二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【煉獄関編】 ( No.60 )
日時: 2013/10/01 22:21
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 1OZSm3LG)

 今日は八雲が非番のため栄蓮は一人見回りだ。
 ブーラブーラと街中を歩いていた時、子供を見つけた。


 24訓 仕事はちゃんとするべし


 イヤ、あの…何か子供が泣いてますけど。
 え、コレはアレだよね。一応警察として…声かけるべきだよね。

 まだ4歳から5歳くらいの小さい男の子。よ、…ヨシ行くぜ。


「ねェ、僕? こんなところでどうかしたの?」
「うぅッ…ひっく…ぅっ…」
「僕〜?」
「ぅっ…ぅうっ…」
「…………」


 面倒くせェェェェェェェッ!
 私これくらいの年の子供苦手なの! 無理なの! ダメなのォォ!


「……ち…ぃ」
「…え?」
「おう…ち…かえり…たぃ…ッ」


 イヤ君の家なんぞは知らないからァァァァッ!
 どうすればいい?! コレどうすればいいよ?! ヤバイよ周囲の視線が!


「お、おうち帰りたいねェ。僕、おうち何処かなァ〜?」
「ヒック…うっ、おうちは…ッ廃寺…ッ! けど、迷っちゃって…!」
「ハイジ? え、何? アルプス? アルプスか?」
「ウゥッ…うぇぇぇぇぇんっ!」


 ギャァァァァァァァァッ! また何か私は馬鹿な発言をしたらしィィィッ!
 泣かれたよ?! なにこれ?! なにこれ?! 馬鹿にされたような失望されたようなァァッ!


「ヨ、ヨシ! オネーさんが一緒におうちを探してあげよう!」
「ほ、んと…?」
「勿論! ハイジを探してあげよう!」
「あ…ありがとッ…!」


 …と言ってもハイジ? 何それ?
 ま、まぁ…何とかなるよね! と言うか何とかするよ!


「ヨ…ヨシ、聞き込み開始だァァッ!」
「ぐすっ…おぉぉっ!」


 あ、この子もちょっと元気出たかな?
 ヨ、ヨシ…頑張って行きますかァァァッ!


 —


「アノ、すいません。この辺にハイジってありますか?」
「廃寺…ですか。ごめんなさい、知らないです」


 —


「アノ、すいません。この辺にハイジってありますか?」
「廃寺ですかィ? 俺ァ知らねェでさァ」


 —


「アノ、すいません。この辺にハイジってありますか?」
「アルプスに行ったらいるのでは?」
「イヤ、あの。“いる”ではなく“あり”ますか?」
「アルプスに行ったらいるのでは?」


 —


「…………」
「…………」

 
 ……全滅だァァ。つーか2人目おかしくね? かなり親しい知り合いじゃね?
 3人目勘違いしまくってね? もうダメじゃね? まともなの1人目だけじゃね?


「おねーさん…ごめんなさい」
「え」
「僕のせいで…」
「…………」


 流石に…この年の子のこんな表情はみたくないかな。


「…大丈夫大丈夫ッ!」

「…え」

「絶対おねーさんが見つけてあげるから! ハイジでも何でも!
 だからさ、もうちょっと頑張って探してみよう! …ね?」

「……。…うんッ!」

「ヨシ、そうと決まれば調査再開ッ!」


 男の子の手をひいて立ち上がった時。
 ちょっと離れた木々の隙間から、一瞬だけど建物が見えた。


「…アレって……」
「あ…。おねーさん! 僕の家、多分あっち!」
「…ヨシ!」


 ドンピシャァァッ! 多分あれがハイジだァァッ!

 草むらをかき分け進んでいくと、現れたのはお寺。
 …ハイジ? あァ、廃寺! 今更理解したよ!


「って言うか…ココ、本当に僕の家?」
「うん! あ、道信先生だァァッ!」
「……へ?」
「あ…! どこに行ってたんだ…! 帰りが遅いから心配していたんだぞ…!」


 …お父さん…じゃないよね? 先生とか呼ばれてるし…?

 道信先生と呼ばれたのはまだ若そうで歳いってそうでな男性。
 男の子を力強く抱きしめてるんですが…アレ? 私お邪魔虫?


「…じゃ、コレで失礼しま」
「お待ちください! …もしや…真選組ケイサツの方ですか?」
「あ、えぇ…まァ…」
「女性…イヤ、男性ですか?」
「スイマセン一発殴らせてもらってもいいですか?」


 何ですかこの人。何ですかこの人。いやいくら女っけないからって。
 私だって悲しいんだよォォ! 色気を誰かくれェェェッ!


「も、申し訳ない。あの…男性にしては華奢だと思いましたが。
 真選組というのは男しかいないというイメージしかないものでして」

「ハイもう弁解はよろしいです、ハイ。もう慣れっこですよ、えぇ」

「どこかご自分に言い聞かせておられるような」

「気のせいです」


 そうさ…慣れっこだろう、私。いつものことだろう…!
 あ、ヤベ、言い聞かせてた。


「この子をここまで送っていただけたようで…有難う御座います」

「いえ、一応職務なもので」

「今日はもう遅いです。
 この辺りは危険ですから、ちょっと寄っていかれませんか?」

「いえ、あの」


 …マジだよ。気づけばもう辺りは真っ暗だよ。
 でも帰らないと兄さんに殺されるよォォ!


「おねーさん」
「………??」
「寄って、いって…?」


 …子供に言われちゃいましたけど。どうしましょう。
 イヤここで断るのは何か大人気ない気がするのですがァァ…!


「…どうですか。この子もこう言ってますし…」
「…分かりました。ではちょっと…お邪魔します…」
「やったァッ! おねーさん、こっちこっち!」


 イヤ…何か…いいのか? 帰らなくていいのか私?
 



(オイ総悟、栄蓮の奴がまだ帰ってねェんだが。何か知ってっか?)
(ハイジ探してやしたぜィ。今頃アルプスかと)
(アルプスゥゥゥゥッ?!)