二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【お祭り編】 ( No.37 )
日時: 2013/09/24 23:05
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 8JrV/Llz)
プロフ: 土方兄妹の絆を書きたかったのにただのグダグダと化した←

 瑠李

全然大丈夫だよー(´∀`)
待ちわびてます♪

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 いきなり起きた爆破。…攘夷浪士の仕業か…!
 その時何よりも真っ先に、テロの対策よりも先に浮かんだのは。


 16訓 絆の中で最も強いのは兄妹カゾクの絆だ


 ——ガキィンッ!


「へェ…やっぱり強ェんだな、女ァ…なかなかいい剣の筋してるぜ」
「そりゃァどーもォォッ! でもアンタに言われても嬉しくねェェェ!」
「クククククッ…噂通りの女だァッ!」


 刃と刃が、交じり合う。右肩からの血は止まらない。
 何度も何度も意識がぶっ飛びそうになる。…苦しい。

 でも、どうしてか立っていられる。…多分だけどそれは…、


「本当に体調悪ィのかァ? 信じられなくなってきたぜ?」
「人間は限界を越えると未知の力を発揮すんのよ! 覚えとけェェッ!」


 振りかざされた刀は真っ直ぐに私に向かっておろされる。
 早い剣の太刀。…コイツ、本気でやばい。そしてマジで強い。

 後退して高杉の刀を間一髪で避ける。そのまま私も高杉の腹を狙う。
 高杉の腹に横一閃の煌き。


「…チッ」
「浅いか…ッ!」


 恐らく一般人が見たら何が起こっているか分かんないであろう早さ。
 そんなスピードで私達は攻防戦を繰り広げている。

 一瞬でも気を抜けば、——殺られる。


「ッゲホゲホッ…!」

「その体で…俺の体に傷をつけたこたぁ褒めてやる。
 …だが…、テメェに負けるほど俺ァ弱くもねェし甘くもねェ。
 女ァ…恨みっこなしだぜ……?」

「真選組に…死んだら潔く成仏しろっていう決まりがあってね…。
 だから恨みっこもなんもないよ? …アンタも、さ」


 ヘッ…こちとら兄さんに逆に殺されるわッ!
 

「…そろそろ終いにしようやァ、女。
 俺の計画をことごとく潰されるのは面倒だからなァ…。
 それに…俺の仲間を、これ以上あっさり殺されても困んだよ」

「ヘェ…意外と仲間思いで…?」


 こんな奴でも、やっぱり仲間とかはちゃんと大事にしてるんだ…。
 まぁ、当たり前か。じゃないと…鬼兵隊なんてつくれないか。


「じゃあなァ…女」
「ッ…!」


 一瞬、視界がブレて。右肩に再び強い痛みを感じた。
 
 また刀をさされたその肩からは、血がとまることを忘れたように溢れ出る。
 思わず尻餅をついてしまう。でも、私も、負けてらんないから、


「……!」
「女、隊士…ッ。…三番隊、たいちょ、……なめんなよッ」


 高杉の腹に左手で刀をさす。互が互いに刀をさした状況。
 それでも高杉は笑っている。だから私も、笑ってやる。


「やっぱり…面白ェな、女ァ…!」
「その言葉そのまんま…バットで打ち返したらァァァァッ!!」


 ググッと高杉の腹から刀を抜き、立ち上がる。
 私の肩からも刀が勢いよく抜かれた。互いに血飛沫があがる。


「おォォらァァァァッ!」
「…死ね、女…!」
「…ッ…!」


 一瞬バランスが崩れて。向かってきた刃を受け止める。
 くっそォォ…ッ、——時間切れかァァ…ッ!


「どうやら完全にキレたらしいな。…終わりだ、女」


 あァ…ごめんね。ごめんね、天パ。
 ごめんね、…兄さん。もう、終局、みたい。



 あー…桂と約束したのに。私、まだ、死ねない、のに。




 振りかざされる、刀。ボーッとする、頭。 
 右肩に走る痛みと、宙を舞っている赤い血飛沫。




 一瞬遅れて、腹にやってくる痛み。









「————… ンメェェッ  …っすぎィッ——…!」




 視界入ったのは、銀色の何か。
 それと、…それと。視界全てを覆った、黒色の何か。




「————…れ、ん…ッ!」


 あァ…聞き間違えるはずもない、この声は。


「——しっかりしろ! オイ、栄蓮! 栄蓮ッ!」
「…に、ィ……さ…?」
「ったく…無理すんなっつったろーがッ!」
「にゃはは…ごめんごめん」


 ふっとまた浮上してきた意識。あァ…そういうことか。
 高杉とは天パが戦っている。その片手にはりんご飴。

 右肩に走った痛みは恐らく、兄さんが私の肩を掴んだんだろうな。
 高杉からの攻撃を避けさせるために。で、その間に天パが入ってくれたと。
 腹への痛みはかすかなものだった。かすったくらい。

 おかげで死なずにすんだ…。


「…悪ィ」
「…え? なんで兄さんが謝んの…?」
「俺が…あん時」


 ——“ちゃんと、止めていたら”。

 そんな言葉が身にしみるようで。心配してくれたんだと、わかる言葉。
 らしくないなァ…いつもみたいに叱り飛ばしてくれればいいよ。


「兄さんのせいじゃ、ないから」
「…………」
「そんな顔、…しないでよ」
「ッ…あァ…」


 強く抱きしめられて。…苦しいよ、兄さん。


「——…瞳孔女ッ」
「お、天パちゃ〜ん…」


 どうやら高杉を退けてくれたらしい天パがこっちに来た。

 まァ…こういう時は名前で呼ぶべきなんだろうけど…。 
 これがやっぱり私たちらしいよね。


「…ホラ、りんご飴。遅くなって悪かったな」
「大丈夫大丈夫…。…ありがとうね、天パ」
「ちょ、普通そこは“銀さん”だろ?! ムードねぇなぁ〜」
「うるさいッ!」


 あ、なんか、いつもの調子が出てきたかも、しれない。


「万事屋ァ…。まァ、色々と、…世話になった」
「えー? なーにー? 聞こえねぇよ、多串く〜ん」
「テンメッ、人がちゃんとやればァァッ!」
「ハハハッ」


 似てるなァ、この2人。…性格が、ね。 


「ッたく…あ〜ぁ、手が汚れちまった。洗いに行くかァ」
「あー…んじゃあそこの川で洗いなよ、天パ」
「おォ、そうすらァ。………って、川?」


 え? そうそう、そこの川だよ?


「綺麗な水が流れてるよォォ…? あァァ…綺麗ィィ…。
 あ、カエルだァァァ…待ってよカエル、私を置いてかないで〜…」

「ギャァァァァァァァァッ!! ちょ、多串君?! 
 おたくの妹さん高熱のあまり三途の川見えてますけどォォォッ?!」

「しかもカエル追いかけようとしてらァァァッ!
 待て待て待て栄蓮んん! そっちには行くなァァァァッ!」




( …ありがとうね、銀さん )