二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【真選組動乱編】 ( No.261 )
- 日時: 2014/01/14 22:51
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 4RLKS53x)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11750146599.html
Sora様
やっとこさ沖田タイムです(´∀`)!ww
精神が図太いんでしょうねw
まァ八雲は馬鹿ですが(`・ω・´)+キリッ
—
参照≒「八雲&八雲」。意味分かんないですね、はい(´∀`)
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106訓 普段喧嘩してる奴からの一喝はかなりきく
「…総悟…」
近藤がその名を呼んだ。沖田はそれには答えずにただただ歩む。
伊東はじっと沖田を見つめ、ふぅと息を吐いた。
「沖田君…、…やはり君は土方派。僕に近づきその動向を探るためのスパイ…。
土方を裏切ったのも…僕をあざむくための芝居だったか」
「…芝居じゃねーよ。……言ったはずだ。
俺の眼中にあるのは副長の座だけだ。邪魔な奴は誰だろうと叩き潰す」
「……」
「土方は消えた。次はテメーの番だよ、伊東先生」
冷徹にも沖田はそう言い放った。
「俺ァてめーの下にも土方の下にもつくのは御免だ。俺の大将はただ一人…。
——そこをどけ。…近藤の隣(そこ)は副長(オレ)の席だァ」
ニヤリと笑って言った沖田に対し…伊東は心底愉快気に笑った。
「クククッ…とんだ性悪だ。
土方を消すため僕を利用し…用済みとなれば僕を消すか。
…いいじゃないか。…僕も、君と同じ意見だ」
その時、沖田の背後に潜んでいた隊士が彼に襲いかかった。
しかし一足早く沖田がピッと何かのボタンを押す。
——ドオォォォォォォン!
列車の後方で爆発が起きた。大きな揺れが発生し、隊士達は倒れる。
「チッ…爆弾を……! ……?!」
沖田が近藤に手を差し伸べて逃げようとしている。
いち早くそれに気づいた伊東は、大きな声で隊士達に命じた。
「逃がすな! その二人は逃げようとし——」
「安心しなァ、テメーは逃げらんねェからよォ」
冷たい声が伊東のすぐ耳元で聞こえた。
反射的に伊東が振り向くと、そこには列車に乗る前に自分を呼びに来た黒髪黒目の隊士。
その男は片目に手をかけ、瞳から何かを出す。
黒い、コンタクトレンズ。
「き…貴様まさか…ッ!」
青色の瞳が悪戯っぽく笑った。
—
ところ変わって万事屋組一行。必死に近藤達の元へとパトカーを走らせている。
「ど…どうしよう…。近藤さんが…っ、このままでは近藤さんが…! 暗殺される……ッ!
ッ土方さん! しっかりしてください、土方さん!」
「僕はしらない僕はしらない…!!」
「っこのままじゃあなたの大切な人が…大切なものが…ッ!
ッ全部なくなっちゃうかもしれないんですよ!!」
「…神楽、無線を全車両から本部までつなげろ」
「あいあいさ」
「…天パ?」
しーっと言わんばかりに銀時が一本指を立て、栄蓮に見せた。
栄蓮は素直に頷いてさがる。
「…あ〜〜あ〜〜。もしも〜〜し。きこえますか〜こちら税金泥棒。
伊東派だかマヨネーズ派だかしらねーが…全ての税金泥棒どもに告ぐ。
今すぐ今の持ち場を離れ、近藤の乗った列車を追え。もたもたしてたらてめーらの大将首とられちゃうよ〜」
「天パ……」
「こいつは命令だ。背いた奴には士道不覚悟で切腹してもらいます」
[ イタズラかァ?! てめェだれだ! ]
「てめっ、誰に口きいてんだ。…誰だと?
ッ真選組副長、土方十四郎だコノヤローッ!!!!」
ガシャァン、と銀時が無線を投げ置いた。
「銀さん…」
「ふぬけたツラは見飽きたぜ。
丁度いい、真選組が消えるならてめーも一緒に消えればいい。墓場までは送ってやらァ」
「じょ、冗談じゃない、僕は行かな……」
「てめーに言ってねぇんだよ!」
ガッと銀時がハンドルを握るのをやめ、トッシーの胸倉を掴んだ。
慌てて神楽がハンドルを握る。
「オイ、きいてるかコラ、あん? 勝手にケツまくって人様に厄介事押しつけてんじゃねーぞコラ。
てめーが人にもの頼むタマか。てめーが真選組他人に押し付けてくたばるタマか」
「……っ」
「…てめーが…。…てめーが妹に護られるタマか。ンな泣きそうなカオしてる馬鹿放っておくタマか。
ッ兄貴が妹護ってやらねーで、誰が一番に護るんだ?! あ゛ァ゛?!」
「銀さん…」
「くたばるなら大事なもんの傍らで剣振り回してくたばりやがれ!
