二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【桂小太郎編】 ( No.31 )
- 日時: 2013/09/23 13:53
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: Ov8Bp1xS)
体調管理は昔から苦手なんだけど、ちょっと待て。
————なんでこの桂が私の手をひいて共に逃げている?
13訓 敵だとしても何やかんやの想いはある
「ぅぷ…ッ!」
「……ここなら安全だろう」
クーラクーラしまァァァァァす…。視界がぼやけまァァァァァす…。
頭痛が止まらない…昔から風邪ひきやすいんだけど…このタイミングかよォ…ッ!
「ハァ…それにしても酷い顔色だ」
「うるせェェ…! っていうか…何で一緒に逃げてんのォォ…!
アンタあっち側でしょうが…! 何で庇ってんの…!」
殺したきゃ殺せやオルァァァァァッ…!
まぁ返り討ちにするけどね? ふはははははははははは!
…やばいよ、自分が何言ってるか分かんなくなってきた…。
「…勘違いするな。別に貴様を助けたわけではない」
「ツンか、ツンなのか? ツンデレなのかお前は?」
「ツンでもツンデレでもない、桂だ」
「いやそうじゃなくて」
コイツほんっとーうに調子狂うのよね…相手してると。
こうやって謎の行動をよく起こすし…。
「攘夷浪士としての決まりも俺の中ではある」
「はぃィィ…? 何ソレ…?」
「貴様が素手相手に決して刀を使わないのと同じだ。
手負いの人間を殺っても俺の心は晴れん。
そしてそのようなことを…同志の人間にもしてほしくなかっただけのことだ」
…あァ、やっぱりコイツも侍なんだ。
それなりの武士道をしっかり持ち合わせている。
「攘夷浪士がよーく言うよ。…っていうか私手負いじゃないし」
「…そんな体調では手負いと同じような状態だろう。
まぁ、それだけの理由でもないのだがな」
何だそれ。ケチケチせずに言いやがれコンニャロー。
「貴様を負かすのは…この俺だ」
「な…ッ!」
「今まで散っっっっっっ々世話になったからな。
必ず俺が貴様を討ちとる。…互いに全力を出し合える時にな」
バ桂が…言うじゃん言うじゃん…!
「言ってくれるねェ、桂が」
「フン。…だからそれまでに殺られるのではないぞ」
「……バ桂が」
んなこと言われなくったってねェ、殺られるわけないじゃん。
…それにね、バ桂。そう思ってるのはアンタだけじゃなくてねェェッ!
「…アンタを殺るのは私だよ」
「……」
「それまでに死んだら…地獄の果てまで行って殺すから」
「否、もう殺すも何もないだろう」
「うるさいわァァァッ! とにかく…!
…アンタもやられるんじゃねぇぞーッ!」
「…当然だ」
あァ…限界かも、しれないなァ…。
とりあえず八雲のところまで行かないと…!
で、早く桂を帰さないと…コイツが裏切り者扱いになる…。
「バ……か、つら」
「……何だ」
「今日は…見逃す、から…早く、行って…!
但し…次会ったときは、…マジで、ボコるから…!」
「……」
ほら…聞こえるでしょ? …近づいてくる足音。
ゆっくりと、でも確実に…まるで誰かが消えるのを待っているかのように、ね?
「…そうだな。今日は退散するとしよう」
「……礼は言わないよ?」
「言われた方が気色悪い」
「どーいう意味だ、このバ桂…」
「…バ桂じゃない」
————“桂小太郎だ”。
そう言って桂はすぐさま去っていく。
それと入れ替わるように…足音、八雲がやってきた。
「おやァ、隊長ォ。こーんなところにいたんですかー?」
「おォ〜八雲く〜ん…よっくぞ見つけてくださった!」
「流石っしょ?
…攘夷浪士“17名”、討伐終了しましたし…帰りますか」
あァ、まーた八雲に助けられちゃったか?
ほんっとにコイツは…何も知らないようで知ってるんだから。
「ま、…1人大物逃しちゃったみたいッスけどね」
「…やっぱ全部お見通し?」
「…さぁね。借りができたことだけは分かってます」
「全部分かってんじゃん」
さーて…頑張って帰りますか…!
「…………」
「…………」
え、ちょ、え、あの…ちょっとお待ちよ?
あの、イヤなんていうか…体に力がァァァァァァッ!
「…………」
「…………」
「……アノ、八雲クン」
「……お先に行っときますね!」
「ギャァァァァァァァッ! 置いてかないでェェェェェッ!」
(あ、お帰りなさい。風霧副体ちょ…って、栄蓮隊長ォォッ?!)
(ちょ、栄蓮?! どーしたんだ?! グッタリしてるぞォォッ?!)
(…八雲。もしかしてコイツ…風邪でもひいたか?)
(ホントだ。顔がひでーことになってやすねィ)
(沖田隊長、あんたさりげに毒吐きますね…)
(…なんとかは風邪ひかねぇっつーのにな)
(隊長、昔から風邪には弱いっスからね〜。よくよく風邪をひく)
(…ったく。とっとと部屋に放り込んどけ)
( …とか冷たいこと言って、誰よりも心配してるくせによォ、トシ )