二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【追憶編】 ( No.287 )
- 日時: 2014/01/29 21:34
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 4yRqeNGS)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11760535384.html
Dr.クロ様
基本バラガキ優先なのでなかなか更新せずですいません…!
ちょっとずつでも増やしたいとは思ってます(´Д`;)
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『 姉貴 』
ちいさなちいさな、子供。
無邪気に笑って、私の周りをいつもちょこちょこ走ってて。
可愛い、大好きな…弟。
『 な、姉貴! 俺な、夢があるんだ! 』
『 夢? ほぅ…初耳ね? なになにー? 』
『 聞いて驚けよォォ! めっさ凄いぞ! めっさかっこいいぞ! 』
『 はいはい 』
コホンと咳払いをひとつ。
ニカッと純粋に笑みを見せて、弟は私を見る。
『 まず姉貴よりも強くなるゥ! 』
『 無理ね 』
『 速攻で拒否ってひどくない? 強くなるし! 俺強くなるし! 』
『 はいはい。…で? 私より強くなってどーすんの? 』
『 お、おう! 強くなって! …それで… 』
『 それで…? 』
にっこりと弟は笑う。ほんの少し、照れながら。
『 それで、姉貴を護るんだっ!! 』
えへへっと言わんばかりに笑う弟。…ああ、もう。
——————————大好き。
『 ふふっ…八雲にはムーリよ 』
『 ぁんだとコラァァァァァ! 俺だってなァ! 俺だってなァ! 』
『 あ、おやつの時間ね 』
『 よっしゃァァァおやつーゥッ! 』
単純で、前向きで、不器用で、おバカで、努力家で。
…私が、護りたいと思える、唯一の存在のひとつ。
ねェ、八雲。
——————————貴方には、幸せになってほしいの。
115訓 夢は見るものじゃなくてつかむもの
『 一本! 風霧晴香! 』
『 おお! 』
はい、一本。…今日も楽勝…かな?
道場主のお父さんの方を見れば、優しく微笑んでくれて。
『 また強くなったな、晴香。父さん嬉しいよ! 』
『 えへへっ… 』
『 お前はやっぱり天才だな! うん、流石俺の子!! 』
ガッツポーズをして言うお父さん。…天才、じゃないんだけど。
『 何言ってるんですか、貴方。晴香は秀才です。努力の結果ですよ 』
『 …お母さん… 』
『 それに晴香は私の子です! 流石私の子!! 』
『 そっち? 』
…ん? …んんん? なんか凄い視線を感じ…る……。
……。…何か八雲がすごく恨みのこもった視線を投げかけてくるんだけど…。
『 …フン! いーもんねェェェ! いいもんねええええええ!! 』
『 あぁっ、八雲ォォォ! 勿論お前も自慢の子だァァァァァ! 』
『 え、ホント?! 俺も自慢の子?! 』
『『 もちろん! 』』
『 よっしゃァァ俺頑張るゥゥゥゥゥ!! 』
うん、単純。超単純。そしてバカ。
『 コラ姉貴ィ! もーすぐ抜いてやるからなァ! 』
『 はいはい 』
『 覚悟しろォ! 頭洗って待ってろォォォォォ! 』
『『『『 首じゃね? 』』』』
門下生達からも思わずツッコミが入るそのお馬鹿っぷり。
でも…その周りには、いつでも笑顔があって。
『 晴香も抜かれないように頑張らないとな! 』
『 フフッ…。有り得ない 』
『 断言してんじゃねーよバァァァカッ! 』
『 コラ、誰がバカよ?! 』
『 バーカッ! バーカバーカバーカッ!! 』
いや、私だってまだ子供なわけで。…カチンとはくる!
よっし! …叩きのめす!
『 コラアアア八雲ォォ!! かかってこいィィィィィィ! 』
『 はア?! 喧嘩売ってんのかァァァクソ姉貴ィィィィ! 』
『 よォっしゃァァァァ! 覚悟しなさいいいいいい! 』
『『 うおらあああああああ!! 』』
—
『 ぃっ…づええええええええ! 』
…ヤ、ヤッチャイマシタ。…ゴメンネ、ヤクモ。
あの…力みすぎて(八雲が)…見事に私に対して空振りして…。
で…その…その顔に私の竹刀が顔面ヒィット!
『 じゃねーよ! 超いてーんだよ! 』
『 ごめんごめん 』
『 まったくゥ! 』
…ってこれ私が悪いの?
『 …まったく…強すぎだよ 』
『 え… 』
『 姉貴、強すぎ。…対峙した瞬間威圧感が凄くて…、…足がすくんだ。
…あーあっ! 夢が叶うのは遠そうだァァァァァァ! 』
…この子はホントに。…自分の成長にも気づいてないのね…。
ここ、『風霧道場』はなかなかの名門道場で。
父さんや母さんの教え方も上手だから、皆伸びるのがはやい。
…そのなかでもとりわけ八雲は飲み込みがいい。
一応今は私が一番だって言われてるけど…正直いつ抜かれるか。
『 大丈夫よ、八雲。…きっと叶うわ 』
『 姉貴… 』
『 ふふっ…。…護ってくれるんでしょ? 』
微笑んで言えば、カァッと頬を赤らめる八雲。
…自分で言ってたくせに照れすぎよね?
『 ま…護る、よ。…うん。……うん 』
『 ちょ、そんな照れないでよ。私も恥ずかしくなるじゃないの 』
『 う、うるせーっ! 』
…でも、ね。
私だって、貴方を護ろうと思っているのよ?
『 …いつでも笑っててね 』
『 え? 何か言った? 』
『 なんでもないわよ〜ぅ 』
『 ズリィ! 教えろよぅ! 』
『 何がズリィの? 』
穏やかな、あったかい日々。
…八雲も強くなった。本当に…本当に強くなった。
いつか出て行くのかな…。
将来は何になるんだろう?
どんな女の人に惚れるのかな?
どれくらい強くなるんだろう?
何歳くらいで結婚するだろう?
あぁ…。…すっごく、楽しみ。
『 八雲〜。変な女の人に惚れちゃダメよ〜? 』
『 姉貴みたいな? 』
『 どーゆう意味? 』
『 …っていうかいきなり何だよ? 』
『 んー? ちょっと楽しみになっちゃって〜 』
『 お、晴香、八雲。まだ起きてたのか? 』
あ、お父さんとお母さん。…あ、怒られちゃう?
『 今夜は月が綺麗だから! 姉貴と見てたんだ! 』
『 あぁ…まるで母さんのようd 』
『 晴香ァ、八雲ォ。寝ましょうか〜 』
『 母さァァん?! 結構恥ずかしいよォォォォ?! 』
お父さんはお母さん大好き。…み、見てるこっちが恥ずかしい。
でも…お母さんも、お父さんのこと大好き。
私も八雲も、二人のことが、大好き。
…幸せすぎる、家族。
『 ホントに月が綺麗… 』
『 まるで母さ 』
『『 もういいわよ 』』
『 八雲ォォォ! 母さんが俺の愛を受け取ってくれないィィィ! 』
『 …zzz 』
『 って寝てるゥゥゥゥ?! 』
フッ…まだ子供ね…! 私なんて全然眠くな…。
…………。…ねむいです。
『 …おやすみ、八雲、晴香 』
『 また明日…。…頑張ろうな 』
『 …うん… 』
…この家族が、大好きなんだ。
( 幸せだと、思っていたから )