二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【紅桜編】 ( No.128 )
- 日時: 2013/11/03 23:11
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: Z/MByS4k)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11667099112.html
参照≒「なんやかんや」アップ。
題名的に意味不明ですが…まァなんやかんやなのです((
Sora様
栄蓮も紅桜サンと こんにちわ! です((黙
シリアス気味は疲れちゃいますね〜…(´∀`)
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49訓更新以来風邪が徐々に悪化していき2日間死んでました。
更新できなくてすいませんでしたァァ!
そして気づけば参照数2000突破…だ…と…?!(´Д`)
本当に有難う御座います!
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沖田の迅速な行動により栄蓮は何とか一命をとりとめた。
ふっと意識を戻した栄蓮が最初に見たのは、近藤だった。
52訓 不器用でも優しさは優しさだ
「あ、栄蓮! 目が覚めたか! もうホント心配したぞォォ!」
「こ…ん…どう…さ……」
頬や額にはガーゼを、腹や背には包帯を巻かれている栄蓮。
それだけでも傷の深さを察することができる。
布団に寝かされた栄蓮は近藤を見つめ、体を起こそうとした。
「い゛っ…!」
「こら、動いたらダメだ。丸一日眠ってたんだぞ?
それ程に傷は深いんだ。大人しく寝てなさい!」
「ブッ…お母さん、ですか…アンタは…」
苦々しく笑いながら近藤に体を押し戻される栄蓮。
どうやら栄蓮自身の部屋のようだ。無言で天井を眺める。
「…驚いたよ。総悟が物凄い剣幕で屯所に戻ってくるんだからよォ」
「…総悟が…?」
「あァ。総悟のあんな表情初めて見たぞ?
そしたら血まみれの栄蓮抱えてるしよォ、トシも凄い驚いてたよ。
なんせ煙草落として裸足で踏んづけるくらいテンパってたからなァ」
「え、それ大丈夫なの?」
「“あづァァァァァァ!!”って叫んでたよ。
その後はポーカーフェイス装ってたけどな」
そんな土方を想像して栄蓮は軽く吹き出してしまう。
ようやくホントに笑った、と近藤は一人安心した。
「ねェ…近藤さん……?」
「どうした?」
「み…みんなは…?」
やけにシーンとしている。足音すら聞こえない。
「…栄蓮が意識を失っている間に、高杉一派の位置情報をやっと掴めてな。
今は総員出席で、トシが作戦を伝えている」
「兄さん…が…。近藤さんは…出なくて、いいんですか…?」
「俺はトシに栄蓮の看病を頼まれてな!
それに誰もいなかったり看病役が女中だったりすると、抜け出すだろ?
女中にもそれなりの理由をつけたりしてよォ?」
「う゛…。ははっ、かなわないなァ〜」
「栄蓮が分かりやすいんだ」
ニカッと近藤は笑い、横になっている栄蓮の頭を撫でる。
かと思うと次の瞬間真面目な表情になった。
「栄蓮。間違っても高杉共の所に行こうなんて考えるな。
今のお前では…行っても死んじまうぞ」
「…………」
「医者の話によれば…一週間は寝たきりがいいらしいぞ。動けば悪化する。
逆に生きてることのほうが不思議らしい」
「そんなに…酷かったんだ」
「あァ。だからトシに“俺が指揮をとるからアンタは栄蓮を見ててくれ”って言われてな。
あ、ちなみにこの台詞全部トシからの伝言な? 間違っても…あたりから全部トシからの伝言な?」
「イヤほんとに全部兄さんじゃないですかソレ」
どこか和やかな空気が流れる。…が、近藤には分かっていた。
栄蓮の目は、死んでいない。
いつ屯所を抜け出すか分からぬ状態である。
「あ、栄蓮。目ェ覚ましたのかィ?」
「総悟」
入ってきたのは沖田だ。
ドカッと胡座をかき、近くに置いてあった蜜柑の皮をめくり、一気に口に入れ頬張る。
「近藤ひゃん、あと一時間後にしゅつほーでひゃァ」
「ゴメン総悟、蜜柑食べ終わってから言ってくれるか?」
「つか何で遠慮なく食ってんの? それ私の蜜柑だよね?」
「助けたのは誰だと思ってんでィ」
「…アリガトウゴザイマシタ」
明後日の方向を見ながら礼を言う栄蓮。フッと満足気に沖田は笑った。
栄蓮を運んできた時を見せてやりたいわ、なんて近藤は一人考えた。
「…で、近藤さん。あと一時間後に出動でさァ。
各自武器の用意を怠らぬように、との土方さんからの命です」
「そうか」
「で、栄蓮。オメーにも伝言がありまさァ」
「イヤもう聞かなくても分かる気がする」
「…“くれぐれも八雲を助けに行こうなんざ考えるな。俺達が行くから寝ていろ。
お前は高杉に一度殺されかけた身だ。あの時に比べると今の方が体の調子は悪い。
死にたくなけりゃァ寝ていやがれ”…だとよ」
「…やっぱり」
笑う栄蓮。だが、近藤と沖田…無論土方にもその無念さは分かっている。
チラリと目配せをする近藤と沖田。すくっと近藤が立ち上がった。
「あいだだだだだだだだだだだァァァァ!!!!」
「ふぬぉっ?! 近藤さん?!」
「うわァー! 近藤さーん! どうしたんですかーィ?」
「何その棒読みィ?!」
突如腹をおさえてうずくまる近藤と、駆け寄る沖田。
栄蓮は何とか上半身だけを起こして、二人を見つめる。
「そそそそそ総悟ォォ! ちょ、ちょっと腹がいっちまったようだァァ!
