二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【ミツバ編】 ( No.189 )
- 日時: 2013/12/04 00:26
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: zCJayB0i)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11717143787.html
Sora様
将ちゃんは本当に可愛いですよねwwしかも心が広すぎます!ww
ミツバ編ですよ…。私も原作読みながら泣かないようにします←
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参照≒「バラガキ兄妹(武州)」アップ。
ミツバ編に入るにあたり、ちょっと描いてみました(´∀`)!
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「ぐっ…あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
「や…八雲! パトカーここまで持ってきて! 他も怪我人をパトカーに乗せて!」
「し、しかし隊長! まだ攘夷浪士どもが潜んでいる可能性が…」
「っ私が受け持つ! だから全員、怪我人を優先して! …隊長命令!!」
「「「はっ…はいィィィ!!」」」
…血まみれの隊士が数人。さらにその周囲には攘夷浪士が何十人も倒れている。
その中でも最も状態のマズい隊士が一名いるのだ。ぐっ、と栄蓮はつまる。
「隊長ォ! パトカーもってきました!」
「この隊士を乗せて速攻屯所に戻って! 兄さんに連絡は入れておいたから!」
「分かりました。隊長もご無事で!」
重傷の隊士一名をパトカーに乗せ、去っていく八雲。
それに続けて栄蓮以外の三番隊隊士全員が、幾度が振り返りながらも去っていった。
全ては栄蓮の命令であり、怪我人を優先したためである。
「…さァて……」
あちこちから漂ってくる殺気が、空気をびりびりと振動させているかのようだ。
(“攘夷浪士がまだ潜んでいるかもしれない”…? 馬ッ鹿…かなりの数がまだいるよ……)
——真選組三番隊は本日、攘夷浪士のグループを一つ襲撃していた。
総勢50名程はいるであろうそのグループ。30名程までは順調に倒していたのだ。
が、その時。浪士達が見たこともないような武器を使い始めたのである。
おかげで隊士数名が重傷を負ってしまったというわけだ。
(残り20名程…。パパッとやっちゃいますか…!)
チャキッ、と栄蓮は刀をかまえた。
75訓 世の中というものは全てバランスによって保たれている
「いっ…痛(つう)…!」
なん、とか…終わった…かな? あァ…血の海状態ィィ…。
とりあえず…帰ら、ないと…。
「——隊長ォ!」
「…! 八雲…」
八雲…。わざわざ、戻ってきてくれたんだ……。
「無事で何よりッス。…怪我してた隊士達も全員、一命はとりとめました」
「そっか…。良かった…」
「隊長のおかげッスね。さ、屯所に帰りましょう。…平気ッスか?」
「ん。大丈夫大丈夫!」
—
「…本日明け方、攘夷浪士50名討伐完了。怪我人は多数。死者はなし。
浪士達はこれまでに見たことがない武器を使ってきた。はい以上ォ!」
「じゃねーだろォォォォ?!」
え? 完璧じゃね? この報告でバッチリじゃね?
「もっとよォ…こう、武器の型とか性能とか詳しく説明しろォォォ!」
「イヤ…こう、ドカーンだったりズダダダダだったり」
「効果音入れりゃあ分かるって話じゃねーだろォォォ! つーか全く分かんねェわァァ!」
朝の6時から元気だなァ、この兄さんは…。
こちとら夜通しの任務で辛いんだよォォ…! 静かにしておくれよォォ…!
「で…。その武器に隊士が数名やられたのか」
「うん…」
「……。…そうか。まァ、死者は出てねーんだろ?」
「うん…医者の話によれば、2日くらい寝てれば治るってさ」
「…そうか」
あー…にしても痛い。ちょいちょいダメージくらったからなァ…!
「と、にかく…この件については引き続き三番隊で調査するから。
隊士達もやられちゃったし…絶対に黒幕しょっぴいてやるゥゥゥゥゥゥ!!」
「ンだよそのかつてねーほどのやる気は」
もう何が何でも黒幕しょっぴく! 誰だこんな武器を浪士にまで与えてる奴ァァァ!
それになるべく早く捕まえないと…他にも犠牲者が出ちゃうかもしれないし…。
「とりあえず風呂はいれ。…掠り傷が多いみてーだから唾つけとけ」
「なんでそんな適当ォォ?! 唾つけて傷治ったら人間苦労しないんですけどォォ?!」
「それからもっかい報告し直せ」
「マジか…」
休めねェェ…! ハードスケジュゥゥゥルゥゥ…ッ!
