二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【柳生編】 ( No.169 )
日時: 2013/11/24 00:04
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: ZVqxEqci)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11710888952.html

 Sora様

ななななんと?! むむむ胸キュンですと?! 
土方兄妹は仲良し(?)…なんです!((←
そ、そのネタはww懐かしいですww


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 土方と北大路の対決も終了し、今は五人で休憩中だ。
 近藤が厠に行っているので、四人は草陰に身を潜めていた。


 67訓 男子トイレに女子が入るのも女子トイレに男子が入るのもやっぱ抵抗あるよね


「そうか、総悟がやられたか。クク…いい気味だ」
「…八雲。私の隣にいるこの血まみれさん誰?」
「血まみれ十四郎ッス」
「オイコラ三番隊コンビ、変なあだ名つけんな」


 だって兄さんホント血まみれだよ? ダラダラ垂れてるよ?
 …しかも煙草の代わりか何か分かんないけど花火くわえてるよ? つーか綺麗だねェ。


「土方さん、それ煙草じゃないです。ちょ…っ、しっかりしてください」
「…柳生もこっちを見くびってたようだな。どうやらこっちも考えが甘かったようだ」
「おかげでタバデュアだネ、兄さん!」
「お前なんでそんな嬉しそうなわけ?」 
「あとちょっとで逝けたんスけどネ、兄さん!」
「オメーに兄さんとか言われたくないんだけど?!」
「あ…! アレ…!」


 眼鏡が見ている方向を見ると…柳生九兵衛さんとキツネ目さん。
 …いよいよ本陣出動、って感じかァァァ…!


「ちょ、ちょっと! まっすぐこっちに来ますよ?!」
「どういうこった? なんで俺達の居場所が…」
「オメーがその口にくわえてるものを見ろォォォ!」
「ちょいちょい兄さん! 早く花火捨ててェェ!」


 何してんだこの兄さんはァァァ! ヤベーよホントこっち来る!
 あァァァ! 近藤さん厠入ったままじゃね?!


「こ、近藤さんんんん! 早く出てきてくださァァい!」
「隊長…近藤さんのウ○コを急かすということは近藤さんを殺すと同じ事っスよ」
「ウ○コと殺すが一緒ってどんな人間?! つーかアンタは何でそんな冷静?!」
「アレ…? もしかして近藤さんもう逃げたんですかね…?」
「なら話は早い! 行くぞ!」


 え…ちょ、いいのかな? 何かダメな気がするんだけど…。
 

「 ぇ…れんんん…ト…シィィィ…! 」


 ほらやっぱなんか聞こえ


「ってなんか聞こえたァァァァァァァァ!!!!」
「うォッ?! ど…どうしたんスか隊長ォォ?! どこ行くんスかァァ?!」
「何か助けを求めるような声が聞こえたから行ってくるゥゥゥ!」
「オイィィィ栄蓮んんんん!!」


 え、えっと…かわや厠…ッ! 何かか細い叫びが聞こえたから…!
 う…。でも…男性の厠に入らなきゃだよね…?

 と…、とりあえず顔をヒョコッと出すだけで…!


「こ…近藤さ」
「あのー…ビッグフットなんだけれども…アレ…ティッシュとか持ってなァい?」
「何やってんですか敏木斎様」
「あ、みたな? ねーちゃんわしの見たな? ビッグフット見たな? イヤン」
「イヤンじゃねェェェェ! 大体なんで厠で裸ァァ?! ちなみにギリギリ見てませんんん!」


 上半身はちょっと見えたけど下半身は見えないからね! 大丈夫だからね!
 ちなみにちなみに今はちゃんと外見てるからね! 厠内見てないからねェェ!


「その声は栄蓮んん! 助けに来てくれたのかァァァ!」

「何やってるんですかァァァもォォォ!」

「瞳孔女ァ、紙がねーんだわ、紙が。とってきてくれェ」

「オマッ、天パァァァ?! オメーまで何しちゃってんのォ?!」

「フッ…全てを水に流してたんだよ」

「かっこよくねーからァ! 全然かっこよくねーからァァッ!
 全てを水に流してたって要するにアレを流してたんでしょうがァァ!」

「オイねーちゃん、ビッグフットみたな?」

「アンタはまだソレ?!」


 何この緊張感も何もない感じ?! 何なのこの厠という名のくつろぎ場?!
 その時…キツネ目さんの鋭ォォい視線を感じた。


「誰かと思えば…。無月や風神をやってくれたそうですね?」
「なるべく優しくしたんですけども」
「あの二人は我等四天王に勝らずとも劣らず…それを呆気なく倒すとは」
「あ、どーも」


 褒められてんだよね? コレ褒められてんだよね?


