二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【カエル編】 ( No.22 )
日時: 2013/09/18 22:53
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: HZjgBtCK)

 瑠李様

近藤「最初あってたのに何で言い直したのォォォ?!」

メルアドはちょっと教えられないかな(´・ω・`) ごめんね!
クォリティ低くても大丈夫vV 楽しみにしてるねー♪

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 カエルだろうが天人だろうが幕府だろうが、
 真選組局長を酷く侮辱するのだけは許さない。


 09訓 自分の思いを貫いてゆけ 


 私と兄さん、それに八雲は急いで近藤さんの元へ向かう。
 

「ッ?!」
「近藤さんッ!」


 近藤さんが肩から血を流して倒れてる…?!
 総悟が必死に近藤さんの名前を呼んでる。ザキは…既にいない。


「総悟、何があったの?」
「近藤さんがそこのカエルを守ったんでィ。ザキの野郎がもう犯人追ってるぜィ」
「そこのカエルとは何だ?! フン、…しかしまァ」


 ——猿でも盾代わりにはなったようだな。


 その言葉を聞いて総悟が素早く刀に手をかけた。
 一瞬で首が飛ぶ…というとき、兄さんがその手をとめた。


「止めとけ」
「……」
「…瞳孔開いてんぞ」
「…だってよォ、栄蓮」
「って私かァァッ?!」


 チン、と鞘に刀をおさめる総悟。…何とかおさまったみたい。


「八雲、部屋に布団敷いて。近藤さん運ぼう。
 あと三番隊! 今すぐ全員警備について! カエルさん守るんだよ!」


 そう叫ぶと威勢のいい返事が返ってきた。
 近藤さんが身をはって守ったんだ…。だったら私も…頑張ら、ないと。
 

「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだァァァッ…!」
「……副長、隊長が何か凄い暗示かけてます」
「……見守っといてやれ」


 —


「ホシは“廻天党”と呼ばれる攘夷派浪士集団。
 桂たちとは別の組織ですが、負けず劣らず過激な連中です」

「…そーか。今回のことは俺の責任だ。
 指揮系統から配置まで全ての面で甘かった。もっかい仕切り直しだ」

「……副長。あのガマが言ったこと聞いたかよ!
 あんなこと言われてまだ奴を守るってのか?!」


 原田さんが声を上げて反論している。
 …まーァ、確かに…あの台詞はいただけなかったよねェ。

 一歩間違ってたら私が抜刀してたね! アハッ!


「副長…勝手ですがこの屋敷内色々調べてみました。
 倉庫からどっさり麻薬コイツが…。
 もう間違いなく奴ァクロです」


 あー、やっぱりね。…ま、んなこたどーでもヨロシ。
 隣に座ってる八雲を見れば、彼もこっちを微笑んで見てきて。
 
 ぃよし、と2人同時に立ち上がれば注がれる視線。
 痛い痛い痛い痛い! 視線が痛い!


「栄蓮隊長、風霧副隊長! まさかまだあのカエルを守る気ですか?!」
「え、まァそんな感じ? ねェ、八雲?」
「そっスね」

「どうしてです?! 麻薬を所持してるようなやつですよ?!
 こんな奴を守れなんて一体今の幕府はどうなって…ッ」


 悔しげに俯くザキ。…分かんなくも、無いけどね。


「…私が守りたいのは、近藤さんだから」
「…え?」

「だから…私が守りたいのは幕府なんかじゃないの!
 アンタらはどうか知らないけどね、私は近藤さんを守りたい!
 だから近藤さんの指示なのであれば、私はそれを遂行する!
 近藤さんが守ろうとしたものは、私だって守る!

 今の私があるのは…近藤さんのおかげだからねッ!」


 そう言うと見開かれる隊士達の瞳。そーいうことなのさ。
 

「カエルは大っ嫌いだけど…守らなきゃなんないなら守るよ」
「以下同文。ちなみに俺ァ隊長の指示でもあるんで」

「何より…三番隊は攘夷浪士共の討伐が責任だからね!
 近藤さんに…。近藤さんの守ろうとしたものに歯向かう奴は、私の敵でもあるのね!
 …っつーことで、三番隊出動してきまーす!」

「お先に失礼しまーす」
「って八雲ォォッ! 何かサボるみたいな感じになるからそれ止めてェェッ!」


 ——ピシャンッと閉まった障子。静寂が室内を包んだ。
 土方は煙草の煙を一度はいて、フッと微笑んだ。


「…そう言うこった」
「「「ッ!」」」
「俺の大将も…昔から近藤さん(コイツ)だけだ」 


 バラガキ兄妹だ何だと呼ばれていた、あの頃から。


 —


「…で」
「で??」
「……なァァァにやってんの総悟ォォォォッ?!」


 カ、カ、エル…どの…オヴェッ…!
 カ、カエル…さん何かはりつけられてその足元で薪焚かれてますよォォ?!


