二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【真選組動乱編】 ( No.281 )
日時: 2014/01/27 17:23
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 4VTwAiyE)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11758972044.html


 Sora様


八雲「それならうちの隊長もかなりの年下にマジになってましたよ」
栄蓮「う゛」
八雲「いや俺なんて全然。松菊隊長の方がかっこよいッス」
栄蓮「そうですそうです! 八雲なんてこれっぽっちも!」
八雲「……」
栄蓮「……。…え、ごめん」


八雲は幽霊嫌いコースター嫌いなバーローですよ←
栄蓮は美人設定なのにそれをいかせないバーローッスy((


栄蓮&八雲「誰のせい?」

栄蓮んんんお前かっこよかったってさァァァァァァ!

栄蓮「あざぁぁぁっす!」

the☆単純(´∀`)


 —


 113訓 どんな名前にも色んな思いがこめられている


 栄蓮が発砲していた浪士を斬りつけ、銀時が万斉に刀を刺し続ける。
 クッ…と万斉が銀時を見た。


「白夜叉ァァ! 貴様は何がために戦う! 何がために命をかける!
 最早侍の世界の崩壊は免れぬ! 晋助が手を下さずともこの国はいずれ腐り落ちる!
 ぬしが一人あがいたところで止まりはせん!」

「づ…ッ」

「この国に護る価値など最早ない! 天人に食いつくされ醜く腐る国に潔く引導を渡してやるが侍の役目!
 この国は腹を切らねばならぬ!」


 万斉のその言葉にニタリと銀時は笑う。


「死にてーなら一人で練炭自殺でもなんでもしやがれ…ッ」

「…坂田銀時、貴様は亡霊でござる。かつて侍の国を護ろうと晋助らと共に戦った思い…。
 それを捨てられず妄執しとらわれる生きた亡霊だ!」

「うるっさいんだよクソヘッドホン野郎ォォォォ!」


 青筋を浮かべて栄蓮が叫んだ。ハッと銀時と万斉がそちらを見る。


「そいつはねェ! 甘党でクソ天パで滅茶苦茶な奴だよ!
 読めないし会えば喧嘩ばかりな奴だよ!
 しろやしゃだか何だか知らないけどよく分かんない奴だよ!」

「…」

「でもねェ…ッ、筋一本真っ直ぐ通った、今を生きる侍だってことは知ってんだァァァァ!!」

「瞳孔女…」

「フン…、そのボロボロな身体で何ができるというでござるか!!」


 ヘリの中にいた浪士を斬っていた栄蓮の足に万斉が刀をつきさした。
 ガクンとその足がおれ、その身がヘリから落ちていく。


「!! 瞳孔女ァッ!!」


 銀時が手を伸ばし、それを支えようと自分も落ちていった。
 ふっと万斉は身を乗り出す。


鎮魂歌レクイエムをくれてやるでござる。……?!」


 ビギンと弦がヘリに絡みついている。
 万斉は驚愕し、まさかと土煙に隠れている栄蓮と銀時の方を見た。


「オイ…にーちゃん。ヘッドホンをとれコノヤロー」
「!」


 いつの間にか二人の刀に弦が絡みついている。


「耳の穴かっぽじってよぉくきけ。俺ァ安い国なんぞのために戦った事は一度たりともねェ。
 国が滅ぼうが侍が滅ぼうが…どうだっていいんだよ俺ァ。…昔っから」

「!」


 二人がヘリを引こうとしているようだ。
 並大抵の腕力ではできない。それでもメキメキと音を立てながら。


「今も昔も…俺の護るもんは何一つ…ッ!
 ッ変わっちゃいねェェェェェェ!!」


 その銀時の言葉を合図にしたかのように、栄蓮も一層力を込めた。
 腹から声を出しながらブンッと刀を振る。


 派手に音をたてて、思いっきりヘリが地面に叩きつけられた。


「なっ…」


 その様子を電車の中から近藤や土方や沖田、新八や神楽は見つめていた。
 そして…先程の銃弾を大量にくらい、うずくまっている伊東も。


「…何をしている」
「……」
「ボヤボヤするな。——副長」


 指揮を、と言った伊東に土方は頷いた。
 電車からトップスリーは降りて、今尚戦闘中の隊士達に叫ぶ。


「総員に告ぐゥ! …敵の大将は討ちとった!
 最早敵は統率を失った烏合の衆! 一気にたたみかけろォ!」


 副長の叫びに隊士達は一斉に浪士共に攻撃する。
 近藤や沖田も一斉に斬りかかった。


 栄蓮もグッと足に力を込めて立とうとするが…ブシッと足から血が吹き出た。


「…っオイ…」
「あー…弦が…思いのほか食い込んでたみたい…だね…」
「立てっか」
