二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【柳生編】 ( No.155 )
- 日時: 2013/11/16 23:38
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: zhN/mYB5)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11696976554.html
Sora様
柳生編ですよ! 九ちゃん九ちゃん((
メガネケチャラーも来ますよォ! 食べさせるかはお悩み中ですw
ゴリラを姐さんは私も無理ですw泣きますw←
イラストも見てくださったとは…有難う御座います!(´∀`)
お妙さんと話している時の八雲の目は大概すわってますw
—
近藤の見合い場から戻ってきた栄蓮と八雲。
だが…二人の頭の中は、先程のお妙の涙と新八の話でいっぱいだった。
63訓 そーゆー時には素直に語れ
『 あの人が何かいきなり姉上を“許嫁”だから迎えに来たとか言って…。
それで姉上に尋ねたら普通に行っちゃうし…でも、泣いてて。
正直僕も…、頭の中がごちゃごちゃしてます… 』
「……」
イン・ザ・屯所のマイルーム。ウィズ八雲…なんだけど。
…なんでお妙さん…泣いてたんだろ。
「…あの女なら」
「え…」
「あの女なら…普通笑いますよね」
「…うん」
そう! そうなの! 普通嫁に行くんだったらお妙さんは笑う!
なのにだよォォ?! あのお妙さんがっ! あのお妙さんが泣いたんだよ?!
「しかもあんな悲しそうに泣くなんて…お妙さんらしくないよ」
「…そーッスよね」
…あ゛あ゛あ゛あ゛!! スッキリしないなァァァもォォォッ?!
「そういや、副長も負けたらしいっスよ」
「兄さんが?! 誰に?!」
「まな板女の許嫁…柳生家の次期当主に」
「やーぎゅ? え、レーザービームのアレ?」
「どこのジェントルマン?! 違うっスよ!
“柳生九兵衛”…小柄なガキみてーなツラした野郎、って聞きました。さっきの奴と一致するっしょ?」
「あー…まァね」
線細かったし…華奢だったもんねェ、すっごく。
「で…どうするんスか?」
「…八雲。近藤さんね、あのゴリラ王女に気に入られちゃったらしくって。…今度結婚式するらしいよ?」
「は…はァァァ?! あんなことされといて?!」
「何かタフなところが気に入ったとかなんとか。…でもね」
——正直、ゴリラを姐さんはマジ無理じゃね?
そう言うと八雲は全力で頷いてくれた。
「…お妙さんの涙もあるし、ゴリラもあるし。…私は行こうと思いまっす!」
「…んじゃ、俺も行きます。大体…あんなの結婚も何もねェですし」
「え、なんで?」
「…やっぱ気づいてないんスか」
何? 何のこと?
「さァ、行きますか!」
「教えてよォ?!」
—
雨の降るその日。名門柳生家の門前に、笠を被った男が二人。
「なんだい、君達は? 入門希望者?」
「それとも何? 道場破りとか言わないよね、まさか?」
「「——いやいやァ、道場破りなんてそんな物騒な」」
次の瞬間、門番たちが吹っ飛ばされた。
笠を被った男二人——新八と近藤は駆け出し、柳生家の敷地内に入る。
「な…何奴?! ここを柳生家と知っての狼藉か!!」
「我は天堂無心流、恒道館道場が当主、志村新八!!」
「そして俺はその門下、悟罹羅勲!!」
「天下の柳生家に決闘を申し込まんと参上つかまつった!」
「柳生流の看板などに興味はない。…だが」
二人は別々の方向に飛び出し、自分達を囲む多勢の敵を吹っ飛ばしていく。
その目的は、ただ一つだ。
「姉上を返せェェェ!!」
「お妙さんを返せェェェ!!」
「ぞ…賊めェ! 斬れェェ! たった2人だ! 囲んで斬り捨ててしまええ!!」
「やれェェェ! グォッ…?!」
「「?!」」
突如倒れた一部の相手に、新八と近藤、さらには柳生家の門弟達も驚く。
振り向いたその先には、笠を被った侍が5人と、傘をさした者が1人。
「わりーな、2人じゃねェ」
「プラス6人ってことで」
バッと一斉に笠が取られる。新八と近藤は目を疑った。
銀時、神楽、土方、総悟、栄蓮、八雲がそこには立っていた。
「銀さん! 神楽ちゃん!」
「お…お前ら!」
「——行くぞコラァァァ!」
ズドォッと飛ばされる門弟。6人は各自違う方向に散らばる。
それに習い、新八と近藤も再び応戦し始めた。
「うおらァァァ! 怪我したくなかったらお妙さん返せェェ!!」
「な…何だこいつらァァ?! まるで歯がたたぬぞ?! どこの門下だ?!」
「新八ぃ! てめェは減給だぜバカタレェ!!
なんでこんなマネする前に俺に一言言わなかった! 1人で煮つまりやがって!」
「そうアル! 1人でこんな面白そうなことシコシコ計画して!
