二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【幽霊騒動編】 ( No.57 )
- 日時: 2013/10/01 21:13
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 1OZSm3LG)
瑠李
全力であずま様応援!(
そして瑠李も応援! ファイトォォォォォォォォッッ!(((
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土方栄蓮。女隊士。嫌いな物はカエル。特に緑色。
風霧八雲。二枚目クール男。嫌いな物は。
22訓 人間誰だって嫌いなものがある
「う…あ…あ…赤い着物の女が…う、う…来る…!
こっちに…来るよ…ッ…うぐっ!」
「近藤さ〜ん、しっかりしてくだせェ。
いい年こいてみっともないですぜ、寝言なんて」
近藤さんまで赤い着物の幽霊にやられるとは…。
参ったなァ…どうしたもんかねェ…。
「…ん……」
「あ…目が覚めた? 八雲?」
「…隊長…」
八雲くん起床ー。まだちょっと顔色悪いけど…平気かな。
そして八雲は万事屋三人衆を見て一瞬ですべてを理解しました。もう流石…!
イヤ…でも目つき超怖いよ。土下座してるよ万事屋三人。
「八雲さんすいませんでしたイヤもう本当にイヤ切実にイヤマジで」
「坂田さん、新八さん、神楽さん。……もういいっスよ」
「や、八雲くん…! やっぱり君はいい奴だ!」
「とりあえず布団貸してあげるんで寝てください、深く永遠に」
死ねっつってるゥゥゥゥゥゥゥゥッ?!
コイツは何を真顔でしかも二枚目顔で言ってんだァァァッ?!
「や…八雲さん……」
「…ハァ。冗談っス。って言うかそういう事にしときます。
……で。次は近藤さんがやられた感じっスか」
「うん。さっきから赤い着物の女って言葉を繰り返してる」
「…ハァァァァ…。で、万事屋衆さん達は幽霊を信じてここに来たんすか?」
「馬ッ鹿オメェ、俺ァ幽霊なんざ信じちゃいねーよ。
アホらし。付き合いきれねーや。オイ、てめーら帰るぞ」
そう言って立ち上がる天パ。とメガネとチャイナ娘。
…イヤ、あのさ。帰ってくれるのはすんごく嬉しいんだけど。
なんであの…仲良く手ェつないでんの?
「銀さん…何ですかこの手は」
「…なんだコラ。
てめーらが恐いだろーと思って気ィつかってやってんだろーが」
「銀ちゃん、手ェ汗ばんでて気持ち悪いアル」
「「「「…………」」」」
もしかしなくても。うん、もしかしなくてもだよね。
…この天パ野郎、人のこと散々馬鹿にしといて…。
「あっ、赤い着物の女!!」
——ガシャンッ!
…盛大に天パが押し入れに飛び込みましたよ。
イヤ発言者は総悟なわけなんだけど、勿論嘘だよねウン。
「…何やってんスか、銀さん?」
「いや、あの…ムー大陸の入口が……」
「…オイこら天パ。もしかしなくても…アンタ幽霊が」
「なんだよ」
イヤ、絶対ビビってるよね。って言うかビビってたよね。
「…土方さん、コイツは……アレ?」
——ガタッガタッ
…兄さんが何か、馬鹿でかい壺に上半身突っ込んでる。
…イヤ。ちょっと兄さん。ちょっと兄さん。ちょっと兄さァァんん!
「……土方さん、何やってるんですかィ」
「いや、あの…マヨネーズ王国の入口が…」
「「…………」」
あァァァ…何か思い出した…きがする。
こんの馬鹿兄さん確か…幽霊無理だったような。
「ハァ…ねェ八雲、これどう思…」
——ガツッ! ガツッ! ガツッ!
イヤなんか八雲が全力で柱に頭ぶつけてますけど。
目ェ血走ってますけどォ! 血が飛びまくってるんですけどォォォッ!
「…何やってんの…八雲…」
「…いえ、あの……。…趣味っスよ」
「どんな趣味ィィィィッ?!」
何?! 何なのこいつら?! 何でこんなヘタレたくさんなの?!
つーか何で二枚目男ほとんどヘタレなの?! 総悟とメガネ以外アウトよ?!
「……行くぜィ、栄蓮」
「……そうしようか」
「待て待て待て! コイツらはそうかもしれんが俺は違うぞ!」
「びびってんのはオメーらだろ! 俺はお前…ただ胎内回帰願望があるだけだ!」
「何言ってるんスか。びびってんのはアンタらっすよ。俺はただの趣味ッス」
「分かった分かった。ムー大陸でもマヨネーズ王国でもどこでもいけよクソが!
