。だから八雲は姉を憎み、嫌い、惜しみ…そして家族である事をやめた。

 …けど。…八雲アンタ…今自分があの人のことを何て呼んでるか…分かってる?


「…はァ」


 …なんか、ただでは済まない気がしてきた。



(あ、天パァァァ! 無事だったかァァァ!)
(無事じゃねェよ! 髪の量増したよ! 何なんだよ一体?!)
(爆発が起きた!)
(ンなこた知ってらァァァッ!)
(あ、……桂は?)
(真選組が乗り込んできたと同時にズラかりやがった)
(マジか)
(…なァ。……ハルの奴、知らねーか?)
(……実は、さ)