二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【紅桜編】 ( No.124 )
- 日時: 2013/10/29 21:56
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 4Xxn38pL)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11655042823.html
Sora様
エリザベスも登場ですw
栄蓮可愛いなんて言ってもらえるなんて本当に嬉しいです!
ありがとうございます(´∀`)♪
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突然やってきたエリザベス。帰って来ない桂。
何が何だかもう頭が混乱しそうだ。
50訓 大切な人が危険な時は本人だけではなく周囲も辛い
「で…ヅラは一向に帰って来ねぇわけか」
[ イエス ]
ヅラまで…帰って来ないなんて…。
しかもエリザベスは血のついた桂の所持品を見せてくれた。
…これは本当にまずいんじゃないの?
「で…瞳孔女。話そらせたとか思ってねェよな?」
「う゛…」
…やっぱり言わなきゃいけませんか? 巻き込むよほんと?
…知らないよ? イヤ知っとくけどもホント知らないよ?
「八雲が…拉致された」
「…は…?」
拉致…であってるよね、まァ…。
「昨日の夜から八雲と三番隊隊士一名が見回りに出てたんだけど…帰ってきてなかったの。
でも今朝その隊士だけが重傷を負った状態で帰ってきて…。
その隊士が言うには八雲は鬼兵隊なる二人の人物に連れ去られたみたい」
「…その人物に目星は?」
「一人は最近巷で横行している辻斬り。名は未だ分かってない。
もう一人は…風霧、晴香」
「!」
天パの瞳が見開かれた。…そりゃァそうだろうね。
何てったってハルさんだから。…チャイナ娘と眼鏡も驚いてる。
「風霧…って…、姉弟ですか?!」
「…うん。それに八雲も…重傷負わされてるみたいで…」
「じゃあ八雲は実の姉に斬られたってことアルか?!」
「…そういう事に…なるね」
私が兄さんに斬られる…ってことだよね?
結構キツいなそれ…。イヤ、私はやられる前に斬るけど…。
「で…オメーはその晴香や高杉の居場所の情報を得ようとしてたのか」
「…まァそんな感じ」
「じゃあまさか…桂さんも同じような目に遭っているんじゃあ…」
「…………」
[ ・・・ ]
イヤ沈黙は書かないでいいけどもね?
でも…桂もそんな簡単にやられるようなたまでもない、し…。
「…とにかく僕らも協力しますよ!」
「……でも。アンタら一応一般人だし…そう簡単には巻き込めないし…」
「…ったく。何でこんな時はンな真面目なんだよ。調子狂うだろーがよ?」
「だって…」
アンタらにまで怪我されたら…さ。…うん。……うん。
「じゃあコレならいいだろ。俺達はヅラの捜索! という名目の八雲クンの捜索でもある」
「……天パ」
「それいいネ! 銀ちゃんにしてはなかなかアルヨ!」
「そうですね!」
「どう言う意味だァァ!」
「チャイナ娘…眼鏡…」
あ…ダメだ。ダメだダメだダメだダメだダメだダメだ。
泣くな私…。まだ、何も、始まって、ないし…。
「……っ」
「栄蓮さん…」
クシャ、と頭を撫でられる感覚。
それはいつも兄さんにやられるのと同じような感覚で。
「泣くのははえーだろ。
…その涙は、八雲くんと再会できた時用にとっとけ」
「……あり、がとう。
っホントに…ありがと……っ!」
…恐いよ。もしも行った時に…八雲がボロボロだったら。
もしも再会できた時に…八雲が息してなかったら。
もしも乗り込んだ時に…八雲がもう、笑えなくなってたら。
「バカヤロー。考えたら考えるほど悪くなってんだろーがよ。
俺たちにやるべきなのは考えるよりも信じてやることだろ?
なーに、アイツはオメーを守りきれるまでは死なねェさ」
「…そうだね。……そうだね!」
「うし。そうと決まれば俺らも動くぜ。
新八ィ、神楽ァ。テメーらはその白い野郎と共に二人の情報を探れ。
俺ァこのあとちょいと仕事がある。オメーはどうするよ?」
「私も情報集めるの続けるよ。…くれぐれも気をつけてね」
「オメーこそ死ぬんじゃねェぞ、ババア〜!」
「もちろん!」
—
…頭がガンガンする。
ひどく吐き気がこみ上げてくる。
意識が…定まらねェ。
「…………」
ポタリポタリと、縛られた俺の体から流れる血。
一滴ずつ落ちていくそれは、俺の命が減っていくようにも感じる。
後ろ手に拘束されて壁にくくりつけられてでは、何もできない。
第一…出血量が多すぎて、力も入んねェ。
「た…い、ちょ…」
あァ…もう声も掠れきってらァ…。
死ぬのかな。俺、死ぬのかな。…死ねねー、のになァ。
コレも、俺が、やってきたことの、せい、かな。
襲いかかってくる気だるさに、身を委ねた。
——夢を見た。
『 うわァァ! 化け物だァァァッ! 』
『 に、逃げろッ! 化け物が! 化け物がこっちに来るぞォォォ! 』
『 こっ…殺される! 早く逃げろォォォ! 』
刃先から、血が、滴り落ちている。
虚無感しか残らなかったあの日々。化け物と呼ばれ続けた、あの日々。
すべてを狂わせたのは、自らの姉。
『 八雲。今日は特別任務だ。…あの村の者を数人殺してこい。 』
『 なに、お前ならうまくやれるさ… 』
『 殺した者から金目のものを巻き上げるのを忘れるなよ? 』
すべてが変わったのは、あの人のおかげ。
束ねられた黒い髪が、風になびいて。
俺に向けられたその瞳は、目を見開くほど真っ直ぐで。
でも、殺さなきゃ、なんて。心は冷静だった、のに。
どうせコイツも逃げていくんだろうと、思ってた、のに。
『 アレ…? 怪我してるけど…ねェ、大丈夫? 』
『 お前…何言って…。俺のこと…聞いたことねェのか…? 』
『 え? 何が? 何それ? 』
『 “蒼紫の化け物”って…ここらではすんげー…有名なのに 』
『 あー…そういや聞いたことあるある 』
『 なんで…逃げねェんだよ 』
ほかのやつらみてーに化け物って俺のこと蔑めばいいさ。
ほかのやつらみてーにぶっ殺してやるから。
…そんな感情しか、抱いてなかったのに。
『 は? 何言っちゃってんの? 』
『 俺ァ…テメーを…テメーらを…殺しに…来たんだぞ…? 』
『 あ、そうなの? …でもさ? 』
にっこりと、その女は笑ったから。
これまでに見たことなかったくらい、きれーに、純粋に。
『 アンタ、化け物なんかじゃないじゃん? 』
守りてェ笑顔なんざ、あるわけねェと、思ってたんだ。
( 追憶されたそれは )
( 今の俺にとっては )
( 寂しさでしかない )
—
栄蓮の思いと八雲の思い。そして出会いの記憶。
“蒼紫の化け物”と呼ばれていた頃の八雲は、ただ暗闇に立ってました。
そんな八雲の前に現れたのが…栄蓮って感じです(´∀`)
次回! 紅桜登場…して…ほしいな…!←