「…沖田隊長」
「何でィ、八雲」
「……カエルの丸焼きって、美味いっスかね?」
「よっしゃやってみようぜィ」
「待てェェェッ!!!」


 何ていうか、うん! 私が兄さんに怒られるゥゥゥッ!
 だって何かでかい口叩いて来たあとだよ?! ダメでしょ?! ダメでしょォォッ?!

 いやカエルは大嫌いだけども! 寧ろ焼き尽くしてほしいけどもッ!


「…何してんのォォォォォッ!! お前らァァッ?!」
「「大丈夫大丈夫、死んでませんぜ」」


 何で八雲も江戸っ子口調? 兄さん登場ー。


「要は守ればいいんでしょ? これで敵おびき出してパパッと一掃。
 攻めの守りでさァ」

「貴様ァ、こんなことしてタダですむと…」
「喋るなカエルゥゥゥゥゥッ! キモイィィィィィィッ!」
「もぺ!!」


 口の中へ薪を投入ゥゥゥッ! マジで喋るなァァァッ!
 これでも気を失わないように掟シ○ジチックな暗示かけまくってんだよ…!


「土方さん、栄蓮、八雲。俺もアンタらと同じでさァ」
「……」

「早い話真選組ココにいるのは近藤さんが好きだからでしてねぇ。
 …でも何分あの人ァ人が良すぎらァ。
 他人のイイところ見つけるのは得意だが、悪いところを見ようとしねェ」


 …その通りだね。


「俺や土方さん、栄蓮や八雲みてーな性悪がいて、
 それで丁度いいんですよ真選組は」

「「…ハハッ」」


 私と八雲は小さな声で同時に笑ってしまう。
 まさか総悟がこんなこと言うとは。…愛されてるなァ、近藤さん。


「…フン。あー、なんだか今夜は冷え込むな…。
 薪をもっと焚け総悟、八雲。…栄蓮は気を保て」


 兄さん、それが1番簡単なようで難しいんだよ?
 良い子の皆さんは覚えておこうね!


「も゛ぐらっはめっそ」
「何語ォッ?! てゆか何てェェッ?!」
「——土方隊長! 敵です!」
「ッ?!」


 門の方を見れば噂の攘夷浪士共、“廻天党”の連中。
 ゾロゾロと屯所の敷地内に入ってくる。


「天誅ぅぅぅ!! 奸賊めェェ!! 成敗に参った!!
 どけェ、幕府の犬ども。貴様ら如きにわか侍が、真の侍に勝てると思うてか」

「ねェ八雲? あのはちまきダサくない? “天誅”とかかいてあるよ? ヤバくない? センスヤバくない?」
「ありゃぁヤベーっすね。ウ○コ以下の土方スペシャルっスね」
「ちょ、それどーゆう意味だァァァァッ?!」
「アンタらこんな時まで漫才繰り広げますかィ? 死ね土方兄」
「攘夷浪士の前にテメェを先に斬ってやろうかァァ?! しかもちゃんと“兄”ついてるしィィッ?!」


 あれま、ぼーぜんとしてるよ攘夷浪士共。
 んじゃま、そろそろ行きますか!


「んじゃまァ…派手にいくとしよーや」
「——まったく喧嘩っ早い奴等よ」
「「「「!」」」」


 この声は…近藤さん?!
 後ろを振り返ると、真選組総員が外に出てきていて。
 その中央で指揮をとっているのが近藤さんだった。


「三番隊とトシと総悟に遅れをとるな!!
 バカガエルを守れェェェェ!!」


「…やっぱ、近藤さんだね」


 私がつぶやくと、兄さんと総悟は小さく微笑んだ。
 八雲もコクコクと頷いている。


「行くぞォォォ!!」


 っしゃァァッ! いきますかァァァッ!




(ヨシ…全員御苦労だった! 攘夷浪士共は全員のびている!)
(バカガエルさん、大丈夫っスか?)
(誰がバカガエルか! …大丈夫だ)
(栄蓮栄蓮、カエルに慣れたんじゃねェの?)
(ほほぅ。ならば今から一緒に来い、女)
(…………)
(総悟。コイツもう気ィ失ってるから)