二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【煉獄関編】 ( No.67 )
- 日時: 2013/10/03 22:27
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: PEb0lw5o)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11627242274.html
翌日。早朝から栄蓮は八雲の部屋を訪れた。
互いに今日はオフのため、2人は私服で屯所を出た。
27訓 やっていい事と悪いことの区別ぐらいつけろ
「で…八雲クン? どこに連れて行ってくれんの?」
「あー…まァ、ついて来て下さい」
「イヤァァァな予感しかしないんですけど」
「気のせいっスよ」
イヤ、何か変な裏道入ったし。何コレ? 何ココ?
かと思えば今度は地下に続くような道。…何ですか、秘密組織のアジトにでも行くの?
なんて思っていると…いきなり視界が開けた。
「…!!」
何ココ…? 大勢の観客…がいるみたいだけど…?
「八雲…、此処は……?」
「…地下闘技場——“煉獄関”ッスよ」
「…れん、ごく…かん」
どこかで聞いた覚えがあるのですが。うん、どこだろう。
……昨日総悟に聞いたんですけどォォォッ!
え、なに? ココ? ココのことなのか? ヤベーよ総悟くん、知ってるの君だけじゃなかったよ!
「ココで行われてんのは…正真正銘の殺し合いなんスよ」
「……え…?」
「賭け試合…違法賭博っつったら分かりますか?
どう考えたって違法なんスよ、コレが。ったく胸くそ悪ィ。
何度潰してやろうかと考えるんスけど…ダメなんすよ」
「なんで」
すると八雲は今まさに闘技を始めようとしている人間の…上。
つまりは観客席の上の方を見た。
そこに見えたのは…笠を深くかぶった人影。
「…アレは……」
「…“天導衆”。将軍を傀儡にし、この国をテメー勝手に作りかえてる連中ッす。
事実上この国の実権を握ってんなァ奴らッスね。
ここ、煉獄関は…奴らの遊び場なんスよ」
「殺し合いさせる場が遊び場ってか? 趣味悪いねェ?」
「どうっすか? ぶっ潰したくなりましたか?」
「イヤ何? 私をコレに巻き込むために呼んだのか? ん?」
「ザッツラァァァイトッ!」
「じゃねェェェェェェッ!!」
なにがザッツライトだァァァッ!
って言うか何それ?! 何それ?! 何で私までェェェッ!
「下手に動くと…真選組も潰されかねないんスよ?」
「……え…??」
「だから…あまりにも大きな動きすると、天導衆の奴らに真選組が潰されます。
ですからなるべく少数で行動をしなくちゃなんねェ。
でも流石に俺1人ではキツいんすよ。…で、隊長に頼みたいと」
「……なんで私?」
一応総悟は知ってるような感じだったし。
…イヤ、一応八雲には言わないでおくけど。何か誰にも言うなって感じだったし。
「隊長なら安心ッスから。いろんな意味で」
「どう言う意味?」
何か悪い意味も含まれてそうなんですケド?
「あ…。アレ、見てください」
「え…?」
八雲が指差した方向には…、
金棒を持ち、鬼の面をつけた上半身裸の人物。…何だあれ…?
「アレが…、ここ煉獄関最強の闘士。…“鬼道丸”ッス」
「……鬼道丸」
「えぇ。…ここにいる奴ァ全員金欲しさに人殺すような狂人ばかりっス。
そんな中でも負けなし。無敵の帝王っスね」
「…マジか」
なんつー危険な存在…。とりあえずあの鬼道丸を洗うべきかな。
あとは…天導衆をどうするかなんだけどねェ…。
「お、隊長。やる気湧いてきたっスか?」
「ん、まァね」
「……ょっしゃ…」
「? 何か言った?」
「なんでもないっすよ」
——その時。
鬼道丸と呼ばれる存在が、こちらを見ている…気がした。
「ッ…?!」
なに、今の…? 気のせい…かな?
—
煉獄関からの帰り道。何か八雲は野暮用があるらしい。
…ので私は1人、道信さんたちのいる廃寺へと向かった。
「こんばんはァ〜」
「あっ、栄蓮のおねーちゃんだッ!」
「栄蓮おねーちゃァん!」
「オババァァァッ!」
「誰がオババだァァァッ!」
いつも通り明るく明るゥゥくチルドレンと触れ合う。
…あれ? あれれ? 道信さんが…いない?
「ねェ、道信さんは?」
「え? あッ、先生はねェ——」
「…おや、栄蓮さん?」
聞きなれた声。振り返ると道信さんがいた。
お仕事…にでも行ってたのかな…?
「今日も来て下さったのですか。どうぞお上がりください。
特になにもおもてなしできませんが…」
「アハハッ、お気になさらず。平気ですから?」
…けど、なんだろう。…なんだろう?
————血の匂いがする。
「……どうか、されましたか」
「え…? あ、いえ! なんでもないですよ!」
「………………」
…道信さん。全ッ然元気がないんだけど。
何これ何これ。私のせい? 私のせいなんですかァァッ?!
「…栄蓮さん」
「ハイ?」
「私は貴方に…大切なことを言わなくてはなりません」
「え」
なんですか。告白ですか、告白タイムですか?
「すいませんが私はどっちかというと同い年h
「今日…煉獄関に来ておられましたよね」
「いえですから同いどし…。……え??」
なんで…道信さんが、そんなこと知ってんの…?
もしかして道信さんも…見に行ってた感じ…はないよねェェェ?
子供達がそれぞれ騒いでいる。
そんな中で、私と道信さんは別世界にいるような感じ。
それくらいに、何だか、重たい。
「行ってましたけど…なぜ……?」
「……そこに…“鬼道丸”という闘士がいましたでしょう」
「あ、えぇ」
「アレは……私なのです」
どこかさみしげに、道信さんは微笑んだ。
( その片手には鬼の面 )