二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【お祭り編】 ( No.35 )
日時: 2013/09/23 22:18
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: hSqi2epP)

アメーバにて土方兄妹絵をUPしました。
URLが載せられなかったので、一応報告しておきます。
但し御注意。土方(兄)が土方じゃありません(((
そして栄蓮が美人などではありません!←


 瑠李

髪の色は紫、目の色は青色の二枚目野郎だよ〜(´∀`)
ふわふわキリキリ八雲を楽しみにしてます♪
沖田は病人でも容赦なしッ!←

—————————————————————————
 
 本日は祭りである。将軍も参加するこの祭り。
 真選組は総出で将軍の警備にあたっている。…総出で。


 15訓 悪いことってのは重なるもんだ


「ゲホッゲホッ! ゴボッゲフェッガハッ!」
「死にかけェェェッ?!」


 どーもォォ…風邪ひいて3話目の土方十四郎でぇぇぇす…。
 あ、違う、それ兄さん。…土方栄蓮でぇぇぇす。


「ぬぇぇ…何で私風邪ひいてんのに連れてこられたのォォ…?」
「屯所がほとんど空になるからだ。テメェを1人にゃできねェ。
 とりあえずお前は俺の傍にいろ」


 …らしいでェェす。え、意味わからない…?

 いや、今日は真選組総出で将軍の護衛。で、女中もいないらしい。
 そんな中流石に風邪ひきの私を1人ぼっちにしていけないという事で。


「ゲホッゲホッ! ぬぇぇぇ…苦しいぜェェ…!」
「三番隊の指揮は八雲がとっている。お前は安静にしてろ」
「えェェ…? 遊んでくるッ!」
「めちゃめちゃ元気じゃねェかァァァッ!」


 イ、いや、体調悪い時こそ遊びほうけたいというか!
 …ってまぁそんなこともないから…。あー、マジで苦しい。


「とりあえず…一応見回りしてくるよ」
「ッだから安静にしてろって…!」
「大丈夫大丈夫、ゆっくり歩いていくから」
「いやそう言う問題じゃねェェッ!」


 うっし…マスク装着ゥゥ…! これでバッチリィィ…!
 

「ここにいても暇だし…。将軍様見守るだけでしょ?」
「それが1番重要だろーがッ!」
「ってゆか、三番隊はどのあたりで見張ってるの?」

「ちょ、俺の言うこと全スルー?! 
 …三番隊はあちこちに散らばって攘夷浪士に備えてる。
 八雲もその辺りにいるだろーよ」

「ふぇぇい。じゃ、行ってきまーす」



「…………無理すんなよ」


 何かちっさい声で聞こえたから、片手をあげて返事する。
 ごめんね、兄さん。でもまぁ現場にきたら仕事しないと、ね!
 イヤ、正直言って動きたくないけども! 一応隊長だから!

 とりあえず八雲と遭遇しようかな…。何処にいるんだろ?


「…アレ? 瞳孔女?」
「…ん…?」


 あ、天パだ。相っ変わらずだるそう。


「おぉ、天パ〜。久しぶりだゲホッゲフうっほッ!!」
「ちょ、最後ゴリラ入ってなかった?! …つーか風邪?」
「まァね…風邪ひきやすいのよ私…」
「馬鹿は風邪ひかねェっつーのにな」
「そうだねェ…」

「認めるのか。重症だろお前。いつもみてぇに憎まれ口叩いてこねェし。
 …ヨシ、銀さんが何か奢ってやろーじゃねェか」

「そんなお金あーるーのー?」

「うるせェェッ! テメッ、人が気ィ使ってやってんのに!
 ったく…やっぱ風邪ひいても憎まれ口は健在だなオマエ!」

「はいはい、すいませんねェェ。…じゃ、りんご飴」
「オーケイ。こんな所にいたら邪魔になるし、どっか座っとけ」


 ひらひらと手を振ってりんご飴を買いに行ってくれる天パ。
 …何だかんだでやっぱ江戸はいいな。あったかい人がたくさんいる。

 とりあえずりんご飴もらってすぐに八雲探すかァァ…。


「…まァ、座っておきますか」


  —


「毎度ー」


 りんご飴2つゲーット。あ、もちろん1つは俺のもの。
 
 最悪な顔色してたからなー、瞳孔女アイツ
 とりあえず何か食わせたほうがいいだろ。もう金ねェけど。


「…結構遠くまで来ちまったみてェだな」


 りんご飴の屋台がすぐそこに無かったんだよコノヤロー。


「さて…戻るか」


 ——パァンッ! 
 ——ドン! パン!