一言かけろヨ! お前は今日からシコッ八な!!」
「チャイナ娘ェェ!! それ誤解生むからやめてェェェ!!」
栄蓮はくわッと叫びつつ、門弟達を竹刀で倒している。
八雲も呆れ顔で倒し続けているようだ。
「つーか近藤さんは何でいるんスかァァ!」
「それは俺のセリフだァァ!
お妙さんはここへ嫁ぐと言った! だが…あんな顔でさよならなんてできるわけもねェ!」
「それは同じ意見でェェェす!」
「こんなマネしても誰も喜ぶ奴なんていないのかもしれん! お妙さんはこんな事望んでないのかもしれん!
それでもテメーの我を通したい奴だけここに来た! お妙さんにもう一度会いたいだけでここに来た!
大義もクソもない戦いに余計な奴巻き込むわけにはいかんだろ!」
気がつけば周囲にいた者達は全員倒されていた。
何とか残っていたものは“東城さんを呼べ”と繰り返しながら走り去っていく。
「なのに…。なのに何でお前らまで来るかなァァもォォォ!!」
「…近藤さん。俺もテメーの我ァ通しに来ただけだ。柳生には借りがある。
そいつを返しに来ただけさ。ちなみに今日は休みだしそこんとこも心配ねェ」
「…近藤さん、俺も我ァ通しに来ただけでさァ。このままいけばゴリラを姐さんと呼ばなきゃいけなくなる。
ちなみに今日はバリバリ仕事でしたがサボってきました」
「オメーはホントに我だな!! で、栄蓮と八雲はなぜ?!」
近藤がバッと栄蓮と八雲を見ると、二人は顔を見合わせた。
「何でって…なんでだったっけ?」
「多分近藤さんのゴリラ結婚阻止のためっス」
「オメーらも総悟と一緒かよォォォ?! けどアリガト!」
「「ちなみに今日はバリバリ仕事でしたが他の隊士に任せてきました」」
「もう隊長と副隊長おりろォォォ!!」
一応相手の隊士に許可はとったようではある。
その時だ。倒された門弟達の方を見ながら、“銀さん”と新八がつぶやく。
「僕ねェ…もうシスコンと呼ばれてもいいです。
僕は姉上が大好きですよ。離れるのはイヤだ。できる事ならずっと一緒にいたいです」
「……」
「姉上が心底惚れて連れてきた人なら、例えそれが万年金欠のうさん臭い男でも、
ゴリラのストーカーでも、マヨラーでもドSでも、幽霊嫌いの二枚目でも、
……姉上が幸せになれるなら、誰だって構やしないんです。送り出す覚悟はもうできてるんだ」
「……」
「泣きながら赤飯炊く覚悟はもうできてるんだ。…僕は仕方ないでしょ、泣いても。そりゃ泣きますよ。
——っでも……!!
泣いてる姉上を見送るなんてマネは…っ、まっぴら御免こうむります…っ!!
僕は…僕は姉上には、いつも笑っていてほしいんです…。それが姉弟でしょ…」
涙を流しながらそういう新八。
その姿を見て何を思ったのかはわからない。銀時と神楽は歩き出す。
「銀ちゃん、アネゴがホントにあのチビ助に惚れてたらどうなるネ。
…私達完全に悪役アル」
「悪役にゃ慣れてるだろ。人の邪魔するのもな。
…新八、覚えとけよ。俺達ゃ正義の味方でもてめーのネーちゃんの味方でもねェよ」
「……っ」
「“てめーの味方”だ」
そう言って銀時と神楽は柳生本地に入っていく。
その次に土方、沖田と続いた。
「…言っておくが俺は味方じゃねェぞ。たまたま喧嘩相手が一緒なだけだ」
「ベタじゃない? ベジータ気取りでさァ。あのままさり気なく仲間になるもりだぜ。気をつけな」
「あんたここに来てもそれ?」
続けて歩いていた栄蓮が目を座らせながらツッこむ。
ふと新八が栄蓮を見ると、彼女はいつもの温かい笑顔を見せた。
「眼鏡。私もアンタの気持ち、すんごい分かるよ。言わないけど…私も兄さん、大好きだもん。
そんな兄さんが誰かを好きになったのなら…本当に、幸せになってほしいと思う。笑ってて欲しいと、思う」
「栄蓮さん……」
「だからこそ、かな。涙でさよならはちょっと引っかかっちゃって。まァ、気軽によろしくゥ!」
「以下どーぶんッス」
「栄蓮さん、八雲さん…。有難う御座います!」
そういう新八の瞳は、全員の言葉により真剣なものになっていた。
近藤はポンと新八の肩に手を置く。
「…仲間とは程遠いが、この八人なら天下の柳生にも勝てるかもしれん。
いくか、義弟よ」
「…誰が義弟?」
「最後ソレェェェェェ?!」
(家族が嫌いなんて、あるわけない)