趣味で柱に頭ぶつけまくって死ねヨ馬鹿が!」
「口悪ッ! 口悪ッ! 何コイツ、口悪っ!」
「「「って言うか何だその蔑んだ目はァァァァ!」」」
イヤもう。私はこの3人の二枚目男を信じないィィィ!
いい年こいて何で幽霊恐いの?! イヤカエル嫌いな私が言えないけどもォォ!
「………あ」
「…………」
…ちょっと待って。何かさ、何かいるよ。
イヤ、あの、ちょ、あの表情はヤバイィィィィィィッ!
「「「「ギャァァァァァァァァァァァァッ!!」」」」
「…なんだオイ。俺達を驚かそうったって無駄だぜ?」
「よくあんな手の込んだ嫌がらせを。これだからガキは…」
「隊長まで悪ノリしちゃって。ったく……」
「「「ひっかかるかってんだよ」」」
——振り向いた3人の後ろには、
襖の間から凄い形相で逆さになって口を開いている赤い着物の女。
「…………」
「…………」
「……こッ」
「「「こんばんは〜…」」」
——ギャァァァァァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!!!
「ギャァァッ! 何か聞こえたァァッ! 3人の悲鳴が聞こえたァァ!」
「諦めろィ…もう奴らはダメでィ」
「八雲ォォォォォッ!」
ってか見ちゃったよ! マジで幽霊見ちゃったよォォォォ!
全速力で私達4人は疾走中ゥゥ! あァァァ死にたくないィィィ!
「「「待てェェェェッ!」」」
「切り抜けてきた! 切り抜けてきたァァッ!」
「けど背中ァァァァァァァッ!」
何か背負ってるゥゥゥゥッ! 女乗ってるゥゥゥゥゥッ!
こっちに来んなァァッ! マジで頼むからァァッ!
「隊長ォォッ! 何で逃げるんスかァァァァッ!」
「己らの背中に聞いてみろォォォッ!」
「背中ァァッ?! ちょ、副長! 坂田さん! 何か背中重くね?」
「知らん! 俺は知らん!」
「ちょ、せーのでみましょうよ! せーのっスよ!」
「テメェら絶対見ろよォォッ! 行くぜェッせぇぇぇぇのっ!」
————ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアァァッ…!
避難完了ォォ…二枚目三人衆よ、貴様らの死は無駄にしないィィ…!
にしてもこの物置せまいィィィッ…!
「やられたァァ…今度こそやられたよあの人たちィィ…!」
「総悟ォォ…ここ暗いよ、何か明かり持ってない?」
「明かり明かりっと…あ、蚊取り線香ならありやしたぜィ」
「微かな明かりだなオイ」
切ねぇよ、そんな明かり切ねぇんだよォォ…!
兄さァァん…天パァァ…八雲ォォ…!
「ババァァ…銀ちゃん死んじゃったアルか?」
「それを言うなら八雲も兄さんもだよォォ……ッ」
——ガタタッ…
物置の入口が小さな音を立てて。
あ、やばい。きっと来るーきっと来るーっていう音楽がどこからか聞こえてくるよ。
「ちょ、ヤバく…な……」
私が見たのは。物置の扉の隙間から、
…私達を怪しげな笑みを浮かべながら見てくる、女。
「…………」
「…………」
「「ぎゃあああああああああああああああああああああ!!」」
で…で…でででッ、でとぅワァァァァァァァっ!
蚊取り線香の明かりの意味もねェェッ! 寧ろどん底だァァッ!
さっきよりも周囲が真っ暗に思えてきたァァァッ!
「でっ…でっでで出すぺらァどォォォ!
スンマッセン! とりあえずスンマッセン! マジスンマッセン!
てめーらも謝れバカヤロォォォォッ!」
「オメェの方が危ないわァァァッ! 総悟ォォッ! チャイナ娘ェェッ!」
メガネに頭鷲掴みにされて頭ガンガン地面に叩きつけられてるゥゥ?!
ちょ、それ以上は総悟とチャイナ娘が死ぬゥゥゥゥッ!
「……アレ?」
気づいたらあの女はいなくて。
代わりに蚊取り線香の煙が物置内に充満していた。
「ア、…アレェェ…?」
「…………」
白目むいてる総悟の手に握られている蚊取り線香。
それを見ていたメガネが、メガネをキラーンと輝かせた。
「栄蓮さん…」
「ど、どうしたの」
「僕…あの幽霊の正体、わかった気がします!」
「マジか。うんそれは嬉しいんだけども。
……総悟とチャイナ娘どーすんの」
「…あ」
(…てめェら生きてやがったのか)
(オメェ達こそ)
(なかなかしぶといッスね)