「とりあえずバスタイムってきまァ〜す」
「誰もオメーのンなタイムなんざ求めてねーよ」
「うっせーわ分かってらァァァァァァァ!」
—
「——わっははははッ! そうかそうか、いやァそれはめでたい!
式にはぜひ真選組総出で出席させてもらうよ!」
「でも正直結婚なんてもう諦めていたのよ? こんな身体だし…。
こんなオバさん誰ももらってくれないって…感謝しなきゃね」
「いやいや、ミツバ殿は昔と何も変わらんよ。
キレイでおしとやかで賢くて…総悟もよく話していたよ。自慢の姉だ、って」
近藤と総悟の姉、ミツバが何やら会話しているようだ。
それをこっそり覗いている野次馬隊士が数名。八雲も混じっていた。
「オイ誰だ、あのべっぴんさん? 結婚がなんたらいってなかったか?」
「んだとォ! お妙さんという者がありながら局長の野郎…」
「……。…アンタら知らねーんスか?」
八雲のつぶやきに、一斉に全員が八雲を見る。
「あの人…沖田隊長の姉上様のミツバさんッスよ。…ほら、毎月激辛せんべえ送ってくる…」
「あ、あれか…。アレ辛くて食えねーんだよ…」
「しかしあの沖田隊長の姉上とはな…。性格的には似ても似つかねーな」
「よくいうだろ。兄弟のどっちかがちゃらんぽらんだともう片方はしっかりした子になるんだよ」
「ザキ、お前沖田隊長にどんな怨みがあんの?」
——ズドォォオォォオオォォォォォォオンッ!
会話を背後で聞いていた沖田がバズーカを発射し、全員が吹っ飛ばされる。
見事に近藤とミツバのいる部屋に入り込んでしまった。
「まァ、相変わらずにぎやかですね」
「おーぅ、総悟ォ! やっと来たか!」
「すんません、コイツら片付けたら行きやすんで」
「「まじさっせん」」
ギリギリと首を絞められながら八雲とザキはいう。
ミツバがそれをみかねて、優しく優しく沖田に声をかけた。
「そーちゃん、ダメよ。お友達に乱暴しちゃ」
「…………」
ギロリとミツバを見る沖田。ザキは一瞬息を呑んだ。…が、
「ごめんなさいっ、おねーちゃん!!」
「えええええええ?!」
(…出た)
まさかの沖田の土下座にザキは目を丸くする。
八雲は襟を整えながら、目を座らせているようだ。
「お久しぶりでござんす、姉上。遠路はるばる江戸まで御苦労様でした」
「………………………………………。…誰?」
「まぁまぁ、兄弟水入らず…邪魔立ては野暮だぜ。
総悟、お前今日は休んでいいぞ。せっかくだ、ミツバ殿に江戸の町でも案内してやれ」
「あっ…ありがとうございます! ささっ、姉上!」
「え? あ…。…もしかして、八雲さん?」
「っ!」
突如ミツバに名を呼ばれ、八雲はフリーズする。
「…お久しぶりッス、ミツバさん」
「久しぶりね。…随分と雰囲気が変わってたから、びっくりしちゃったわ」
「そ…そうっスか? ミ…ミツバさんは…昔と変わらずお綺麗で…」
「もう、おだてたって何も出ないわよ?」
クスクスと笑うミツバ。八雲もつられて微笑んだ。
「あの…八雲さん。……彼女は…」
「…あ…。…それなら」
「姉上」
ぴしゃりと。沖田が八雲の言葉を制するようにいう。
にっこりと沖田は微笑み、ミツバの腕をぐいぐい引っ張った。
「さっ、行きやしょう」
「…そうね。八雲さん、また今度…」
「あ、はい」
去っていく沖田姉弟を、八雲は静かに見送った。
(兄さんんんん! 風呂からあがったぜェェェェ!)
(ぃよォーし。んじゃ行くぞ、ついてこい)
(どこにィィィ?!)
(浪士共が取引していると思われるところの観察)
(風呂入った意味そこまでねーじゃん?! アレ? …今日総悟は?)
(……。…さァな)