くたばるならテメーが大事なもん護ってくたばりやがれ!
ッそれが土方十四郎だろーが!!!!!」
銀時が青筋を浮かべて土方に叫ぶ。
栄蓮が銀時の名を掠れた声で呼んだ。…その時だ。
ミシッと強い…強すぎる力で土方が銀時の腕を掴んだ。
「…ってーな…」
「……!!」
「…痛ェって…、ッ言ってんだろーがァァァァァ!!!!」
次の瞬間、物凄い勢いで銀時は頭を叩きつけられた。
栄蓮と新八は目を見開いている。
「ま…まさか……。…まさかッ…!!」
—
「伊東先生! 爆破箇所から炎が出てこれ以上は危険で…」
「電車をとめるな!!」
「!」
「止めれば近藤に逃げられる! この電車にはあの二人以外…」
——違う。二人じゃない。
はっと伊東は先ほどにんまりと笑った青目を思い出した。
一瞬にしていなくなったが…アレは間違いなく。
「風霧八雲がいる!」
「え…?!」
「風霧八雲が変装して紛れていた! しかしそれでもたった三人だ!
電車が走り続ける限り奴等は袋の鼠だ!」
——ところ変わって、別の車両。
「で…なーんでここにいるんでィ? 地獄から舞い戻ってきたのかよィ」
「いや、ただ単に化けてただけっスよ」
「八雲、怪我は?! 怪我はどうなんだ?!」
「あァ…」
グイッと八雲は隊服の前を開け、その腹を二人に見せた。
腹にはこれでもかというほどの包帯が巻いてあるようだ。
「止血成功ッス」
「どこがァァァ! こんな包帯の巻き方見たことねーよォォォ?!」
「いや、時間がなかったんスよ」
『 そっちだ! そっちへ逃げたぞ! 』
『 追えェェ! ッ追うんだァァァ! 』
腹に重傷を抱えたまま八雲はとりあえず逃げ続け、橋にさしかかった。
隊士との距離はかなりあいている。八雲は一瞬で判断した。
腰から鞘ごと抜き取り、そのまま橋から飛び降りる。
そして体をひねり、橋の裏側に掴まったのだ。
次の瞬間片手に握っていた臨月を思いっきり川へと投げつける。
ドボォォォォォォンッ! という水音とともに、激しい水しぶきがあがった。
『 なッ…?! 川に飛び込んだぞ! 』
『 どちみちあの状態では生存は不可能だろう 』
数十秒おくれてやってきた隊士達は、その音と八雲の姿が見えないことでそう判断したのだろう。
橋の上から、分厚い橋の下に掴まる八雲が見えるわけもない。
「…で、ヅラとカラーコンタクト入手して屯所に戻り…そこいらにあった包帯で止血。
そっから適当に刀見繕って合流。あ、ちなみに軽く声も変えてました」
「「マジでか」」
服を戻しながらいう八雲に、沖田と近藤は茫然としている。
だが…そんな八雲を見てフッと沖田は笑い、近藤を車両内に押し込んだ。
え、と目を丸くする近藤には目もやらず、扉に鍵をかける。
「そ…総悟?! 何をやっている、開けろ!」
「…近藤さん。大将の首とられたら戦は負けだ。ここは引き下がっておくんなせェ」
「ふざけるな! …開けろ!!」
「沖田隊長…」
ガシャ、と車両を繋いでいる部分を外し、沖田は伊東達のいる車両側へと飛び移った。
立ち上がろうとする八雲を制する。
「沖田、隊長……?」
「…近藤さん、だから何度も言ったでしょ。アンタの悪い所は人が良すぎるとこだって。
誰でも信じて疑おうとしねェ。挙句あの伊東まで懐に抱え込んじまうたァ…。
…まァ、いつかはこうなると思ってやしたがねェ…」
「総悟! オイ、開けろ!」
「…だがそんなアンタだからこそ俺達ゃ集まった。
そんなアンタだからこそ…一緒に戦ってきたんだ。
——そんなアンタだからこそ…命張って護る甲斐があるのさァ」
フッと沖田は微笑み、八雲の方を見た。
「八雲。もし外部からさらに敵がせめてきたら…近藤さんを、護ってくれ」
「まさか…。…アンタ一人で…」
「バカヤロー。ちったァかっこつけさせやがれ」
ヘラヘラと沖田は笑い、次に真剣な瞳で八雲を見つめた。
「どっかの馬鹿女ハメた野郎共も…ちゃんと粛清したらァ」
「…沖田隊長…」
「だから……」
——“近藤さんを、頼んだ”
そう言って向かっていく沖田。八雲は目を細めてその背を見送る。
近藤が何か叫んでいる。が…、
男があんな真剣な表情をしているのに、どうして止めろというのか。
「…ったく。かっこよすぎッスよ」
( とっとと来いよ、最凶コンビ )