厠ァァ! 厠連れて行ってくれェェ! あ゛あ゛あ゛あ゛出るゥゥゥ!!」
「ダメでさァ近藤さん!! こんな所で出したら俺もうアンタとどう接したらいいか分かりやせん!!
さァ、厠行きやしょう!」
茫然と栄蓮は二人を見ている。
近藤は沖田に支えられ、尻を抑えながら立ち上がった。
「な、なァ総悟! 俺栄蓮に言ってないよな!
破られところ直して洗濯済みの隊服と、刀は二つ先の部屋にあるとか言ってないよな!」
「言ってやせん言ってやせん」
「あとあと、八雲の刀も二つ先の部屋にあるとか口滑らせて言ってないよな!
行くんだったら持って行ってやれよとか言ってないよな!」
「言ってやせん言ってやせん。
あ、俺も今は隊士のほとんどが出動準備中で裏口の警備が薄いなんて言ってやせんよね?
抜け出すなら裏口からの方がいいぜなんて言ってやせんよね?」
「言ってない言ってない!」
障子をあけながら二人は栄蓮に聞こえるくらいの大声で言う。
ポカーンと栄蓮の口が開いている。
「あと…行くんならお前も八雲も無事で、なんて言ってねーよな!
絶対に帰ってこいよなんて言ってねーよな!」
「言ってやせん言ってやせん」
「ヨシヨシ良かったァァ! そ、総悟! 厠連れて行ってくれェェ!!」
「らーじゃァァァ!」
そう言って部屋を出て行く二人。
栄蓮は目を見開きながらそれを見送り、わざとらしく大きく開かれた扉を見つめた。
小さく微笑んで、何とか足に力を込めて立ち上がる。
鋭く激しい痛みが体全体に走るが、ぐぅっとこらえた。
二つ先の部屋に行き隊服と刀二本を見つけた。
(…ありがとう、近藤さん、総悟)
隊服に着替え、髪を結んだ。自分の刀を腰にさす。
そして八雲の刀を片手に部屋を出て、裏口を目指す。
そんな時だ。廊下の曲がり角あたりから、煙が出ている。
それに加えて見えたのは黒髪と、煙草。
「…………」
(…ヤバくね?)
見つかればきっと兄は部屋に連れ戻すだろう。
だが、そこを通らなければ裏口に行くことはできない。
(せ…説得するしか……な、ないか…)
堂々と歩いていき、曲がり角を曲がれば、やはり土方だ。
目を閉じて煙草を吸いながら、精神統一をしているようにも見える。
「…………」
「…………」
これは何とかいけるんじゃね? と栄蓮はひとり考える。
こっそりと足を忍ばせながら、土方の前を通り、無事に通り過ぎた。
チラリと後ろを見れば、まだ兄は目を閉じているようだ。
…が。一瞬目を開きこちらを見て目が合っているとわかると、ギョッとしてからまた目を閉じた。
「…兄さん……」
土方も栄蓮の思いを汲んでくれているのだ。
そして…八雲が本当に来て欲しい人物が誰かも、分かっているのだ。
「…ありがとう、兄さん」
小さな声でそういい、栄蓮は裏口から屯所を出た。
薄く目を開けてそれを見送った土方は、今度こそ精神統一を始めたのだった。
(あれー土方さんー? 栄蓮とめなくていいんですかィ?)
(あ゛…? 知らねーよ、俺がいつ栄蓮を止めれたんだよ)
(今目の前通り過ぎたじゃねェですかィ)
(…知らねーな。心を落ち着けて目ェ閉じてたからよ)
(…ふーん。んじゃ何でわざわざアンタが指揮をとったんでィ?)
(イヤ…俺よりも近藤さんが見守ってた方がいいかと)
(自分よりも近藤さんの方が素直に栄蓮を行かせてやれるから…だろィ?)
(…………ったく)
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何これグダグダ(^p^)←
きっと三人はこんな感じで遠まわしに伝言したり見送ったりすると思います。
お妙の銀さんへの気遣い…みたいな。
何だかんだで一番栄蓮の気持ちをくんでるのはやはり兄です。