二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【お祭り編】 ( No.40 )
日時: 2013/09/25 23:56
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: zhN/mYB5)

 瑠李

やく…八雲だァァァァァァッ!
何かもうその表情とかもういかにも八雲ォォッ!

栄蓮に続き八雲まで…本当にありがとう、瑠李!

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 気づけばカラクリの山を大量にぶっ壊していた。
 …あーァ、油くさ。あ、近藤さん達から離れてしまったらしい。

 戻ろうとしたその時…首筋に、冷たい感覚。


 17訓 「久しぶり〜」って言って「え、誰??」って言われるとすっごく傷つくよね


「……誰だ?」
「……」


 …人の首に刀当てといて無視かよ。ふざけた奴だ。 
 なんて思っていると刀にこめられる力が上がった。…動くなってか。


「誰だっつってんだ、答えろ」
「…………」
「…殺されてぇのか」
「…………」

 
 まさか、…高杉晋助か?

 …はーい、八雲くんプッチン10秒前ェェェ。
 じゅーう、きゅー、はーち、ろぉぉぉく、よォォォォんんんッ!


「——この状況でそんな口きくなんて…相変わらずね」
「……ッ?!」


 …オカマ?! え、高杉オカマァァァッ?!
 イ、イヤ…高杉だっつーのは俺の予想だ…! 落ち着け俺…!


「…誰だって俺ァ聞いてんだ」
「…………」
「…悪いが俺は短気でなァ。…おちょくってんの? …殺すぞ?」
「フフフ…ッ。——八雲」
「ッ…!」


 ゾワッとたつ鳥肌。背筋を何か冷たいものが走った。
 この、俺の名を呼ぶ時の声色は。このおぞましい、声色は。

 大ッ嫌いな、…声色は。


「なんでテメェがまだ生きてんだよ…、クソ姉貴…ッ」


 —


「カエルがいっぴーき、カエルがにひーき、あ、逃げたァ〜。
 アハハハッ、カ〜エ〜ル〜ちゃ〜ん。今いくよォォォ〜」

「「いくなァァァァァァァァッッ!!」」

「ふぇえ…? アレ、あそこに昔よく遊んでくれた駄菓子屋のおばあちゃんが…!
 おばあちゃァァんッ! 久しぶりィィッ!」

「瞳孔女ァァァァッ! テメッ、ちょ、逝くなァァァッ!」


 いく? 良く? 行く? 活く? 逝く?


「いってきまァァァァす…ご飯用意しといてねェェ…ッ」
「ご飯でもなんでも用意するからァァッ!」
「とりあえずそっちいくなァァッ!」
「あァァァ…綺麗な女性ヒトォォ…舟だァァ…コレ乗るのォォ?」
「綺麗な女性についてくなァァッ! …ヤベ、俺も見てぇ」
「テメーもかィィッ! っていうかその舟に乗んなァァァッ!」
 

 え〜…? でも…おいでおいでェェェェって言ってるよォォ…?
 

「アレ…銀ちゃんッ! ここにいたアルかッ!」
「旦那ァ、それに土方さんに栄蓮。何してるんですかィ?」
「神楽ァァッ! 沖田くゥゥんっ!」
「助けろォォッ! ちょ、栄蓮がこのままじゃ逝くゥゥッ!」
「イく? …土方さん、そんな発言は」
「字がちげェんだよォォォッ!」


 総悟…に、チャイナ娘ェェ…? あ、メガネと近藤さんもきた。
 あれ…? アレレ? あ、れェェェ…?  


「や、く…も……は?」
「——隊長?」


 八雲の声が、聞こえて。そっちを見ると八雲がいた。
 そう。隊服に返り血を浴びまくった…八雲。


「八雲…オマ、1人何と戦ってきたんだァァッ?!」
「カラクリとかカラクリとか女とか」
「女ァァァァァッ?!」


 コッ…コイツ…! 女斬ったのォォォォッ?!
 一般人とかじゃないよね?! 大丈夫だよね?! 