「…アンタこそ」


 ぬっと影が落ちる。二人ははっと後ろを見た。
 万斉の仇だと言わんばかりに、浪士複数が斬りかかってくる。


「しまッ…!」


 た、という言葉は続かなかった。
 一斉にその浪士達が斬りつけられたからだ。


「おーおー…。隊長も、坂田さんも…ボッロボロ、ッスねェ」
「や…八雲君?!」
「ふっ…そーいうアンタも、ボロボロじゃん」


 ニッと栄蓮と八雲は笑う。
 八雲が栄蓮と銀時に手を差し出し、二人はそれを掴んでグッと立ち上がった。


「んじゃまァ…最後、いくか」


 三人は撤退しようとする浪士達の前にたちはだかった。


「な…なんだ貴様らァァ!」
「どきやがれェェェェェ!」


 少しでも浪士の数を減らしておくが吉だ。ザッと三人はかまえる。


「攘夷浪士討伐専門三番隊隊長、土方栄蓮」
「同じく三番隊、副隊長、風霧八雲」
「万事屋ァ、坂田銀時」

「「「ッいざ参らァァァァァァァァァ!!」」」


 —


 何故いつだって、気づいた時には遅いんだ。

 何故共に戦いたいのに…、立ち上がれない。

 何故剣を握りたいのに、…腕がない。


 何故…、ようやく気づいたのに…、


「僕は…死んでいく…」


 電車の中で茫然と伊東は言った。
 神楽と新八の眉がしゅんとさがる。


「死にたくない…。…死ねば一人だ…。
 どんなイトさえ届かない…。…っもう、ひとりは……」


 ——嫌だ。


 その言葉が続けられることはなかった。
 真選組隊士が、今にも事切れそうな伊東の元へやってきた。


「…そいつをこちらに渡してもらえるか」
「…………。…お願いです。この人は、もう……」
「万事屋…、今回はお前らには世話になった。だがその頼みだけはきけない」


 冷静に原田は返す。チラリと伊東を見た。


「そいつのために何人が犠牲になったと思っている。裏切り者は俺達で処分しなきゃならねェ」
「さ…さっき銃弾から助けてもらったんです。それにこの人は…。……?!」
「…連れていけ」
「こ…近藤さん!」


 自分の肩を掴んだ近藤に対して新八は声を荒げた。
 伊東が隊士達に支えられて連れて行かれる。


「なんで! 近藤さん、どうして…?! 近藤さっ…、……!」


 思わず言葉を呑む新八。それはそうだ。
 近藤も静かに涙を流していたのだから。


「…そうさ」
「!」
「ほっといたって奴ァもう死ぬ。…だからこそ斬らなきゃならねェ」


 戻ってきていた銀時が電車にもたれながら言った。
 
 隊士達が大きな輪を作り、その中心に伊東は倒れている。
 そんな伊東に刀が差し出された。


 彼が特注した、…真っ白な刀。


「え…栄蓮くん」
「…どうぞ、使ってください。男の人には…ちょっと使いにくいかもしれないですけど」
「……!」


 羨ましかった。受け入れられている彼女が。
 嫉妬していた。…気づかぬ間に。


 でも、心のどこかでは認めていた。
 

 だからこそ…刀を頼むとき、この刀しかないと思った。
 この刀が似合うと言われる女性の特徴も、しっていたから。


「…立て、伊東。決着つけようじゃねーか」


 伊東をうす汚い裏切り者のまま死なせないために。
 武士として。…仲間として、最後は斬るのだ。



 栄蓮に差し出された真っ白な刀、白花を握って伊東は立った。
 ニッ、と伊東と土方は笑う。


「っ土方ァァァァ!!」
「伊東ォォォォォ!!」


 
 ——ドパァッ

 斬りつけられた伊東の体から大量の血がとんだ。


『 白花はねェ、女性専用の刀と言っていいほどなんだよねェ。
  それでねぇ、この白花をその持ち主の女性から渡されるってのは、何か意味があるらしいよ 』


 伊東は自分を囲む近藤や沖田、兄妹等隊士達の方を見た。
 そして…その隊士達全員から自分に向かって真っ直ぐな絆(イト)が伸びているのも、見えた。


『 何だったかね…。“貴方は一人じゃない。私がいます”って意味らしいよ? 』


 フッ…と伊東は幸せそうに微笑んだ。


「…がとう。——あり…がとう…」


 そして…ドシャッ、とその場に伊東は倒れ込んだ。

 
 ——白花。

 女性から男性に渡されるのには、意味がある。 
 それは女性がその刀を自分の魂に置き換えた、メッセージ。


( 例え貴方がどこにいようと、貴方は一人じゃない )
( 貴方は孤独などではない )
( 貴方がどうなろうと、貴方は永遠に私の心の中に )
( 私は貴方の心の中に、います )


 —


 要するに伊東さんは一人じゃないよ、っていう栄蓮からのメッセージ。