二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【ミツバ編】 ( No.195 )
- 日時: 2013/12/08 22:30
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: BBO0JG4T)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11724248057.html
参照≒「武州栄蓮と武州ミツバ」…と描いてありますが正直ミツバじゃないです(汗)
ホントご注意を。ホントのほんとにご注意を。そして本当にすいません←
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屋敷の前にて倒れたミツバ。栄蓮達は屋敷にミツバを運び入れた。
咳が止まらず苦しそうだったミツバも、ようやく落ち着いたようだ。
78訓 怨みは怨むほど強くなるって本当っぽくね?
「…………」
ミツバ…。せっかく会えたと、思ったのに…。
体調…やっぱり、よくなかったんだ…。…ミツバ…。
「…隊長」
「…ん」
隣の部屋に行けば、天パがバリバリとせんべえを食べていた。
……。兄さんはいつもと変わらずに煙草を吸ってるみたい。
いや…違うかな。いつもと変わらず、ではないかも。
「栄蓮隊長…。ミツバ殿ですが…病状はあまりよくないようです。
倒れたのが屋敷前じゃなかったらどうなってたか分からなかったらしいです」
「……。…そっか」
「それより旦那はなんでミツバさんと? 風霧副隊長まで」
「……なりゆき。そーゆうお前はどうしてアフロ?」
「なりゆきです」
「どんななりゆき?」
うん、確かにどんななりゆきって感じだけども。
…何か八雲も元気ないし…。まぁ、そりゃそうか…。
「…そちらさんはなりゆきってカンジじゃなさそーだな」
「…天パ」
「ツラ見ただけで倒れちまうたァ、おたくらよっぽどの事があったんじゃねーの?」
「っ天パ!!」
「?!」
「…栄蓮。もういい」
「兄さん……」
…なんでこうなるんだよォォォォォォ…!
つかもう天パやめてあげて。つかやめて。つかお願いします。
「てめーらにゃ関係ねェ。首突っ込んでくんな」
「…あァそうかい。すいませーん。男と女の関係に他人が首突っ込むなんざ野暮ですた〜。ププッ」
「ダメですよ旦那〜。ああ見えて副長、純情なんですから〜。ププッ」
「っ関係ねーっつってんだろーがァァ! 大体なんでてめェここにいるんだ!」
「ギャァァァァァッ! 落ち着け兄さんんんんんん!」
もうキレて刀抜いちゃってるよォォォォ! 八雲と一緒に羽交い絞めェェェ!
もォォォォこんの大馬鹿天パはァァァァ!
「——皆さん」
「「「!」」」」
…この人誰…? この屋敷の人…かなァ? 優しそうな雰囲気してる男の人…だけど…。
「なんのお構いもなく申し訳ございません。
ミツバを屋敷まで運んでくださったようで御礼申し上げます」
「ミツバ…? …呼び捨て…?」
「声デカいです、栄蓮隊長。…ほら、ミツバ殿の旦那さんになるお人ですよ」
「「…………」」
「私、貿易業を営んでおります。“転海屋”、蔵場当馬と申します」
…いい人、なんだろうけど。きっと。ミツバが選んだ…人だし。
なのに…なんでだろう。…何だろう、この嫌な感じ。
「身体に障るゆえあまりあちこち出歩くなと申していたのですが…。
今回はウチのミツバがご迷惑をおかけしました…」
「…いえ、お気になさらず…」
「そう言っていただけますと有難い…。もしかして皆さん…その制服は真選組の方ですか?
ならばミツバの弟さんのご友人……」
「友達なんかじゃねーですよ」
「「!」」
「総悟…」
あァ…最悪だ。ホント最悪だ…。網があったら入りたいってきっとこのこと…。
アレ…? 網だったっけ…? 網だったっけ…? 穴だったっけ…?
「総悟君、来てくれたか。ミツバさんが…」
「…………」
「総悟君…?」
あ…もう総悟、迷いもなにも一切なくこっち来たよ…。
っていうか…正確には……。
「土方さんじゃありやせんか。こんな所でお会いするたァ奇遇だなァ」
「…………」
「——どのツラさげて姉上に会いにこれたんでィ」
笑みも、冗談も、悪ふざけも、一切ない。いつもの総悟とは…違う。
兄さんも兄さんで睨んでるしィィ…! つか真顔?
「ち、違うんです、沖田隊長! 俺達はここに…ぶっ!!」
「邪魔したな」
「ちょっ…兄さん!」
「テメーもとっとと帰れよィ」
「!」
総悟…。やっぱり、怒ってる…よね。まぁ…そりゃそうかァ…。
「姉上のこと親友親友って言ってても…結局最後に選ぶのは八雲や土方なんだろ?
姉上のことなんざ後回しなんだろ? どうでもいいんだろ?」
「え……」
「ちょ…ちょっと待ってください、沖田隊長! 隊長は…!」
「黙ってろィ。…もしかして姉上と会ったのかよ?」
「…うん」
ギャァァァァァァァァァ! 総悟の目つきが恐いィィィ…!
イ、イヤ…あれは不可抗力と言うか思いもがけなかったと言うかァ…!
「ご自由だねェ…。姉上のこと散々泣かせたくせに、笑顔で再会かよ?
んで今度は土方共の方にまた行くのかァ」
「…………」
「ですから沖田隊長! あの時は俺があんな状態だったから…!
それにあの時近藤さんも…! うわッ?!」
「……。ごめんね、総悟。…お邪魔しました」
「…………」
「た、隊長ォッ?!」
八雲の腕を引いて廊下を歩く。
…隣の部屋で眠っているミツバがいて、苦しそうに薄目を開けてる。
……。…全部聞かれてた、かな…。
その瞳が、私をとらえて。
『 ねェ栄蓮。…栄蓮も、いくの? 』
『 え? うん、その予定だけど… 』
『 ……。そっか 』
『 ……。……。でも…ミツバと一緒に武州に残るのも、悪くないかもね 』
『 え…?! 』
(…栄蓮……)
『 栄蓮…本当にずっとここにいてくれるの? 』
『 今のところそういう方向で話が進んでる! 近藤さんもそれもいいなって言ってくれてて! 』
『 ふふふっ…嬉しい…っ 』
「オイ栄蓮。…行くぞ」
「あ、…うん」
「ちょっ…隊長ォ…!」
「…もういいの、八雲」
( あの時、ただ一人の家族の為に叫ぶ
幼い少年の悲痛な叫び声に背を背けたのは )
( 紛れもない、私なんだから )