「隊長…もう何か、顔色ヤベーっすね」
「え、そう? いやァ、でもね! そこに川があるから顔洗えるよ?」
「いや無いッス。それ三途の川っす」
「三種の鶏皮?」
「どこをどうやったらそう聞こえたァァッ?! もうダメじゃないっすかァァァッ!」


 あァ。…幸せだなぁ。
 

 —


「…………」


 女が1人。船の上で、ぼうっと空を見上げていた。

 肩まで真っ直ぐにのびた紫色の美しい髪と、すんだ青色の瞳。
 整いすぎているその顔立ちは、今は憂鬱そうである。


 そんな女の体を、何者かが抱きしめた。


「なんつー顔してんだ」
「……晋…助…? 怪我、してるんじゃ…?」
「まァな。女隊士と銀髪にやられちまったぜ」


 クククッと愉快げに笑う高杉。女は眉根を下げた。


「無理、しないでよ…」
「分ァってる」
「わかってないでしょ!」
「…そう言うテメェも、腹やられてんじゃねぇか」


 女の身につけている胸元のはだけた裾の短い派手な着物。足元は黒いブーツだ。
 その腹を指差し、巻かれている包帯をなぞる高杉。


「…誰にやられた」
「フフフッ…内緒」
「お前なァ…」


 呆れたような表情を見せる高杉。ニッコリと女は笑う。


「大丈夫よ。今日はちょっとやられてあげただけだもの。
 次会ったら…ちゃんと殺すわ?」

「…やっぱあんな女より、テメェが1番だ」

「んー? 何か言った?」

「…何でもねェよ」


 ——久しぶり、八雲。
 ——俺の名前を呼ぶな。お前なんかもう家族でもなんでもねェ。
 ——…えぇ。…そうね。


「…………」
「…………」


 2人してぼんやりと空を見上げる。
 高杉の腕の中で静かに女は目を閉じた。


「…晋助」
「…なんだよ」
「…私——」


 —

 
 オッス! オラえっちゃんッ!
 いやぁ、やっとのことで風邪からも解放されてねェェッ!


「うるっせェしキメェんだよテメェはァァッ!」
「ふべらっぷッ!」


 グッホォォォ…顔面ヒィィィット…!
 
 あのお祭りの日からまァ実に2日くらい生死の境をさまよって!
 イヤ、高熱+出血+激しい戦闘でもうやばかったのよ!


「たーいちょォォ、キモいっす死んでください」
「オイコラ待てェェェッ! 何でそうなんのォォォッ?!」
「えーれーんッ、失せろ死ね堕ちろ地獄に」
「今地獄にっつったァァッ?!」


 総悟と八雲は相変わらず敵ィィィっ!
 近藤さんは…ッてアレ、近藤さんんんんッ?!


「近藤さんなら…そこだ。その…見ないほうが」
「ギャァァァァァァッッッ!! 何で下はいてねぇんだアンタはァァッ!」
「ぐぼふッ!」
「ちょ、おまっ、何してんのォォッ?! 近藤さァァんッ!」

「ヒューヒュー栄蓮!」
「やんややんや隊長ォォッ!」
「テメェらは栄蓮の敵か味方かどっちなんだァァァァッ!」


 都合によって寝返りまくる野郎どもだよォォォッ!
 もう織田○長の気持ちがわかる! …きがする!


「あ、栄蓮隊長ォッ」
「お、ザキ! 苺牛乳買ってきてくれた〜?」
「えぇ! どうぞっ!」
「せんきゅーべりぃまぁっち!」
「発音悪ッ」
「ンだとコラァァァッ! 気分は帰国子女じゃァァッ!」


 やっぱり元気が1番だねッ!



(あ、坂田さん)
(ん? あァ、八雲くん。どーかしたか?)
(コレ、苺牛乳ッス)
(マジで? 八雲くん奢ってくれんの?)
(違います。…匿名希望さんからっスよ)
(……………………) 
(じゃあその匿名希望さんに、ありがとよ瞳孔女、って伝えといてくれや)
(…りょーかいッス!)