「ですが…ひとつ私は気に食わないことがあります」
「…なんですか」
「それはですね…う゛!」
「?!」


 なんかキツネ目さんが物凄い勢いで厠に駆け込んで行きましたけど?!
 なに?! どったの?! 妊娠?!


「それは貴女の髪型が若と被っていることだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「知るかァァァッ! つーか大丈夫ですかァァァ?!」
「おお恐らく朝食べた卵が腐ってたんだァァァ! オオオババの野郎ォォ!」
「何この人ォォ?! つかすんごく同情しちゃうんだけど?!」


 めちゃくちゃキツそうな音がしてくるよ?! 見てないし見えないけども?!
 ゴロゴロキュルキュル言ってるよオイ?!


「あああ貴女とのたたた戦いはまままた今度だァァァ」
「かっこわりィィィ! 厠内から言われてもカッコ悪すぎるゥゥゥ!」
「ままままァァァッ? ささ先程貴女とともにいた方々はもう若につつ潰されてるでしょうけどねェェ?!」
「は、はァァァ?! やられるわけないじゃん?!」


 あの兄さんに八雲に眼鏡だよ?! なかなか強いよォォォ?!


「おお恐らく血まみれだった者はサシで若とやりたいはずだァァ!
 ふふふ…貴様らももう終わりだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」

「反論すべきか心配すべきか分かんねェェェ!!」

 
 で…でも兄さんならあの血まみれ状態でさしでやりかねないよねェェェ!
 あんな状態でやったらボロボロになっちゃうよォォォ?!


「…栄蓮! 呼び止めておいてなんだが、俺に構わなくていい!」
「ええッ?!」
「トシや八雲、新八くんを追ってくれ! ここは…自分で何とかするさ」
「…近藤さん……」
「さァ…早く行けうごぉぉぉぉぉぉぉ…!」
「最後かっこつけて下さいィィィ!」


 —


 ——必死に栄蓮は馬鹿みたいに広い敷地内を探し回る。
 が、なかなか兄や八雲は見つからない。小さく栄蓮がため息をついた時だ。


「…隊長?」
「ッ! 八雲、眼鏡! それに…お妙さん!!」
「え…栄蓮さん……」


 嘘偽りの全くない明るい栄蓮の笑顔を見て、思わずお妙は目を背けた。
 まるで子犬のように駆け寄ってきて栄蓮はまた笑う。


「お妙さん! 怪我はない?!」
「…えぇ」
「…ねェお妙さん。…あの時なんで」
「栄蓮さん」


 続けようとした栄蓮をお妙は制していう。
 その瞳はどことなく悲しそうだ。


「ここまで来てくれて有難う。…でも、私はもう帰れないの。
 …私が。……私が九ちゃんの左目になってあげないといけないの」

「え……?」

「…何、言ってんだよ」

「——お妙ちゃん。君はまだそんな事を気にしていたのか。僕は寧ろ感謝している位なんだ。
 あの時があったからこそ今の僕はある。…左目と引き替えに、僕は強さを手に入れた」

「「!」」


 栄蓮と八雲が同時に反応してそちらを見ると、そこには九兵衛。
 そして…その足元には、血まみれの土方。栄蓮の瞳の色が一瞬にして変わった。


「っ兄さん!!」

「あぁ…やはり似ていると思えば兄妹か。
 さて、新八君。これで君らは残り何人だ? いや…何人残っていようと、大将の君を倒せば終わりか。
 悪いが…君の姉上は僕がもらい受ける」

「…っ」

「ケホッ…。もらい…受けるだァ……?」

「兄さん!」


 血まみれの顔を土方はあげ、苦々しい笑いを浮かべた。


「オイメガネ、栄蓮、八雲。どうやら俺達ァとんだ茶番に付き合わされていたようだぜ」
「え……」


「…こいつ……。——女だ」



(やっぱりと心の中で呟いた彼は、きっと全て分かっていた)