 お、花火が上がりだしやがった。…アイツ気ィ失ってねぇだろうな。
 いや、それくらいまでに顔色悪かったからよ。


「——やっぱり祭りは派手じゃねーと面白くねェな」
「…!」


 いきなり背後に感じた気配。木刀に手をかける。
 …が、相手の方が早かったらしい。真剣を当てられている。

 聞き間違えるはずもない。…この声は。


「クク…白夜叉ともあろうものが後ろをとられるとはなァ。
 銀時ィ……てめェ弱くなったか?!」

「…なんでテメーがこんな所にいんだ…、高杉…」

「…ちょっと用のある人間がいてなァ」


 用のある、人間…? 将軍が参加してるらしいが…ソイツか?


「俺の中に獣がいてよォ…その人間を殺せ殺せって呻き続けてんだ。
 銀時ィ…てめぇには分かんねぇだろーけどな。
 過去から目ェそらしてのうのうと生きてるテメーに…、
 牙をなくした今のてめーに…俺の気持ちは分かるまいよ」

「…………」

「おっと…テメェと話してる暇なんざねェ。
 とっととソイツを殺さなきゃいけねェよ俺ァ。獣の呻きが止む前によォ」

「その人間がテメーに何したってんだ?」

「…そうだなァ」


 後ろで高杉が何かを考えているような気配がした。
 しかし俺の身にあてられている刀はまったくぶれない。


「ソイツがいると…色々と厄介でよォ」
「…………」
「…いろんな事を邪魔される訳だ。俺の鬼兵隊も何度か殺られた。
 コレが馬鹿強ぇらしくてよォ。ことごとく計画を潰してきやがる」


 …なんだ? この胸にある黒いモヤは…?


「まァ…向こうからしたらよォ、攘夷派の俺らの方が悪いんだろうけどよ」
「?! じゃあまさか…真選組の人間か……?!」
「察しがいいじゃねェか、銀時ィ。まァ…てめーにゃ関係ねェだろ」
「………ッ?!」


 なんだ、この…嫌な感じは…?!


「…じゃあなァ銀時ィ。…今宵……」


 ————“真選組から、唯一の女隊士が消えるぜ??”

 その言葉が聞こえたと同時に、野郎の気配も消えた。
 唯一の、女隊士…。それにあたる人物は1人しかいねぇ。


「ち…くしょッ」


 いつものあの女なら大丈夫だろうが…今日は別だ…ッ!


「…間に合ってくれよ…ッ!」


  —


「ゲホッゲホゲホッ! うへァァ…苦しいィィ…!」


 おせぇぇぇ…! 天パがおせぇぇぇ…!
 40分以上待ってるんですけどォォォォッ…?!


「ハァァァ…忘れて遊んでるんじゃないだろーなァァ…」


 ——ドォンッ!


「…ッ?!」


 今のは…爆発音?! 花火の音とは全然違った…ッ!
 っていうか…天パ大丈夫なのォォォォッ?!


「攘夷派のテロだァァっ!」
「カッ…カラクリだァァっ! カラクリがこっちに来るぞォォッ!」
「逃げろォォッ!」


 …なんか、やばいことに…なってません…? 
 しょうがないィィ…行きますかァァッ!  


「……………………」


 かっ…体に力がァァァァァッ!

 やばいやばい、カラクリとか攘夷の前にヤバイヤバババイッ!
 何でこういう大事な時に限って体動かないの?! ねぇ教えてケチャップ様ァァッ!
 アァァァァ…祭り来る前に飲んだ薬きれたっぽいな。

 熱あがってきたみたい…。でもッ、とりあえず何とかいかな——ッ


「い、…と……ッ?!」
「————」


 ——ダァンッ!

 いきなり私めがけて刀が振り下ろされた。
 寸でのところで転がってそれをかわす。


「ほォ…気配を消してやったつもりだったが…。
 …やっぱそう簡単にはいかねぇか?」

「ハハハッ…何でこう辛い時に限って…襲われるんだろ、私…」


 体…ホント、動きませんけど…。やばいな。


「で…どちら様? いきなり刀振り下ろすなんて…。
 レディに対する礼儀っていうものがなってないようで?」


 そう言うと、目の前の男は妖しく笑った。
 ——次の瞬間、右肩に痛みが走って。血が、地面に落ちた。

 …どうやら、高熱で反応が鈍ってるみたいだわ…ッ!


「その顔色見てっと…今日は調子悪そうだなァ、女」
「初対面のお方にもバレるなんて…私はよっぽど顔色悪いらしいねェ〜」

「ククク…惜しいな。俺の手下にほしいくれェだ。
 体調でも悪ィのかよ、女」

「まァね。39.5を平熱って言っちゃうくらいに頭が働いてないよ?」

「そりゃァ重症だ。そんな中でもあの俺の剣をかわすたァ…。
 本当に惜しい女だ…。…だが」


 ————“ころすぞ?”

 そう言って目の前の男は、刀についた私の血を舐めた。
 …あぁ、もしかしなくてもコイツ…ッ!


「高杉、晋助か…ッ」
「クククッ…ご名答だァ…」
「…ッ」


 …兄さん、ごめん。
 ちょっと…無理しなくちゃ、いけないみたい。



( 間に合えこのやろォォ——ッ! )